ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

竜王山 (2011.10.17)

2011-10-17 17:02:03 | 山日記

 7時過ぎ家を出て上ツ道を走り、柳本の長岳寺駐車場に着く。近所の農家のものらしい、エンジンをかけたままの軽トラが一台。ほかに車の影はない。8時、歩き出す。曇り空ながら雨の心配はなさそうだ。いったん山門をくぐり舗装路に出るところで、犬と散歩中の人に挨拶する。このあと山頂まで誰にも出会わなかった。

 名産地だけに枝が撓むほどたわわに実った柿を横目に見ながら緩く登っていく。

 お茶の木に美しい花が咲いていた。もと馬がいたところを過ぎて、草地の中の道をしばらくいくと小さい石の地蔵さんがあり、ここで舗装が切れて山道に入る。少し登ると柳本古墳群から「山の辺の道」へ通じる道が右に分かれるが、入口に土嚢が積まれ木の枝が置かれて通れなくしてあるようだ。土嚢を敷き詰めた狭い掘割状の道や、木の階段道が延々と続く。整備されていない所は抉れた花崗岩の溝に水が流れている。一ヵ所だけロープが垂らしてあるところがあり、ここは帰りに使わせてもらった。

滑りやすいジメジメした道を、ゆっくり高度を上げていくと再び急な木の階段道になり、最初のベンチを見送るとお不動さんの石仏にでる。湿気が高く蒸し暑いのでシャツを一枚脱ぐ。歩き始めて45分、最初の目標地点だが汗を拭っただけで登り続ける。二つ目のベンチを過ぎてもずっと薄暗い樹林帯の中。展望もなく目標も少ないので楽しみの少ない単調な道が続く。U字状の登りや階段道を繰り返しながら行くと、やや勾配が弱まって両側が植林帯の尾根道となり、長岳寺奥ノ院への道を分ける。ここから、また木の階段の連続だが、ゆっくり登り続けて天理からの林道に飛び出した。田竜王社に手を合わせて、少し林道を歩いて右に折れて南城址の頂上に向かう。

二度、平らな場所地を過ぎて三角点のある南城跡に立つ(9時30分)。
以前より周囲の木が大きくなって、北から東、南にかけての展望が悪くなった。

唯一開けた西側だが、残念ながら今日は殆ど無展望で、ぼんやりと下の町が見える程度である。さすがにシャツ一枚では寒さを感じたので急いで着換えて、無人のベンチに腰を下ろしてポットに入れてきた熱いコーヒーを飲む。今までここでコンロを使ってきたが「火気厳禁」の大標識が新しく置かれ、♀ペンの先見の明と言おうか、ポットが役に立った。

今日は貸切か…と思ったところに、若い男性が登ってきた。少し言葉を交わして藤井竜王社の方へ下る。(9時50分)
♀ペンが午後に用事があるので、最短の元の道を下る。滑らないように気をつけながら下りるうちに、汗がにじんできた。それでも下りは早く、

シャジンの花や

ワルナスビの花や実の写真を撮りながら、11時5分、長岳寺に帰った。
この山では貸し切りになることはまずない。下り道では単独行それぞれ二人、二人連れ、6人パーティと都合10人に出会った。珍しいことにすべて男性だった。
山頂でのコーヒータイムの他は休まずに歩き、タイムも標準より早いくらいでいいトレーニングになった。

長岳寺の駐車場は車がほぼ一杯。「山の辺の道」を歩く人の姿も見える。
上ツ道(県道)に出る手前では、季節遅れのヒマワリの花が私たちをにこやかに見送ってくれていた。