ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

城山(岳山) <9月21日>

2006-09-21 21:59:11 | 山日記
奈良県(福祉部健康安全局健康増進課)選定の「奈良百遊山」という
リストがあります。「○○山」とか「○名山」というものはあまり好き
ではありません。しかし奈良に居を構えて35年、いくつもの奈良の
山を歩いてきましたが、リストを見てまだ名前を聞いたこともなかった
山があることを知り、登ってみることにしました。



城山という名の山は、名阪国道近く(別名・椿尾塁)、大和高原の
馬場、白石、吐山、室生の竜口などにもあります。
いずれも山城が築かれていたことから付いた山名のようですが、今日
登る山は櫻井市と宇陀市榛原区の境にある、長谷寺からは正面に大き
く見える525.5mの山です。
2万5千図には山名も、山頂への登山道も記されていません。
前から気になっていた山ですが、今日は南側の笠間から登りました。

スタート地点にある新陽明門院笠間山陵にお詣りした後、右手の草深い
道を北へ登ります。
ヒノキ、スギの植林の中は薄暗く、湿った急坂の道の至る処に大きな
クモが巣を張っていて、大のクモ嫌いの私にとっては、恐ろしいアプ
ローチでした。15分ほどでしっかりした踏み跡になり、拾った木の枝で
クモの巣を払いながら、さらに20分登ると NHK宇陀中継所のTV塔
のある平坦地に出ました。ヤマホトトギス、ミズヒキ、キンミズヒキなど
の咲く草地で、東西に延びる稜線上のT字路に突き当たった感じです。
ここが宇陀松山の出城のあった場所でしょうか。



ここから左(西)へ100m程は、深いクマザサの中へ踏み跡が延びて
います。



GPSを頼りに笹を漕いでいくと茂みの中に山名板と三角点が
ありました。ピークとは言えない道脇です。

分岐に帰り稜線の道を直進。すぐイノシシのヌタ場にぶつかり、
林の中を捲き、ようやくスギ林の登山道らしくなったと思うと、
また草に覆われた道、ヌタ場の繰り返しです。イノシシの足跡、
掘り返した痕が多く、最初は安田から登ってくる道と出会う
「長者屋敷」跡まで行くつもりでしたが、小さなピークを過ぎた
峠状の十字路で右に下ることにしました。

最初しっかりしていた道は倒木が重なる溝状の廃道になり、植林
帯に逃げたりしているうちに、しっかりした道になってイノシシ
除けのトタン板が並ぶ山間の畑地にでました。下に朝置いた車が
見えやれやれと思うと、スタートからゴールまで腰を下ろすこと
はおろか、水も飲まずに歩き続けていていたことに、やっと気が
付きました。

展望もなく、廃道同然の道がつづくこの山が、なぜ「遊山」なのか
よく分かりません。特にクモ嫌いの私には、とても「健康増進」
とは言えない苦難の1時間半でした。