「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

ポール・ウィルソンによるパイン材のダイニング・テーブル

2010-05-05 05:56:24 | 内装・インテリア
パイン材の家具はお好きだろうか。

パインは日本の雑誌に出て来るような「北米的カントリー」なイメージが強く、まるで「赤毛のアンのような少女趣味」と捉えられ、敬遠する人も多い。然しながら私はパイン材の家具が好きなのである。建材としても非常に良いと思う。今や日本でも北欧産パインのマシンカット・ログは有名だし、米国産でも昔から同様なものはあり、とても味わいがある。内装材(建具や厨房セットの面材、壁や天井材)としてもとても良いのではないだろうか。かなり柔らかいモノが多いので、床に使うのは意見が分かれるだろうけれども。



日本で購入出来るパイン材家具の多くが英国製やイタリア製だが、このテーブルも英国製だ。Paul Wilsonという職人の家具店が作ったテーブルで、90年代には日本の家具店経由でたくさん輸入されていた。不思議なことに、当時国内産も外国産もテーブルの国内販売価格がほとんど変わらなかった。いったい本国でこのテーブルはいくらで売られていたのだろう。今もPaul Wilson Pine Furniture Co., Ltd.はイングランドにある。

きちんとしたダイニング・テーブルではなく、どちらかと言うとキッチンで食事するようなカジュアルな雰囲気のモノである。まあ、我が家全体がそんなユルユルな感じだが。



購入から13年半。自然木の家具の常で、別に擦らなくても表面が徐々に柔らかみを帯びて来る。「擦り切れた」ような自然な丸みを持つのである。黒光りしているところもある。ワックスや脂を塗り込み、メンテしていると、美しい木目が浮かび上がって来る。最近では高価なパイン材家具用ワックスを買うこともなくなった。オリーブ・オイルを薄く塗っていれば特に遜色がないということがわかって来たからだ。いや、厳密に言うと、遜色はあるのかもしれないが。

このテーブルの「売り」は天板の厚みである。「2 inchトップ」モデルと呼ばれ、実際に2インチあるわけではないが、天板の厚さが4cmを超えるのだ。日本の一枚板ものでは4cmなど珍しくもないが、パイン材テーブルではこの厚さは珍しい。それだけに乾燥収縮によるクセも出るので、作製とその後のメンテがやっかいになる。



パインの家具材としての魅力はいろいろあるだろうけれども、そのひとつは大きな節があちこちに目立って見えることだろう。日本で一流建材として利用される杉や檜とは大違いで、節がたくさんあること自体がマイナスにはならないのだ。

「これは無垢の木ですか?」と聞かれることがある。「無垢」の定義を詳しくは知らないが、薄くスライスした板状の木を何枚も貼り合わせたものではないのは確かである。しかし天板を一目見ればわかるが、パイン材のテーブルで、いわゆる「一枚板」で天板を作ったものなど存在しえないのである。パインにそんな太い材は世界中探してもないだろう。だからこのようにいくつもの材を横につないで天板を作るのが伝統的製法なのである。



テーブルの天板を横から見たのが下の画像だ。年輪の丸みの方向を「上・下・上」と組み合わせて横に並べ貼り合わせて行く。どうしても長い間には年輪に沿って収縮が起こる。その時に生じる割れや反りをなるべく抑制しようとしている。黄色い補助線を加えてみたからわかると思う。縦の線が板の継ぎ目である。弧を描いているのが年輪に沿った線だ。



天板裏側からも、反りを抑える工夫が見られる。反りやすい天板を、側面から一生懸命抑えているのだ。



これが全体。サイズは200cm(L)×89cm(W)×76cm(H)。イスを横に2脚しか並べていないので、ずいぶん短いテーブルに見えてイメージが湧かないかもしれないが、両肘つきのイスでも並べない限り、実は横に大人3人が楽に並べる長さなのである。購入した当時、他にも長さは180cmや150cmのものがあったと記憶する。高さが76cmというのは、平均的な日本のダイニング・テーブルと比較すれば少し高いだろう。しかしイスの座面も高めのものを使っているので、問題はない。

普段妻と二人でかなり持て余し気味で、日本の家具店でサイズの短縮もやってくれるらしいのでそれを頼もうかとも思っているが、踏ん切りがつかない。テーブルの長さを縮めてその分空いたスペースを楽しむよりも、2mちょうどの長さを失いたくない気持ちが強いのである。

因みにこの脚のデザインは「ヴィクトリアン」と呼ばれるやや装飾過剰なもの。お嫌いならストレートなレッグの用意もあるはずだ。
    


カジュアルな雰囲気でもよければ、パイン材のテーブルもひとつの選択としてお勧め出来る。他の木材に比して、年月を経た風合いをかなり短期間で味わうことが出来るからだ。擦り減ったような丸みと柔らかさは、他の材ではなかなか出て来ない。



ついでに、テーブルとセットで使っているイスも紹介しておく。これはテーブルとはまったく別に購入したものだ。非常に安いイタリア製。記憶が定かではないが、確か8,000円(1脚)とか、そんなものだったと思う。安いでしょう? 最初からこのテーブルに併せるつもりで購入した。



どうです? なかなかハンサムなイスでしょう? デザイン的にはとてもシャープだと思うんだけどなぁ・・・。

コメント (4)
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