ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(44) 神野山

2014-03-03 10:44:08 | 私の関西百山

神野山(619m) <大和高原>

【こうのさん】大和高原北部、奈良県山辺郡山添村にある。なだらかな山容で円錐形の山頂部を持つが火山ではなく、風化浸食から残った斑糲岩の残丘である。山名は、古代から「神の山」として尊崇されていたためと言われ、南山麓に伏拝、助命などの信仰を表す地名が残っている。現在、山域一帯が神野山自然公園として整備されている。

 西側の杉野にある神野山登山口からは、神野寺参道の松並木を経て約2㎞。他に北側の北野、南側の伏拝、助命からなどの道が山頂に通じている。

 

北東山麓の「なべくら渓駐車場」からの超お手軽コースを記す。

鍋倉渓は大小の真っ黒な石(角閃石斑糲岩)が幅30m長さ数百mにわたって谷を埋め、その下を伏流水が流れている奇観で、1957年、奈良県天然記念物の指定を受けている。昔、神野山の天狗と伊賀・青葉山の天狗が喧嘩をして、伊賀の天狗が投げた石が鍋倉渓になったという伝説がある。



2000年2月に来た時は、黒い石の上に白く雪が積もって、まるでアブストラクト彫刻を見るような景色だった。右岸の立派な遊歩道を登って最上部の木橋で渓を渡ると大きな岩がいくつかあり、更に少し登るとあっけなくなだらかな頂上部に出る。TV中継所、電波塔、水道施設、東屋などあり、公園のように整備されている。

阿波野青畝の句碑や三角点のある広場奥に大きな螺旋階段を持つ展望台がある。

一等三角点の山だけに、北に鷲峰山など笠置山地、東から南にかけて曽爾の山々、額井火山群など、西は金剛・葛城までが一望できる。 また山頂付近はツツジの群生地として有名で、毎年5月にツツジ祭りが催される。

 

頂上まで舗装した林道が延びているが、南側に下ると右手一面に拡がる茶畑を見ながら神野寺に着く。奈良時代に行基が開いたという古寺は、杉の緑に囲まれてひっそりと佇んでいる。ここから伏拝へ下る道と分かれて東に行くと弁天池がある。静かな松林の中の道を下り、炭焼き窯や木工館のある林間施設ゾーン、野外活動センターを通って森林科学館前の道に出る。1.6mの磨崖仏・塩瀬地蔵や弘法大師伝説の残る「大師硯石」を見て駐車場に帰る。