呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
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小学校の算数で

2015-03-25 14:14:43 | その他

今日は小学校で習う算数で宇宙を解いてみましょう。
小学校での勉強がいかに重要かが分かると思います。

今回は天体の動きについてです。



月は地球の周りを約27.3日かけて回っています。
月から地球までの平均距離は約38万kmですので、月が地球の周りを
1周する道のりは、円周の計算から、

(月の道のり)= 2 × 380,000 [km] × π

       ≒ 2,400,000 [km]

小学校の時に習った、道のり・速さ・時間の関係を使うと、
月の公転速度は、(速さ)=(道のり)÷(時間)で求まり、

(月の公転速度)= 2,400,000 [km] ÷(27.3×24×60×60 [s])

        ≒ 1 [km/s] 
  
です。月は地球の周りを秒速1kmで回っているんですね。
※日を秒の単位にして考えています。


では、今度は地球で考えてみましょう。
地球は太陽の周りを約365日で回っています。
地球から太陽までの平均距離は約1億5千万kmですので、地球が太陽の周りを
1周する道のりは、円周の計算から、

(地球の道のり)= 2 × 150,000,000 [km] × π

        ≒ 940,000,000 [km]

地球の公転速度は、(速さ)=(道のり)÷(時間)で求まり、

(地球の公転速度)= 940,000,000 [km] ÷(365×24×60×60 [s])

         ≒ 30 [km/s]

です。地球は太陽の周りを秒速30kmで回っているんですね。
※日を秒の単位にして考えています。


では、さらに太陽系で考えてみましょう。
太陽系は天の川銀河の中心の周りを回っています。ところが、人間が
そのことを知ってから、まだ1周が完了していません。どのくらいの
時間をかけて回っているのでしょう。これを知るためには、道のり・
時間・速さのうち、道のりと速さが分かれば計算することができますね。

ここでは、最新の観測結果から、太陽系と天の川銀河の中心との距離は
約2万8千光年、太陽系の公転速度は秒速約230kmとして考えます。

1周する道のりは、円周の計算から、

(太陽系の道のり)= 2 × 28,000 [光年] × π

         ≒ 180,000 [光年] 

太陽系の公転周期は、(時間)=(道のり)÷(速さ)で求まり、

(太陽系の公転速度)= 180,000×300000×365×24×60×60 [km] ÷ 230 [km/s]

          ≒ 7,200,000,000,000,000 [s]

          ≒ 230,000,000 [年]

です。太陽系は天の川銀河の中心の周りを約2億3千万年かけて回っているんですね。
※光年をkmの単位にして考えています。また、最後は秒を年の単位にしました。

太陽系の年齢が46億歳とすると、今までに天の川銀河を何周しているでしょうか。


このように考えると、小学校までに習う知識で、宇宙のことを自分で解いたり、
考えたりすることは十分にできるのです。扱う数字が大きいので慣れが必要なだけ。
だから、小学校で習う勉強・範囲は、とても大事なのです。


ぜひ他にも、算数を使って答えを導き出せる宇宙の問題にチャレンジしてみてください。




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