<コースタイム>高畑(丸山駐車場)09:17…登山口(紅葉橋)09:50…大文字火床10:17~10:35…高円山(二等三角点432.2m)…高円山(最高所461m)…新池11:45…首切地蔵11:52~11:57…紅葉橋(コーヒータイム)12:35~12:52…春日大社13:20…高畑13:40
素晴らしい秋晴れの朝、駐車場は9時にならないと開かないと思い込んでいつもより家を遅く出た。(実際は公営駐車場は9時だが、民間の丸山駐車場は7時半から開いていた)。まだ、殆ど車の影のない駐車場から、春日大社の南側の車道を東に向かって登っていくと、陽射しを正面から受けてすぐに汗が吹きだしてきた。飛鳥中学校の前から御嶽教を過ぎた辺りで白毫寺に向かい、墓地の横から登るのが普通だが、前回(2008年11月)同様、直進して住宅街を抜ける。
柳生街道滝坂道の入口にあたる紅葉橋のすぐ手前に「巨樹に親しむ会」の立てた「滝坂の森演習林」の立派な標識があり、その横に火床への道を記す道標があった。ここから右の疎林の中に入ると踏み跡が入り乱れて少し分かり難い。前回は右に寄り過ぎて藪漕ぎをする羽目になったので、その時の下りの記憶を頼りに左の踏み跡に入る。涸れた小沢を左に見下ろしながら登るが、今度は少し左に寄り過ぎたらしい。しばらくで、ややしっかりした踏み跡に出たが、急坂の登りが連続して汗びっしょりになる。分岐から12,3分で勾配は緩まり、白毫寺から北寄りに来る道と出会う。更に10分ほど登ると、同じ白毫寺からだが南寄りにきた道に合い、すぐ上に明るい陽射しの草地が見える。
カンカン照りの台地に飛び出すと大文字の火床の最下部で、眼下に大仏殿の屋根や奈良市街、その背後に生駒山や矢田丘陵、左手遠くには台高の山々も見える。影を求めて「大」の字の「ノ」の端っこ、残った薪などを置いてある近くの木陰で腰をおろす。涼しい風が心地よく吹き抜けていく。軽装の人が登ってきて、少し立ち止まって汗を拭ってそのまま登って行った。
10分ほど休んで、大文字焼きの炭が残る火床に沿って草地を登る。展望はさらに広がり、振り返ると右手の若草山が見える。「慰霊奈良大文字送り火由来」碑(写真左下)の横を通る。大文字焼きは明治以来の戦争で犠牲になった方々の鎮魂のため、昭和35年に始まったことが記されている。108個あるという火床の一番上方に腰を下ろしていた先ほどの男性は、近くの人で毎日のようにここまで登ってくるとのこと。挨拶を交わして木陰の道に入る。
林間の急坂となり、しばらく長い石段が続く。三年前にはなかったと思うので、想像だが大文字焼きの薪を運ぶために整備されたのだろうか。登りきると道は右にカーブして山腹を捲いていく。分岐に上の高みにある三角点を示す道標がある。
クモの巣に悩まされながら緩く登ると二等三角点が埋まっていた。元の分岐に帰り、平坦になった道を行くとススキの穂がなびく、じめついた草地に出る。抜けると無舗装の林道になり、しばらく行くとドライブウエイに飛び出した。右手に展望台、その奥に自動販売機がある。向かい側のホテル敷地内の車道は、今日は車止めの鎖もないので始めて上へ登ってみる。
高円山ホテル裏手のこの高台に、地図では高円山最高所(461m)の標点があるはずだが、現在工事中でブルーシートなども見える。辺りを探し回ったが見つからないので、一応この白い土嚢で囲まれた小さな赤い杭ということにしておく。
ドライブウエイは歩行者通行禁止なのだが、前(2002年)にはすぐ横に途切れ途切れながら道が続いていた。今日はそれらしいものが見当たらず、一度踏み跡に入ってみたが途中で行き詰まり、道迷いもバカらしいので引き返して結局は地獄谷石窟仏の分岐まで通らせて貰った。
大きな標識に導かれて左に下ると、新池の畔に出た。昔々、子供と一緒に来て池の土手で弁当を食べた懐かしい思い出がある。
ここからはすぐに首切り地蔵の前にでる。20名ほどの大グループが前の休憩所付近に群がっていた。ちょうど出発する様子だったので、静かになれば昼にしようと、しばらく待ったが一向にその気配がない。新しくなったトイレの前の水道でクモの巣でべとついた顔を洗って、下ることにした。
この柳生街道・滝坂の道は、何度も通った道だが古い石畳の道はいつ来ても風情がある。岩から滴り落ちる水、谷間を流れる水がそこはかとない冷気を運んでくる。 大文字山火床から首切り地蔵までは誰にも会わず、気味悪いくらいだったが、ここは何人か登ってくる人があり挨拶を交わす。
朝日観音。今日は光線の具合が良い。
夕日観音は♀ペンが傍まで行って写真を撮ってきた。
この辺り、ヤマナシの実がたくさん落ちている。寝仏を過ぎると、間もなく紅葉橋に着く。朝の登山口を見送って、舗装路が始まる手前で腰を下ろしてコーヒータイム。後は駐車場まで舗装路を歩くだけ。♀ペンの発案で春日大社にお参りして帰ることにした。