本当のゴールはどこかわからない。目的地は小刻みに設定されていた。「おいで」ここまでおいで。曲がり角が旅人を吸い寄せる。もう少し行ってみようか。数時間歩いて体力は限界に近づいていた。疲れに打ち勝つのは強い好奇心だった。歩いているという自覚もなく旅人は歩いた。天から伸びた糸に操られているようでもあった。角まで来ると視界がパッと開けた。似ているような今までとはすべて違うような……。「おいで」ずっと先の見えないところから、また新しいささやきが聞こえる。(未知が好きだった)旅人はまだ歩みを止められない。
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改行が彼方へ送るミステリー
一行先は白鷺の国
(折句「鏡石」短歌)
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