折句ラッシュ・クリスマス

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、縦読み
クジラうえリクエストした水族館マダイが歌うスローバラード、クリスマス

考える人(人間鑑賞)

2021-01-31 10:41:00 | 将棋の時間
 香り高き木目を挟んで男が二人、視線を落として静止している。背筋が傘のように伸びて運命を占うかのようだ。最善を追いながら互いに一手を損して、繊細な詩を結び合わせる内に朝にみた局面に後退していた。午後を大きく回ったというのに、ぶつかり合うものは何一つなかった。

「なるほどこれが人間の見本か」
(だいたいわかった)

 短い鑑賞を終えてカブトムシは窓辺を離れた。もう夏が待ち切れないということらしい。
 一定のリズムを刻むセンスの音に溺れて、猫は記録的な昼寝に入った。臨時の記録係が、補足情報として猫の寝息を棋譜に加えた。一手も進まない。やがて、日は落ちた。封じ手のため名人が立ち上がると猫は寝返りを打った。まだ夢の途中だ。

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【短歌】ノンカテゴリ小説

2021-01-30 10:36:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
しあわせな用心棒がうとうとと
背中を丸め作る架け橋
(折句「小説」短歌)


書かずにはおれぬのでしょう何はなくとも開かれるおはようnote

適切に構築されたシステムがふるいにかけるきみの小説

恋しさを起源に持って小説がぽつり今夜もひとりのために

理屈ではたどれぬ言葉きみだけのカテゴリにない小説を書け

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12小説のリフレイン

2021-01-29 17:37:00 | ナノノベル
「ぱっさぱさするな」
「15グラム」
「ここはプロテインのカテゴリじゃないか」
「強くなりたい人が多いからね」
「違う。僕はもっと色んなところに行きたい」
「だったらおでかけのカテゴリだな」
「そうじゃない。心の旅がしたいんだよ」
「ガジェットじゃないの」
「違う。小説だ!」

「小説? どうせ始まって終わるだけでしょ」
「だから?」
「何になるのかな」
「馬鹿だな。終わるからいいんじゃないか」
「小説ならたくさんあるじゃないか。ほら定番から」
「定番じゃない。今出たとこが見たいんだよ」
「だったら話題の読めば?」
「違う! 新着だ」
「じゃあ間にある奴だ」

「これじゃない。僕はもっと読みたいんだ!」
「押せばいいんだよ。すべて見るだよ」
「もっと見たいんだ!」
「だから押せばいいんだって」

「すべてじゃない。現れるのは12の小説だ」
「えっ?」
「そこが0地点だ」
「12あればとりあえずいいでしょ」
「僕はもっと読みたいんだ!」
「だったらもっと見るを押せばいい」
「そうだ。僕はもっと見るを押した。押して押して押してようやく1つの小説を見つけるんだ。それが小説1だ。どんなものか開いてみなければわからない。ようやくここまで来た」
「よかったじゃない」

「でも思ったような小説とは少し違った。僕はもっと読みたいと思う。そのためには1つ前のページに戻って、もっと見るを押さなければ。僕は小説1を選んだところに戻って、もっと見るを押したいと思う。だけど僕が戻ったのは(戻されたのは)戻りたい場所じゃない」
「どこだったの?」
「0地点だった」
「戻りすぎたんだ」

「12の小説が見えている。だから1つ前の場所に戻れたように錯覚する。だけど、実際に戻ったのは最初の場所。0地点だ」
「まあよくあることだけどね」
「そうだ。そのおかげで足が遠ざかった場所がいくつもある」
「不満なんだ」
「1歩進んで2歩下がることがどれほど辛いか」
「それほどかね」
「一度ならいいがね。僕はもっともっと見たいんだから。そのために何度下がればいいと思う?」
「君のもっと数によるだろうね」
「そうだ。僕はもっと読みたい! 僕は僕が読みたい小説を読みたいんだ!」
「もっと見るを押すしかない」

「もっと見るを押す。すると12の小説が現れる。もっと見るを押すとまた12の小説が現れる。僕はある段階で12小説の中から1つの小説をみつける。小説1、小説2、小説3。だけど簡単にみつけ続けることはできないんだ。次の小説をみつけるためにはもっと見るを押すのだけど、なぜかその場所はいつも0地点から始めなくちゃならない。ふりだしに戻る感じだよ。また最初から。そう簡単じゃないぞ。自分の欲しいものをみつけることは、そんなに簡単じゃないんだぞ。もっとの前には厳しい教えが待っている」
「それは大変だね」

「大変? 本当にそうか。ただ押すだけのことだ。もっと見たければ、もっと見るを押せばいいんだ。前も通った道だけど、もっと行ってみるか。もっと頑張ってみるか。君の小説をみつけるまで。もっともっともっともっともっともっと……」
「大丈夫?」
「もう戻りたくない。(みつけたくない)もういいや。もう同じ場所に戻されるのはうんざりだ。小説9から戻る頃にはもうおかしくなっていた。0地点は見違えるような場所だった。コラム、サッカー、ガジェット、日記、詩歌、創作、アート……。そこはもう小説だけの場所ではなくなっていた」
「どこだったの?」
「カテゴリの迷宮だよ」

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未来キャッチャー

2021-01-29 03:51:00 | ナノノベル
 気の抜けたサイダーを捨てた。(捨てようとした)けれども、突然現れたグラスがすべてを受け止めていた。呑み込めぬ現実が、澄んだままこちらを見ている。
 くすぶった煙草を投げ捨てた。(捨てようとした)けれども、突然見知らぬ者の唇が現れて、煙と誘惑のすべてを引き継いで行った。

「もういらない」
 黒い歴史を破り捨てた。
 次の瞬間、どこからともなく和パスタが現れて闇を受け止めた。それはきざみのりとなって再生されている。湯気を昇らせパスタはおもてなしの渦を巻いている。いったいそれは何の優しさなのだろう。
「何も捨てられない」
 誰かが先回りして保険をかけているようだ。
(私の心は頭から決まっているのか……)

 めまいを覚えて橋の上から落ちた。
 水面が揺れる。
 揺れながら分解されて土に変わる。
 綿毛のように体が軽くなる。
 生暖かい風の抵抗。
 結論の遅延。
 システムの再構築。
 ズーム。
 馬の背中が私の身体を受け止める。

(私もやっぱり捨てられない)

 景色が変わり始める。
 新しい土地で生き直すのだ。

「私は馬に乗れるんだな」



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【短歌】恋するガジェット(Pomeraソング)

2021-01-28 22:47:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
カテゴリを待ちわびている1時間
旅のポメラとチープ・スリープ
(折句「かまいたち」短歌)


感情の赴くままにタッチしたポメラは老いを知らぬガジェット

手を置いて休んでもいい息を止め眠るポメラのやさしい背中

ゴールなきタイプを受けてカテゴリに詩歌を探すポメラの瞳

リズムよく凹んで食べる文字群を小説化して微笑むポメラ

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名古屋

2021-01-28 01:52:00 | 【創作note】
短いお話を書くのにも
それなりに苦労する

もっと書きたいこともあった
書かずにおいたこともある

最後の一行を書いて
我に返ると取り残されている

失ったものが随分とある

今、名古屋くらいまで
行けた気がする
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ウォーズのリズム~お前が先手だ

2021-01-27 21:24:00 | 将棋の時間
 始まる感じがわくわくする。始まったらものすごいスピードで終わりに向かって行く。相手が20秒かたまっている。何かとてつもないことを企んでいるのだ。「叩きの歩!」ウォーズが手筋を叫んでいる。盤面が光る。もう時間がない。終わりに向かって行く感じがドキドキする。「くやしいじゃろう」負けても戦いを続けることができる。「お前が先手だ!」始まる感じがわくわくする。始まったらものすごいスピードで終わりに向かって行く。始まりと終わりの予感に挟まれて、気がつくと何時間も抜け出せなくなっている。「桂頭の銀!」どんどんどんどん♪
 私たちはウォーズのリズムに乗せられているのか!

「叩きの歩!」
 痛い! 腰が痛い!

 もうすぐ仕事がなくなってしまうかもしれない。
(いつかはそうなると決まっているのだ)
 なくなったらなくなったで覚悟を決めるしかない。気持ちを切り替えるしかない。なくなってしまいそうだから、もやもやとしてしまう。

 なくならない仕事なんて、この世にあるのだろうか。
 世の中は変わって行く。働き方だって変わって行く。
 そして、すべては終わりへと向かって行くのだ。

「お前が先手だ!」

 終わりへと向かう、終わりなき戦い。
 これは夢なのだろうか……。
 振り飛車は迎え撃たれる。
 だけど、今度はごきげん中飛車で行ってみるか。

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レイト・カフェ

2021-01-27 09:49:00 | 短い話、短い歌
ぬくぬくと食べたいものは美味いもの
何せわたくし議員ですもの
(折句「ヌタウナギ」短歌)


 チャンスの芽が出かけた頃に私は店を追われた。これからという時に無念だ。バッジがあれば話は違った。じゃんじゃんばらばら、人生の花が夜いっぱいに咲いたことだろう。気がついた時には、私はコーヒーカップに口をつけていた。

「あんたパチンコ勝ったんか」
 少し遅れてあきさんがやってきた。少し声がしゃがれている。
「勝ちかけたところで追い出されたわ」
「そうなの」
「議員バッジあったらまだいけたんやけどな」
「えー、ほんまかいな」
「いや知らんけど」
 近頃はルールがよく変わる。何が本当か自信が持てない。昨日は問題なしとされたことが、今日には大問題になっていたりする。

「私も調子が上がってきたところで追い出されたわ」
「またカラオケか。議員バッジあったらずっと歌えたのに」
「ほんまかいな」
「知らんけど」
 一律に決まっているルールではない。私たちは知った気になって、いつも誤解してしまうところがあるらしいのだ。

「最近どうなの?」
「そうやな。鍋も飽きたし天ぷらかな」
「天ぷらもええねえ。どんなん?」
「おくらとか、ししとうとか、ピーマンも美味しいわ」
「ゆりねも美味しいよね」
「そう。やっぱり揚げたてが何でも美味しいわ」
 結論はシンプルなところに行き着く。外が駄目ならおうちで美味しさを追求していくまでだ。

「そりゃそうやわ」
「鱈も美味しかったわ」
「ええね。鱧もええよ」
「南瓜もええよね」
「ええね。大葉もええで」
「あー。あっさりしてて美味しいわ」

「揚げたらパリッとなるわ」
「音がまたええのよね」
「勿論よ」
 美味しいものの話をしていると時間の感覚がおかしくなる。色んな具材を口にしたが、ここでは私たちはコーヒーしか飲んでいないのだ。

「食感も大事よね」
「大事大事。みんな大事よ」
「ここ何時までやった?」
「22時ちゃうかな。酒置いてないからええのよ」
「そうなんや」
「いや知らんけど」
「知らんこと多いな。こんなしゃべってて大丈夫かな」

「私たちは大丈夫よ」
「そうやね。私たちは大丈夫よね」
「コーヒー飲んでたら平気よ」
「それほんまなの?」
「勿論よ。もう1杯いただこうかな」
「バッジなかったら追い出されるんちゃう」
「その時はその時よ」
「じゃあ私ももう1杯」

「ここは落ち着くやろ」
「ほんまや。よう流行ってるわ」

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ウォーズの共演者

2021-01-26 10:23:00 | 将棋の時間
「真夜中の対戦者たち」

将棋ウォーズにログインすると
驚くほどのスピードで手合いがつく
相手が人間だと感じれば
どうしてこんなに楽しいのだろう


「倒してみせる/いい将棋をつくる」

3分切れ負けルールで、将棋になるためには
互いの協力が必要だ
戦う意思、つくる意識がなければ
まともな将棋にならないだろう
詰み/終盤までたどり着けることが
まずは大事じゃないだろうか


「6分で終わるドラマ」

寄せ切れるかどうか
ギリギリの勝負
時には作ったような結末になったり
最後の1秒にドラマがある


「攻撃の孤独」

仕掛けなければ仕掛けられる
仕掛けなければ備えられる
仕掛けたところで二の矢がない
孤独と隣り合わせの攻撃


「逞しくなりたい」

よく逆転負けをする
寄るはずのない玉を寄せられたりする
穴熊もいいけれど
受けも強くなりたいなら
色々試してみるのも手


「困ると時間も使うもの」

寄せ切ることは大変だから
時間でも競っていることは大事
時間で勝とうとするのではなく
上達を目指すなら指し手を追究すること


「ミスはつきもの」

ミスをした時に
リカバリーする力をつけたい
出だしを間違えているのに
ちゃんと正しい文字にしてしまう
そんな人がいた
辻褄を合わせられる人になりたい


「AIが解放した序盤」

色々やってくる人
無茶苦茶にやってくる人
ああ 好きにやっていていいな
(自分もそうありたいと思う)
探究している感じがする

考えずに生きることもできる
勝つことだけを考えると
あまり「冒険」はできなくなる
一局の中で指せる手は決まっている
(本当に自分の選べるのは何手だろう)
なぞるのと自分で考えるのとでは
「充実感」が違うのだ
それは疲労の度合いでもわかる

自分が何をテーマにしているか
それによって選ぶ手は決まってくる


「未知の局面で悩みたい」

本気で考えたい時には
少し長い10分切れ負けルールを選びたい
切迫していく時間の中で
どう指していいかわからない
局面を乗り越えようともがくことは
将棋の面白さの1つではないだろうか


「ファッション」

(やたらと右四間飛車ばかりとか)
流行り廃りだけではなく
自分のスタイルを持っている
人は「ハート」が強い
好きなことは繰り返せる
(だから強いのだ)
食べること、眠ること、生きること
好きでないとやってられない


「序盤が実は難しい」

終盤は難解だが
上手い人のをみたり、実戦を積んだり
詰将棋を解いたりすることで上達する
序盤はあまりにも手が広すぎる
定跡は参考になるが
うろ覚えで指して失敗することも多い
(失敗を恐れずいこう)


「なるほどは上達の秘密」

現代では難しい定跡書に頼らずとも
YouTubeで学ぶこともできる
四間飛車で棒銀を迎えるとしたら
山口さんの講座などは
とても参考になるはずだ
隅々まで理解することは難しくても
部分部分で
「なるほど」と思える瞬間があれば
それは定跡の急所を理解した証だ
無理に覚え込もうとするよりも
「なるほど」を獲得していく方が
よほど応用が利くのではないか

AIソフトを活用する
という手もあるだろうし
いずれにせよ
教わったことをただ「受け取る」のではなく
自分なりに吸収していく姿勢が大事だ



※『将棋ウォーズ』……ネット対戦アプリ

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世界観レンタル(想像落語)

2021-01-25 11:47:00 | 無茶苦茶らくご
 昔はよく本やCDの貸し借りをしたもんでござんす。
「へー、こんな本があるんすかい」
 持ち主と本の間にギャップを感じたりして何かと面白いもんでござんす。借りたものがその人と結びついて、好きな世界が広がっていくのは、何とも風流じゃあござんせんかい。貸し借り自体が、1つの物語であったんですなあ。ところで、あっしの貸した『オシムの言葉』は読んでもらいましたかい? って、んなことはどうでもいいんだい。まあ、どんな形であれ貸したもんは返すってのが人の道理ってもんでござんす。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪

「まあまあだったなあ」
 むらさんがCDを返しながらそう、言ったんですな。
 むらさんというのは、チャーハンを作るのが上手な男で、客から注文がある度に華麗な鍋さばきでチャーハンをお作りになる。
「できたでー」
 そうしてできたチャーハンをあっしは何度も客の元へ届けたもんでござんす。時々、残ったチャーハンや唐揚げなんかをくれたりしたもんだから、あっしも多少の義理を感じておりまして。

チャカチャンチャンチャン♪

 むらさんという男は大変働き者で、一度にたくさんの注文が通った時でも、額に汗をかきながら鍋を振ってチャーハンを作ったもんよ。しかし客足が途絶えた時なんかは、一転して爆睡する。働き者なのは昼も夜も同じで、寝る暇といったら、ほんの少しの合間くらいってなもんだい。

チャカチャンチャンチャン♪

「貸しましょうか」
 お疲れの人には音楽が必要だって、あっしがCDを貸してあげたんでござんす。まあ、音楽ってのはいつでも聴ける。なんなら寝ながらでも聴けるってもんだい。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪

「まあまあだったなあ」
 貸し借りのいいとこは、面と向かって感想が聞けるとこでござんす。その言葉によって、相手のことがより深くわかるんでござんす。
「これというのがなかった」
 むらさんというのは不器用な男でござんす。しかし、あっしにとっては無難なうそよりも正直な感想の方が100倍もよーござんす。
 むらさんは「これ」がなかったと言いながら笑ってやがる。

チャカチャンチャンチャン♪

「これ」はいかに

チャカチャンチャンチャン♪

 そんなにメリハリのある音楽じゃあござんせん。
 しかし、あれだい。
 どこを聴いてもいいんだい、揺れんだい、沁みんだい。
「それ」が好きっちゅうもんじゃございませんかい。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪

 ドラマなんかを見ておりますと恋人を家につれてきたはいいが、どうも親父のお気に召さねえってな場面がよく出てまいりまして。
「お前こんな男のどこに惚れたんだい」
 それが好きっちゅうもんじゃございませんかい。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪

 あえて言うなら世界観とでも言うんでござんしょうか。好きだの感情だのというものは、とかくとらえにくいものでございます。

チャカチャンチャンチャン♪

 あっしはこれでわかったんでござんす。
 むらさんという男はどうもいけすかねえ野郎だい。
 感覚が合わねえ。全く噛み合わねえったらありゃしねえ。

 む、むらさん……。
 驚いたねえ。むらさんじゃあござんせんか。
 らくごなんぞを嗜まれるんで?
 やっぱり見る目があるねー。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪
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【新小説指導】エイリアンも人

2021-01-25 02:42:00 | 新・小説指導
あんたこの前の小説な
なんや突然化け物出てきたな
エイリアンか
どこにおったの? 

どこからともなく出てきた?
まあそりゃええことにしようか
けど
テーマが食われてもうたね

空腹を待たせてご飯を炊くか
パスタを早ゆでするか
そういうナイーブなところを
ゆっくり進みはるんかと思ったら

エイリアン出てきて
食われてもうたな
えっ
あえて食わせたの?
ええように言いますな

化け物ばっかり頼ったらあかんねん
誰が読むの?
エイリアン読者か

「読むのは人間ですよ!」

エイリアン集めるのはよろしい
10月の終わりみたいに集めたらよろしい
ですが

「読むのはあくまで人間やで!」

そこを忘れたらおかしな話になってくるよ
異世界行くのはええことや
小説いうのは異世界行くに決まっとんねん

「小説は心の旅です」

異世界行ったら奇妙なもんばっかりや
鬼もおれば魔女や河童や吸血鬼
みんなエイリアンみたいなもんや
けど
ばっかりなったらあかんよ

どっかに人間を残しとかなあかんねん
読者のことを考えてあげな
読者はどっから来ますか?
どこからともなく?
ちゃいますねえ

「読者は怖いとこから逃げてくる」

鬼や悪魔や化け物ばかり
そんなとこから必死で逃げてくるんや!
みんなどこかで人恋しいんや
人間らしい人間を探してんねんな

「ほんまの人がおるのはお話の中やわ」

思わへん?
まあそりゃあ人によりますけども

お化けが驚かすのは誰ですか?
でしょ
結局人やねん
お化けを見るのも
楽しむのも怖がるのも人やねん

「小説はお化け屋敷と同じです」

最後は人なんやわ

エイリアンも人なんやわ

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【短歌】生まれつつあるカテゴリ

2021-01-25 02:14:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
カテゴリーガイダンスには見つからぬ
インドアと博士のひまつぶし
(折句「鏡石」短歌)


勝ち残るものは雁木か振り飛車か波瀾万丈(将棋)カテゴリ

手短にまとめてあげたコミカルをクローズアップ(日記)カテゴリ

強引に見つけ出された真実を私に添えて(エッセイ)カテゴリ

流星が願いを聞いて飛び込んだ note に光る(詩歌)カテゴリ

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【短歌】いつかロイヤルホスト

2021-01-24 10:42:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
朗読のあなたが消えて現れる物語こそ僕の御守り

刺青の男にみせる難色が硝子に映りカルチャーショック

宿のない真冬を歩く暗がりに零れて溶けるシャンパンの泡

ルックアットミー切れたあの子は一瞬も母のよそ見を看過できない

ほくそ笑む奴らの乗った高級車なんてもったいない乗り物だ

雀の涙で急場を凌いでも誰も約束くれない明日

常しえに届かぬ君を圏外に追い出し歩くこの街がすき

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【短歌】小説ごっこ

2021-01-23 10:43:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
カテゴリのガイダンスにはみつからぬ
一行からの詩歌クラスタ
(折句「鏡石」短歌)


加湿器の噴き出す白と競るように生まれつつある小説ボディ

手持ち無沙汰にさよならをしてはねるポメラの上の小説ドール

強情な台詞を並べ暗黒の時間を消した小説ごっこ

リア充が王者のネットサービスにいらない僕の小説なんて

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フード・ライター

2021-01-22 15:01:00 | ナノノベル
 おばあさんは星のない名店をいくつも知っていた。外観はお世辞にも綺麗とは言えない。暖簾は黒ずんでいて店の名前も半分消えている。扉を開けて中に入れば、どこか別世界に足を踏み入れたような気がする。そんな店によく連れて行ってもらった。
 腐りかけた壁にメニューとは違う絵を見つけた。

「あの抽象画は?」
「あれはね、サインと言って人の名前よ」
「サイン? キャッチャーが出す奴?」
「手書きと言ってね、マジックを持ち自分の名前を書くのね」
 おばあさんは昔のことを何でも教えてくれる。

「手で持つの? 花火を持つみたいに?」
「箸を持つみたいによ」
「どうやって書くの?」
「書き順に沿ってはじめから」
「打順みたいなもの?」
「そうね。1から2番目3番目と続いていくわ」

「順番を破ったらどうなるの?」
「特にどうもならないわ」
「じゃあ何のためのものなの?」
「順に沿うと美しくなるの。忘れにくくもなるわね」
「そうなんだ。いちいち手を動かして書くの?」
「そうよ。それが手書きというものよ」
 昔の人は色々と苦労が多かったみたい。

「あれは誰?」
「イチローね」
 イチローは時を刻んだ偉人だ。

「カレーライス、お待たせしました」
 ここの名物はカレーライスだ。
「わー、すごい色!」
「ずっと煮込んでいるとこうなるのよ」
 食べ始めるとスプーンが止まらない。
 水も飲まずに一気に食べてしまった。

「ごちそうさま!」
「うちのカレーより美味しいでしょ」
 (勿論)と出かけた言葉を引っ込めた。
 皿を横にずらしワープロを開くと、おばあさんはカチカチと食レポを打ち込み始める。
 おばあさんの仕事は、フード・ライターだった。

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