眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

夕日泥棒

2020-11-30 11:03:00 | 忘れものがかり
寂しいメインストリート
土産物屋は定休日でもないのに
シャッターを下ろしている

降りるものは1人、2人
終電の終わる
23時にシャッターを下ろす

20時は闇に包まれた街
川の流れる音だけがする

街に1つのコンビニ
夜とともに明かりを消す

世代が変わる毎に
街から人がいなくなった
にぎわう声は
田圃の蛙と野鳥たち

会話の消えた18時
鴉がかすれた声で鳴く
四方を囲う山々が
あっさり夕日を持って行く

何もないだけ空気がきれい
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折句の作り方を忘れた君へアメリカン・ベースボール

2020-11-30 04:06:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

エモやんとオジーを聴いたマンションの
1階にあるアメリカの宿

(折句「エオマイア」短歌)


創作は言霊ひとつかっ飛ばす
主審がアウトコールしてなお

(折句「そこかしこ」短歌)


抜き取った狸のあとに浮かぶのは
何もないススキのセレナーデ

(折句「ヌタウナギ」短歌)


我何も正そうとせず思索へと
耽るすべては年齢のせい

(折句「渡し舟」短歌)


クマの説教に秀でたわんちゃんが
かっ飛ばすAメロ・モーニング

(折句「茎わかめ」短歌)


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今夜、詩は降りてこないのか

2020-11-30 03:06:00 | オレソン
479ストリートから外れた
細い通りを歩く

自転車の急襲から逃れ
たどり着いた18時

俺たちの交わす会話
シュガーとミルクのQ&A

お気に入りの隅っこは
今夜も女たちが占めている
終わりのないライフ・トーク
俺の好きな場所は他人も好きだ

いつもの彼女のワンオペ
水音と食器が擦れ合う音を
大音量のジャズが天井から呑み込む

逆さに伏せたポメラの縁から
白いSDカードがのぞいている
コーヒーもすっかり冷めてしまったが
モチーフはまだ燃え始めない
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