折句ラッシュ・クリスマス

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、縦読み
クジラうえリクエストした水族館マダイが歌うスローバラード、クリスマス

私たちの台本

2019-11-30 13:12:00 | フェイク・コラム
「昨日はじめて宇宙人を見てね」
「へー」?
「よさげだったよ」?
「……」
「……」

その先があるのかと思いきや、
どうやら何もないようだ。
あなたはそれきり黙り込んでしまった。
私は相槌を間違えたようにも思う。

私たちはそれぞれに見えない台本を持ち合っている。
共通の台本を持てば、次がどちらの番かは互いにわかる。
それによって会話は円滑に進んでいく。
けれども、台本を読み誤れば台詞に穴が空く。
次の台詞が行方不明になり会話が終わってしまう。

「へー」そこが問題だ。
返しの達人は相手の警戒を解いて台本を膨らませる。
「へー」には少し情熱と真心が足りなかった。
言葉を引き出す力が不足していた。

あなたは宇宙人を見たとしか言わなかった。
本当はもっと言いたいことがあったのでは……。

「えーっ!」
まずは驚きをもっと示すべきだった。
そしてあなたの身を案じるべきだった。

あなたは既にあなたではなくなっているかもしれない。
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足止め

2019-11-29 21:20:00 | 【創作note】
お腹が空いて倒れそうな時
お腹が痛い時
頭が痛い時
頭が冴えずぼーっとする時
眠くてたまらない時
暑くて体が怠い時
寒くて体が震える時
ネガティブなものが満ちている時
雑念が多くてスイッチが入らない時
割り当てられた仕事がある時

諸々の事情があって
そういう時には詩の一つも
#note の一つも書くことができない

散歩道を奪われた犬みたいに
心が曇ってしまうが
挫けるでない

その時は雨が降っているのだ
雨でゲームが中断しているのだ

再開の時は必ずやってくる
それまでベンチで休んでおけ
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風邪の中の詩

2019-11-28 20:46:00 | 【創作note】
医者からは止められているけど
pomeraは布団の中に潜り込んできた

(いいことがあればわるいこともある)

だから病んでいる時にはよい詩が書ける

いつもとは少し違う
熱っぽい詩が
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自分に甘く

2019-11-27 20:13:00 | 【創作note】
結ぶこともできず
誰にも見せることなく
置き去りにされたいくつもの散文が
長い眠りから醒めたように
自分の前に現れる

「駄文の集合」
と一言で見捨てるような
ことはできないし

随分時間を無駄にしたものだ
とも思えない

むしろ愛おしくなって
「いいじゃないか」
そう言って許してあげたいと思う



苦労して書いたものほど届かない
そんなこともよくあることなんだよ
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聞き手pomera

2019-11-26 22:29:00 | 【創作note】
「起動したり再起動したりあんたも忙しいね」
「ふん。お前みたいに単純じゃない」
「あっ、そう。でも単純な方が複雑なんだよ」

「あ? 大きい方が小さいか?
暑い方が寒い?
つめたい方があったかい?
犬の方が猫?
愚かな方が賢い?
遠い方が近い?
鴉の方がクジラ?
古い方が新しい?
苦い方が甘い?
寝ぼけた奴が冴えてる?
おい! なんとか言え、ポメきちさんよー」

「あっ、ごめん。眠ってた」
「一丁前にスリープモードか」
「わるかったね。で?」
「反論を重ねてたのに。あー、そろそろ切れそうだ」

「おーい、誰か! つないであげてー!」
「……」
「もう。余計な体力使うからきみ」



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ベッドイン・ポエトリー

2019-11-25 21:39:00 | 忘れものがかり
机が消えた

椅子がなくなった

ペンが折れた

ノートが散った

消しゴムが転がった

雨が止んだ

明日が逃げた

夢が尽きた

友がいった

pomeraが飛び去った

あなたが消えた


ベッドの中で詩をつくり出すことはできる
周りからすべてが離れていってしまっても

最後に残った

私の意識と

あなたへの愛で
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特命キャベツ

2019-11-24 10:40:00 | ナノライト
ハーフカットのキャベツを手にすると
片手ではとても持ち切れなかった
丸ごと買うなら一人では不可能だ

ありがたく両手で抱え
頭上に高く持ち上げた帰り道は
とても無防備な形になった

下校途中の小学生が顔に落書きを
通りすがりのレスラーがローキックを
黒衣の刺客がボディを連打していく

不条理な攻撃にさらされながら
僕はキャベツを落とさなかった

このキャベツは
山田さんちのキャベツだから
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初恋

2019-11-23 10:33:00 | 忘れものがかり
初めて恋をしたのは
5歳の時だった

おやつを食べて
隣で寝た

周りのみんなは
本当に眠ったみたいだけど
素直でなかった僕は
寝ぼけた振りをしながら
彼女の気を引くことに夢中だった

彼女とは1年で別れた
体の事情だった


3年後
僕らは新しい場所で再会した

誕生会に呼んでくれた
彼女は僕を覚えていてくれた

それから何度か手紙をやりとりした

返事を書かなかったのは僕の方だ
おじいちゃんの事情だった
そのあとは自然消滅

おじいちゃんは何も悪くなかった
僕と彼女は
ずっと話せる距離にいたのだから

僕は本気ではなかった

昼寝の時間が
ちょっと恋しかっただけ
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ファースト・ライフ

2019-11-22 14:52:49 | 短い話、短い歌
 新しいシャツを身に着けることは難しい。どこが首でどこが腕か右も左もまるでわからないのだ。恐る恐る入口を探り何度か失敗を繰り返しながら相応しい位置にたどり着く。新しい朝を迎える度に間違いは少なくなる。新しいシャツの匂いが好きだった。新しい季節に移り変わる頃、シャツは自分に慣れてくる。もう迷うことはなくなった。恐れていたことがうそのように自然と身に着けられるようになった。夏が戻って来る頃、シャツは少し伸びていた。好きだった匂いも忘れてしまった。何度も春が巡る頃、シャツは古着になっていた。私は年を取って、新しいシャツのことを忘れた。それは最初の人生だった。
 
 
思わずに
だるんだるんで
生きていく
人生はもう
2度目ですから
 
(折句「お大事に」短歌)
 
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微笑まぬ店

2019-11-21 20:26:00 | 忘れものがかり
入ってみたい店がある
そのために訪れた時
店はシャッターを閉ざしている
(決まっていつも)

たまたま
通り過ぎる時
店は暖簾を出し
前に自転車が数台見える
看板に今日のおすすめ
中から美味しそうな匂いがこぼれてくる
その時の僕には他に行くところがある

店はいつ開きいつ閉じるのだろう
(いつになっても謎のまま)

その店の名は
いつも僕の胸の中にある
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人生ゲーム

2019-11-20 01:47:00 | 忘れものがかり
主人公は杖を持っている
魔法の杖だ
敵は見当たらない

静かな庭の中にいる
主人公を僕はコントロールできない
光が落ちてくる
(僕が落としている?)
炎を扱うゲームらしい

光の力でまだ道は開けない
主人公はまだ一歩も進まない

難しいゲームだ

早く次の面が見たい
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苦手のリフレイン

2019-11-19 16:26:00 | 忘れものがかり
「苦手なんですよ」

そう言うと
「えーっ」
と驚いたような顔をする
あなたは忘れた頃に
プリッツを持ってくる

他人の趣味に
興味なんてない

あなたはたまに
僕の名前を間違えて呼ぶ


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風のタッチ

2019-11-18 16:50:30 | ワンゴール

「いつまでもたもたしているんだ?」

「もたもたなんてしてません。僕の気持ちは、いつだってゴールに向かっています」

「そうは見えないがな。ほとんどちんたらちんたらしているように見える」

「それはどういう意味なんです?」

「そのままの意味だ」

「今は辞書を引くような暇はありませんが」

「向かうべき場所はわかっているだろうな」

「ファーサイドにスペースがあります。そこが僕の向かうべき場所です」

「確信があるのか?」

「わかりません。だけど、そういう決め事です」

「決め事の先に、決定力があるといいんだが」

「見ていればわかりますよ」

「そうだ。私はずっと見ている。それが監督の仕事だからな」

「僕の働く場所は、相手ゴールの前にあります」

「そこが好きか?」

「僕らは戦術に沿って動かなければなりません」

「勿論だ。わがまま放題では戦術は成り立たない」

「でしょうね」

「だが、本当にそれだけか?」

「他に何か必要ですか?」

「君は戦術だけに従って動いているのか?」

「元を辿れば、疑わしいところもあります」

「どこまで辿るつもりかね?」

「例えば、最初のゴールを決めた日まで」

「例えば、最初にボールに触れた日まで」

「まだ戦術なんて言葉も知らなかった日まで」

「好きだからでは?」

「嫌いだったらここにはいません」

「君は左足で打ちたいのだろう?」

「どちらかと言うなら、その方が理想ですが」

「戦術なんてなくても、君は同じように同じ場所へと動くのではないだろうか?」

「戦術のないピッチに立つことがあるんでしょうか?」

「そりゃあ、あるだろうさ」

「僕はまだまだ引退するつもりはありません」

「譜面よりも先に、音楽はあると言っているんだ」

「そりゃあ、あるでしょうよ。鳥だって知っていますよ」

「そうだ。鳥は、あらゆるアーティストの先を飛んでいるのだ!」

「お互いライバル意識なんてないでしょう」

「勿論そうだ。そんな主張を展開する気はない」

「そうあってほしいです。ここは人と人が戦う場です」

「勿論そうだ。だが、戦場にも歌があるのだ」

「僕たちを応援するための歌ですね」

「そうだ。我々を奮い立たせるための歌だ」

「とても勇気が出ます」

「その歌がどこから来たと思う?」

「あのスタンドです。ほら、あそこですよ」

「よそ見をするな! 歌はもっと遠いところから来たのだ」

「スタジアムの外でも歌ってくれるサポーターがいますね」

「いいや。もっと遠く。もっと遠くだ」

「僕たちのファンは海の向こうにもたくさんいます」

「もっと遠く。歌は愛より来ているのだ」

「僕たちへの愛だと言うんですね」

「もっと大きな愛だ」

「はい」

「今、君が立っているのもそんな場所だ」

「僕はピッチの上に立っています」

「愛のある場所に立っている」

「はい」

「君がシュートを打ちたいという場所に」

「そこが左に寄っていたのか」

「好きが、君を君の行くべき場所へ運んだのだ」

「そうかもしれません」

「ある日、猫は犬を枕にして眠っていた」

「どこの猫です?」

「自分の心地良い場所を知っていたからだ」

「でも、犬の方はどうなんですか?」

「犬は、目を覚ますと飼い主に訴えたのだ。散歩につれて行け! さあ、早くつれて行けよ!」

「うずうずしていたんですね」

「そうだ。とてもうずうずしていたのだ。だから滑り出しは快調だった」

「キックオフから五分のようにですね」

「いや、開始十秒だ」

「スタート・ダッシュですね」

「犬は道が好きだった」

「はい」

「犬は駆けることが好きだった」

「でしょうね」

「好きと好きが合わさるとどうなると思う?」

「それはハッピーな気分になるでしょうね」

「もっともっと好きになるのだ」

「はい」

「だから、犬の散歩道はいつでも輝きに満ちている」

「黄金の道ですね」

「時にはずっと眺めていたいほどだ」

「暇なんですか?」

「こちらまで楽しくなってくるからだ」

「なるほど」

「私にもそのような道がある」

「監督にも?」

「私も歩くのが好きだった」

「犬と似てるんですね」

「歩いていると、両サイドの景色が変わる」

「はい」

「いくつもの歯科医、いくつものセブンイレブンを見るだろう」

「ずっと歩いているんですね」

「好きなところまで歩くことができる」

「本当に好きなんですね」

「歩くことは元の場所から離れることだ」

「でしょうね」

「そのためには一歩一歩を積み重ねなければならない」

「どんな旅路でも一歩がなければ始まらないんですね」

「その通りだ。どんな勝利も、どんな美しいゴールも、すべてはワンタッチ、ワンタッチの積み重ねなのかもしれない」

「タッチを積み重ねて結果を実らせることができるんですね」

「その通りだ! ワンタッチを笑う者、疎かにする者は、いずれはワンタッチに泣くことになるだろう」

「一つのタッチを大事にすることが大事なんですね」

「勿論だ。大事にすべきことは大事にしなければならない」

「ワンタッチに無限の可能性が詰まっているんですね」

「ちょっとした触れ方の質によって、結果はまるで違ってくるだろう」

「一見して同じようなタッチでも、紙一重の差で勝負がつくんですね」

「誰かに言われた大事な言葉を覚えているかね?」

「監督とは別の誰かですか?」

「私であっても私でなくてもいい。大事なのは言葉の方だ」

「引出のずっと奥に、それは仕舞ってあります」

「なら、あるんだな」

「はい。本当に必要な時に取り出せるようになっています」

「それでいい。本当に必要なものは、本当に必要な時にだけあればいいのだ」

「はい。監督」

「信頼は一つ一つの言葉によって築かれるものだ」

「きっとそうかもしれませんね」

「だが、それは一日にしてできることではないんだ」

「そうでしょうね」

「もっと長い時間が必要だ」

「少し気が遠くなりますね。眠たくなるくらいです」

「それこそが日々というものだ」

「やっぱり、行き着くところは日々になるんですね」

「その通り! わかりかけてきたようだな」

「日々が僕らをここまで運んできたんですね」

「さあ、これより我々の壮大なカウンターが始まる」

「はい」

「人々の夢と共にゴールへ運べ!」

「監督、見てください。これが僕の、日々の先に伸びた足先です」

「ああ。君のファーストタッチを見せてくれ」

「風です! 監督。今日は風が強いけど、こんな時に大変強い風が吹いています」

「思わぬ風だ」

「僕らのカウンターの先に、思わぬ風が吹いています」

「落ち着け! ピッチの上は思わぬことの連続ではないか。荒れた芝生。突然の雨降り。ぬかるんだ地面。横殴りの雨。空を横切る鷹。絵に描いたような鱗雲。怒り狂った主審。寝ぼけた線審。禁句を並べた横断幕。豪雪。迷い込んだ子犬。迷いを知らぬ少年……」

「思うよりも、ずっと強い風です」

「何でも思い通りにはいかないさ」

「ああ、トラップが……」

「落ち着け! 風を味方につけろ!」

「上手くできませんでした」

「よく見てみろ。ボールは君の先にあるじゃないか」

「ああ、風が最初に運んでくれました!」

「そうだ。君のファーストタッチは風だ」

「今度は上手くいきそうです」

「そうだ。風と共にゴールに迫れ!」

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鑑賞コーナー

2019-11-17 23:19:00 | 忘れものがかり
スナック菓子の前に
おじいさんは立っていた

「いい香りだなあ」
えっ
「玩具屋さんを思い出す」
ええっ
「お1ついかがですか」
(早く床掃除したい)

おじいさんは
キャベツ太郎と生茶を買った

イートインコーナーに座り
しばらくの間
駐車場を眺めていた
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ニュー・シングル

2019-11-16 20:28:00 | 忘れものがかり
新しい曲はわからない

上がるのか下がるのか
ささやくのか叫ぶのか
はねるのか沈むのか

耳を澄まして聴かなければ

どこでどうして生まれたのか
誰をどれだけ思ったのか
繰り返すのか
あと何度


ドキドキしながら聴かなければ

新しい曲はわからない

好きかどうか まだわからない
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