「とりあえず折句を」

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、縦読み
クジラうえリクエストした水族館マダイが歌うスローバラード、クリスマス

おあずけ

2018-04-26 12:33:10 | 短歌/折句/あいうえお作文
「まだ。まだよ」
「うー。もういいんじゃねえの」
「まだ!」
「なんなん。どうせ食うんじゃん。何の意味あんの?」
「意味とか言うんじゃないの」
「えー。なんでなん」
「犬は犬らしく言われた通りにしてればいいの」
「犬らしくあるより、僕は僕らしくありたい」
「生意気言うんじゃないの」
「だって僕は僕なんだもん」
「かわいくないぞ」
「かわいくなんてなくていいもん」
「そんな風に育てた覚えはありません」
「じゃあ、もう食う!」
「待て! 待て!」
「えー。なんで待つの?」
「最後までちゃんとできたら教えてあげる」
「ちゃんとできるよ。知ってるじゃん」
「ならちゃんとしなさい」
「ちゃんとするのは簡単なんだから」
「だからそうすればいいのよ」
「ずっとしてるって」
「そう。お利口ね」
「嫌だ。もう食うから」
「まだ駄目よ」
「もう食う」
「待て!」
「うー。うー」
「待て!」
「うー……」
「はい。よし!」
「いただきまーす!」



永遠に
届くことない
詩情にワン
クリックで今日
さよならをする

折句「江戸仕草」短歌
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忍耐未来(アクロスティック)

2018-04-26 10:27:38 | 短歌/折句/あいうえお作文
確率が
確実になる
未来まで
一千回の
試練に耐えよ

折句「鏡石」
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フライング部長

2018-04-26 05:29:15 | 短歌/折句/あいうえお作文
遅延した
春を待たずに
山へ行く
部長はあつい
ルールブックだ

折句「ちはやぶる」
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厳しい茶会

2018-04-25 16:10:31 | 短歌/折句/あいうえお作文
お茶の子に
モナカを選び
手があけば
茄子と胡瓜の
塩揉みをとれ

折句「おもてなし」短歌
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青果売場(折句の扉)

2018-04-25 15:35:11 | 折句の扉
野菜売場の前に女が覆い被さっていた。
「ここの野菜よくないわ」
手に取っていた野菜をそう言って元に戻す。
「わるくもないわ」
そう言ってまた野菜を棚から取った。買い物客でありながらしていることは野菜を選別する従業員のようでもあった。よくないわるくないと言いながら、野菜の出し入れを繰り返しているのだ。絶え間なく動いているのに、作業は何も進展していない。

君は突入の機会をうかがっている。食と折句へつながる野菜を探しにやってきたのだ。葱やニラは折句には短すぎるが、まな板の上で切るにしても値段が気になった。もやしはマリネになるか。あるいはナムルになるか、折句になるか。同時に複数の可能性について考えねばならなかった。

「よくないわ」女は緑の野菜を押し戻した。
「わるくもないわ」また別の野菜を引き抜いている。はっきりとよければ(わるければ)決断することができるだろうに。グレーに留まった野菜が女を独りの綱引きの中に閉じ込めているようだった。いつまで待っても同じことだ。

君は女の背後に隠れながらミニトマトについて、小松菜について、ブロッコリーについて思案を巡らせていた。マリネよし、ナムルなし、折句よし。マリネなし、ナムルよし、折句なし。マリネよし、ナムルよし、折句よし。様々な可能性が考えられた。
弱くなった心が可能性にロックをかけることもあった。マリネなし、ナムルなし、折句なし。その時には道は行き止まり、すべての野菜が世界の外へと追い出されてしまう。
心が最大に開かれた瞬間、その時にならどんな野菜でも、マリネになり、ナムルになり、折句にもなることができるのだ。心はゼロと無限が手を結ぶ場所だった。

「よくもないわ」
女は腐りかけた野菜を押し戻した。
「わるくもないわ」
女は腐りきっていない野菜を取り戻した。

いつまでも待ち続けているわけにはいかない。飛び込んでいかなければ手に入らない宝物があるのだ。価値を見極めるのは他人ではない。
君は君の力で見つけなければならない。



渦巻いた
太鼓判なら
いらないと
日の出を見ずに
飛び立つキャベツ

折句「うたいびと」短歌

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お出かけですか

2018-04-25 06:10:44 | 短歌/折句/あいうえお作文
主をみる
レインコートの
男前
チワワはオート
バイにまたがり

折句「濡れ落ち葉」短歌
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離れ離れ(アクロスティック)

2018-04-24 23:07:50 | 短歌/折句/あいうえお作文
永遠の
鬼が夕日と
交じる頃
インドアお前
アウトドア俺

折句「エオマイア」短歌
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1分将棋の神さま

2018-04-24 12:09:18 | 短歌/折句/あいうえお作文
君は地獄耳だ。聞きたくもない解説陣の声が入ってくる。「正確に指せば詰みだと思われます」ずっと前からそんなことはわかっていたのだ。「75銀でしょうか」それもある。君好みの手とは違っている。散らした葱が邪魔をしてそれは不詰みとなる。「ああ、もう負けたよ」対局相手の心の声が耳に入ってきて集中を妨げる。残り10分を切っていた。「63銀が嫌だなあ」それも有力な王手だった。王手は続くが、散らした葱が邪魔をして、最終的に不詰みになる変化だった。流れからいっても勝たなければならない一局だった。しかし詰まさなければ危ない。確実な詰めろで逃げきれるほど余裕ではなかった。

散らした葱が読みを曇らせている。6筋から8筋にかけて、散らした葱が煙草ほどの長さに伸びて棋勢に干渉していた。「50秒……」とうとう残り3分を切ってしまった。85角。君は第一感の捨て角に立ち返って読みを入れた。(きっとこれしかない)取れば腹金からの詰みがある。問題は横にかわされた時。散らした葱が邪魔をして竜の進出を妨げている。(いったい誰がこんなところに葱を散らしたのだ)それは他ならぬ君自身なのだ! ここに至って君は葱を散らしたことを深く後悔したが、反省している暇はない。

「残り1分です」このままいけば負けてしまうだろう。すべては散らした葱のせいだった。
「50秒、1、2、3……」
その時、エアコンが急激に働いて盤上の葱を一掃した。それにつられる形で金や銀や大駒たちが盤外へ弾き飛ばされた。あらゆる小駒が後に続いた。最後に王様が自力で盤上から降りた。記録係があっと叫んだ。襖が開いて立会人が飛び込んできた。
「一旦指しかけとします」
立会人の権限により、予定にない夕食休憩が入ることが決まった。再開は40分後。50秒の秒読みからだ。記録係が葱を拾い集める様子を見ながら、君は勝利を確信した。


敗勢の
一途をたどる
王様に
マジカルな勝ち
筋を送ろう

折句「バイオマス」短歌

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風の予言(折句)

2018-04-24 06:42:29 | 短歌/折句/あいうえお作文
勇者殿
聞いたか君は
人のため
世のためになる
うつけ者なの

折句「ユキヒョウ」
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B面ランチ

2018-04-23 11:35:51 | 短歌/折句/あいうえお作文
裏路地に
たどり着いたら
「いらっしゃい」
B定食は
とりの唐揚げ

折句「うたいびと」
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4月パレット

2018-04-22 10:38:28 | 短歌/折句/あいうえお作文
春めいた
営みをみる
風の下
絵描きがといた
芝のパレット

折句「倍返し」短歌
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冷か温か

2018-04-21 10:33:12 | 短歌/折句/あいうえお作文
アピールの
県民性を
とく月見
うどんをすする
ふとい唇

折句「揚げ豆腐」
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とりかえっこ

2018-04-21 03:30:55 | 短歌/折句/あいうえお作文
絵の中の
王子を出して
魔女を消す
一休さんの
朝のルーティン

折句「エオマイア」
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スリータッチ

2018-04-21 01:19:16 | 短歌/折句/あいうえお作文
エスケープ
押す押す押すで
真っ白け
一日飛んだ
あくまの仕様

折句「エオマイア」
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銀頭(折句)

2018-04-20 11:54:22 | 短歌/折句/あいうえお作文
炎上の
古城で馬を
待ちながら
歩にたんたんと
叩かれる銀

折句「エゴマ豚」短歌
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