眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

鏡石

2014-05-30 10:18:01 | 短歌/折句/あいうえお作文
駆け巡る
回覧板は
ミステリー
Yes Please !
詩を書きたまえ

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おもてなし

2014-05-27 17:39:37 | 短歌/折句/あいうえお作文
おかちゃんは
もんじゃ走りの
点取り屋
なんてんとんだ
信じられない

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磯辺揚げ

2014-05-27 17:20:45 | 短歌/折句/あいうえお作文
いにしえの
ソラシドたちは
ベルマーク
集めて時の
元帥となる

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ラスト・バニラ

2014-05-23 15:09:13 | 夢追い
 講堂でフィルムを見ていると半裸のおばあさんがやってきて、シャワーの使い方を訊ねた。自分で行くのも何だしと姉にお願いした。嫌な顔1つ見せずに、姉はおばあさんをつれて講堂を出て行った。続きは僕に任せろ。ちゃんと勉強しておくからね。
「エスカレーターは歩くくせに、普通電車に乗って帰る。それが人間というものです」
 合わないと言うと合わせようとしてしまう。欠点を指摘すると直そうとしてしまう。だから、本当に相手のことを思わないなら、問題は自分にあると言うことがよいでしょう。自分のことは自分のこと、もはやそうなると相手には手出しのできない問題となりましょう。あるいは、特定の個人を傷つけないためにも、人間そのものを嫌悪してみるのもよいでしょう。人類という存在そのものが、愛を向ける対象にはなり得ない。そこにはもう、個人の入り込む隙間などないのです。これほど強固な防御は他に考えられますか……。

 昼寝を終えるとマフィアは布団を畳んだ。
「そうだ。こいつにしるしをつけておこう!」
 荒々しく腕を取って、僕の袖を捲り上げる。焼き付く筆で、二の腕に16:30としるされた。僕が彼らの手によって抹消される時間だ。僅かな時間を残して暴力集団は去って行った。ご飯を食べるくらいの時間はある。みんながそれぞれの仕事であたふたとする間に、親戚の人たちがやってきた。
「これはね、まだ途中の段階なのよ」
 恐怖で立ち上がった僕の髪型を見て、姉が苦しい説明をするが、親戚の人たちがそれほど僕の一部分に注目しているとも思えなかった。すっかりお腹が空いているだろうし、お土産の話もしなければならないだろうし、部屋が暑いだろうし、まだまだ関心を向ける対象はいくらでもあるのだから。
「電気の位置関係が変わりましたね」
 親戚のお兄さんが、部屋のパーツの位置関係について指摘した。そんなこと、住んでいる家族でさえ気づかないことだ。そうではなく、逆に住んでいるからこそ気がつかないことなのかもしれない。だからといって、それがたいした問題ではないということには、少しも変わりがない。
「ああ、そうだったかね?」
 母が曖昧な相槌を打つ。ああ、呑気な人たちだな。呑気でいいな。
 お茶の1つも当分入りそうになく、ソファーとソファーの間に挟まって一休みした。眠る余裕なんてあるはずもなかったが、そうしてひと時身を隠すことで、将来の不安もひと時の間、消えてなくなるような気がしたのだった。うそだったらいいな。もう1度、うそだったことにならないかな。撫でれば消えて、なくなっていないかな。
「失礼します」
 家族でも親戚の人でもない声がして、はっと目が開いた。スーツを着たおじいさん。どこかで見覚えのある顔。いい湯でしたと頭を下げて帰っていく。前におばあさんだと思っていたのは、誤りだったと気づく。そうだ。僕もここで、こうしている場合だろうか。手をこまねいていても、未来が開けるだろうか。たった1人でも、このおじいさんのように、颯爽と去って行くことはできるのだ。このささやかな出会いこそが、自分自身を救い出せるたった1つの道筋であるのかもしれない。お守りを持って、僕も行こう。


「逃げたって殺されるよ!」
 見たことのない厳しい目をして、姉は忠告した。腕の刻印は、おびき出すための罠かもしれない。ここにいた方が安全じゃないのと姉は言った。そうかもしれないと僕も思った。仮にそうではないとしても、ここで殺されることになったとしても、最期はここで迎えた方がいいかもしれない、とも考えた。けれども、死のイメージが強く湧き出てくるに従って、違う、違う、最期がどうだって、そんなことは本当はどうだってよくて、自身の考えに従って最期までベストを尽くしたいだけなんだ、ということがわかってきたのだ。選べる間に、僕は選ばなければならない。

「でも僕は生きたいんだ!」

 誰もいない山奥に向かう途中で、水筒や長袖の服を忘れたことに気がついてしまった。生きるか死ぬかという時なのに、どうしてもう少し頭を働かせることができないのか。今更、取りに戻ることなんてできない。それこそ、敵の待ち受けるところであるかもしれない。けれども、用意が手薄では、長期戦になった時に耐え抜くことができない。僕は進路を変更した。徐々に人の気配が戻ってくる。信号を渡る度に街の喧騒は増していき、ついに人ごみであふれる繁華街まで足を進めた。ここは果たして、家よりも安全な場所なのだろうか。馬鹿。馬鹿な自分……。最も深く身を隠していなければならない時に、僕はどこにいるのだろう。
 数台の黒い車が、音もなくやってきて、僕の周りを緩やかに包み込んだ。

16:30

 僕はバニラが食べたくなって、コンビニエンスストアの中に駆け込んだ。

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エゴマ豚

2014-05-23 03:58:11 | 短歌/折句/あいうえお作文
MCに
ゴルゴをおいた
まどろみの
ふかわが夢を
食べる合間に

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夜間飛行

2014-05-22 08:56:08 | 夢追い
 始発から終電までのすべてに乗り遅れてしまった。もう長い間、遅れ続けているのでそこから一歩も前に進むことができないでいる。明日こそはと思った時には、感想文を書いて自分の悪かったところあと一歩だったところなどを、言葉にして反省もした。
今日はいつもよりも家を早く出すぎたために、余裕を持ちすぎ、そこから広がった遊び心が本来の目的に勝ったために乗り遅れてしまいました。今日はあと少しのところで乗れそうなところまでいったけれど、それに満足して一旦引き返してしまったため、結局乗れずに1日が終わってしまいました。今日はやっぱり駄目だと最初から低姿勢で臨んでみたところ、駅に近づくこともできませんでした。

 毎日のように通い詰めた駅までの道は、もうすっり頭の中に入っていて、それは駅に近づくほどより鮮明なものだった。目的地に近づくほど、選べる道が狭まっていくから。すぐ家の前を通っても決して吼えない犬がいて、今日もやっぱり、犬は吼えない。終電の時間になっても、いつも明かりのついている家の前を通ると、今日に限って明かりが、ついていない。今日はもう眠ってしまったのかな。不思議に思って足を止めた瞬間、ぱっと明かりかついて、扉が開いて、誰かが物凄い勢いで飛び出してきた。僕は怖くなって走り出した。走っている途中で完全に頭の中に入っているはずの道が、頭の中から消えてしまった。急に道が変わってしまったに違いなかった。迷いながら、夜を走る姿は怪しすぎると思って、僕は飛行体勢に入った。夜ならば、その方が人目につかない。オフィス街や工場が密集している場所は、夜になると明かりも疎らだった。
 ゆっくり飛んでいると何やら下の方で音がする。風になびく旗と、ヘルメット。夜でも働いている人はいるのだった。少し姿勢が変わったのと気が緩んでいたせいで、片方の靴を落としてしまった。靴は、作業現場の中に吸い込まれていく。何かの証拠と何かの疑いの種になるのは嫌だったので、自分も降下して拾いに行くことにした。少し離れた場所に下りて、それからゆっくりと歩いて近づいていった。思った以上に作業員は近くにいた。暗いとはいえ十分に視界に入っていたが、何も言わない。無事に拾って、歩き出す。その時、突然男は口を開いた。
「しかし君は誰だね?」
 いやー、ちょっと忘れ物で、とごまかしながら僕はどんどん歩いた。するとヘルメットを被った男も早足で後を追うように近づいてくる。
「まさか、今町で評判の家出中の子供じゃないだろうな!」
 声が大きくなってくるのが恐ろしくて、僕は飛び上がった。間違っても、作業員の手が届かないように、あるいはどんな種類の道具を使っても決して捕まることがないように、高く、高く。高く飛ぼうとするのに、恐怖が、見えない翼を重くした。突き刺すようなライトが、すぐ下の方から伸びてくる。けれども、光で体までも捕らえることはできない。恐怖で引きつった口元を照らしてみせるくらいのことだ。ゆっくりと、悪意なのか好奇心なのかわからない、その光がすっかり届かなくなるくらい遠くまで、飛んだ。

(生き延びるんだ)

 できたてのビルの壁に頬ずりして、安全を喜んだ。ビルとビルの狭い間に身を挟んで一休みした。ビルの天辺に顎を乗せて、目を閉じた。この世にこれほど安全な場所はないのだと思った。けれども、もしもこのまま本当に眠ってしまったら、そして本当に落ちてしまったら。ほんの僅かな気の緩みから生じた結果だとは誰にも理解できず、朝になり昼になり、僕はただ悲劇的な出来事の結末としてだけ扱われてしまうのだ。問題は、加速の仕方だ。あの時、呼び止められて慌てふためいたのは、最初の加速に問題があったからだ。

 それからの毎日は、感想文を書く以外に、加速の改善に取り組んだ。見つけたのは、「飛ぶ」の中に「走る」を取り入れることだった。大地を離れた瞬間から「もう走ることには意味がない」と決め付けていたことが、大きな誤りであることがわかった。大地を蹴って飛翔したところからまだ数歩の間は駆け出すことは可能で、風を蹴り出す過程においてより高い加速を実現することが可能だった。その技術を習得すると、飛行そのものがより安定したものへと変わっていった。町は、もう手の平の中にあるようにさえ、思え始めた。


「ただいま!」
 家に帰ると休む間もなく出かける準備をした。
「行ってきまーす!」
 軽装のまま、窓の外へと飛び出すのは、自分の飛行力を姉にアピールしてみせるためだった。
 あっという間に、神社に上がる。手を伸ばして寿司をつまもうとするとそれは知らない人の引き出しで、「いけない!」と思い手を引いた。
 夜も深まる中、集まった観光客が、偽の郷土料理を食べさせられている。レトルトのシチューじゃないか、かわいそうにな……。
 哀れな観光客を尻目に、僕はおみくじ売り場へと歩き始めた。

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世界観ミスした

2014-05-09 00:58:23 | 夜のフットサル
 せっかく素晴らしいパスをもらっても世界観が大きすぎたり、世界観ミスをしたりして、シュートまで持ち込めなかったり、相手にボールを奪われてしまったりとなかなかうまく運びませんでした。亀から兎に変身する動きと世界観をテーマにして参加していたのに、その世界観が安定しないのでは話になりません。

「世界観しっかり!」

 そういう声が飛んできても当然のことで、フットサルの狭いコートの中では、何より世界観が大事なのです。それは代表監督も仰っていた通りで、相手がわーっと足元を狙ってきた時に、最初の世界観で相手を上手くかわしたり、先に進んだりすることが出来るのです。
 自陣でパスを受ける時、相手が前にわーっと来るのが見えたので、これは世界観を使ってかわせると思い左足世界観を用いて相手を抜きに行ったのですが、相手はくるりと反転し、気がつくと体を入れられボールを失ってしまいました。この失敗は、こちらの動きを読まれていたためか、世界観の後の加速が足りなかったかのどちらかであると思いました。しかし、あと少しのところでかわせる可能性もあったような気がして、このチャレンジは続けていくべきだと確信しました。チャレンジしての失敗は重要な教材にもなるのですから。周りの人を見ているとみんな世界観がしっかりしているし、多彩な世界観技術を持っていました。
 テーマを持ってコサルの人々を見てみると自分との差がはっきりとわかるのでした。

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クリスマスクルー

2014-05-02 20:38:06 | クリスマスの折句
 捨てたはずの過去を誰かに見透かされているような気がして怖くなった私は、少し小さな旅をして見知らぬ駅で降りると聞いたことのない名前のファーストフード店の中に逃げ込みました。店内はお昼時でもないのにいっぱいで、治安の悪い宇宙酒場のようにごった返していました。注文カウンターは横に広々と伸びて幾人ものスタッフが大きな声で手を伸ばしながら、客を誘っているのが見えました。その手は、皆宇宙人のように長く、少々の栗や柿ならば道具を使わず素手で掴み取ることができるように見えました。

「こちらへどうぞ!」
「いいえ。こちらへどうぞ!」
「こちらにもどうぞ!」
「いえいえ。こちらへこそどうぞ!」
「ようこそ。こちらへどうぞ!」
「いいえ。こちらにもどうぞ!」
 こちらと思えば、こちら、またこちらかと思えば、こちら、という風に、あちらこちらから手が伸びる様は、この店の特色なのか、非常に活気にあふれ、まるでゾンビ酒場のように魅惑的に思えました。
「こちらへどうぞ!」
「いえいえ。こちらにもどうぞ!」
 私は白く伸びた指先に導かれて、カウンターの前に立っていました。
「秋の青空バーガーはいかがでしょうか?」

 空は、もう捨てたのに……。

「お客様へのおすすめになっております」
「いいえ。それは昔の話です」
「ご一緒に翼のポテトはいかがでしょうか?」
 空は、もう捨てたのだ……。
「あなたにお似合いの……」

 1階には空席がなく、私は24番の番号札を持ったまま半乾きのセメントの上を恐る恐る歩いて、2階お化け座敷に上がりました。
 私以外はみんなお化けで、お化けたちはそれぞれにバーガーを頬張ったり、ストローをくわえたりしながら、夏の催しについて会談をしているのでした。
 ここでは私は見えない存在かもしれないと思いながら、私はただ彼らの話を聞いていました。
「化けられるのは今の内だよ」
 突然、お化けの1人が私の方を向いて言いました。私は驚いて何も言い返せませんでした。
「いつになったら話が煮詰まるのですか!」
 風格のあるお化けが言いました。けれども、お化け共のアイデアは出尽くすどころか、ますます斬新なますます人間離れした、あたかも未知の惑星、未知の種を探すように果てしなく広がって行くようでした。声が声に被さり、被さった声にまた別の声が噛み付いて賑やかなことこの上ないのでした。
 ようやくセメント臭を漂わせながら店の人が上がってきて、私の番号を探し当てました。
「お待たせいたしました。秋の青空バーガーと翼のポテトでございます」
 身に覚えのない注文を、男は大きな声で読み上げました。
「違う! 私はもう足を洗ったんだ!」
 その瞬間、固まった沈黙と共に一斉にお化けたちが私の方を振り返りました。
 テイクアウトすればよかった……。静寂の中に生まれた後悔の中から、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。

靴付けた
領土はほんの
数分間
まるでドライブ
スルーのように

 クリスマスになってしまうよとお化けの1人が言いました。

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