「未納が増えると年金が破たんする」って誰が言った?に続く、シリーズものを読む。
ワーキングプア、就職氷河期、非正規雇用・派遣などのキーワードに代表されるように若者はかわいそう論が、現在主流である。これらは、ベストセラー「ワーキングプア」「仕事のなかの曖昧な不安」「若者はなぜ3年で辞めるか」という本の影響が大きいらしい。筆者はこれらについてデータでもって反論している。
「若者はかわいそう」論のウソ (扶桑社新書) | |
海老原 嗣生 | |
扶桑社 |
(1) 「就職氷河期」 大学が増えすぎていることに尽きる。中小企業では今でも求人難である。高卒ブルーカラーの求人が減って(これは大問題)、対人折衝のある仕事だけが残っている。
(2) 「派遣」 一旦就職してその後、辞め、派遣になっていることが多い。 対人関係に馴染めないこれらの人が二―トになる可能性大。また、派遣の給料は決して低くない。日本型雇用慣行は崩れていない、能力主義になっても給料はほとんど変わらない。
(3) 「ワーキングプア」 統計上本当のプアは、増加している老人層、この世代が最も貧しい。ただ、ストック(貯金)の統計がないためここの議論は除外。
(1)(2)はフムフムだが、、(3)どうもピンとこない。老人はお金持ち。いかに使ってもらうかがか、デフレ脱却のポイントと思っていたが。
後段に、筆者の提案が載っている。移民の受け入れなど、聞くべきものも多い。