折句ラッシュ・クリスマス

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、縦読み
クジラうえリクエストした水族館マダイが歌うスローバラード、クリスマス

5G緊急提言記者会見

2020-11-13 13:11:00 | ナノノベル
「俯瞰的、総合的な観点から見るに、我が国における電話料金は極めて高く、早急な改善を強く要望するものであります。月々の家計から決まって出て行く他のものと比較してみても、これは著しく高いと言わざるを得ない」

「その原因はどの辺りにあるとお考えですか?」

「聞くところによると各社様々なプランを出しておるようですが、グローバルな観点から照らし合わせ、これは一般的には猫だまし、また猫まんま、電撃的には猫に小判とも言えるわけで、自らが設定したプランを独立して歩けないような状況に起因すると言っても差し支えない」

「具体的にはどの辺りが?」

「仁義の話については差し控えたい。命に関わってきますので」

「今回の要望は5Gの普及にも関連するものでしょうか?」

「医学的、構造的な観点から見て、人間というものには総合的にGがかかってきますので、みなさんも経験おありでしょう。寒い冬の日の朝なんかは、自分の意思を超えて社会的な立場や現在における社会情勢を棚上げにした上でお布団に引っ張られる。敷き布団に執着したり掛け布団と親密だったり、これはもう人によってそれぞれ主張がおありでしょうが、詰まるところGには多様性があって、私の言わんとするところとの関連性においてそれはそう理解していただいて差し支えない」

「確認になりますが、関連しているということでよろしいのでしょうか?」

「主観的な解釈については、これ以上は申し上げられない」

「望ましいプランがあるとすればどのように考えられますか?」

「聞くところによると2ギガ4ギガ8ギガ10ギガ12ギガ20ギガ30ギガ40ギガ50ギガ、80ギガ、ギガホ、メガホ、ギガーホ、メガギガホ、ギガホズン、メガギガホズン、メガギガブリザード等、ギガに関して様々あるということですが、私的にはギガギガして耳障りとも思える。これが逆に様々な混乱といわゆるスマホ迷子を生む要因の1つにもなっており、劇画的、ロープレ的な観点から見ても明らかに旅立ちのマインドに待ったをかけていると言わざるを得ない。水や電気や他の伝統的なスタンダードと比較してもこれは明らかに常識を逸脱したフェスティバル、心理学的には暴走と言って差し支えない」

「すみません。もう少しわかりやすく。庶民にもわかるようにお願いできますか」

「私利私欲からくる問いには一切のお答え差し控えさせていただく」

「多様性について触れておられましたが、それが重要なキーワードだとお考えでしょうか?」

「芸術的、詩的な観点から見て、それはもう間違いがない。一面的なところを見ていても創造的なイノベーションには結びつかないことは既に歴史的な観点からも証明が済んでおります。それを踏まえた上で店頭に並ぶ商品を手に取ってみた時には、2つ折り3つ折りと言わず、4つ5つと折られたスマートフォーンがあっても差し支えないと思われるし、またそれ以上にそういった開発に携わる多様性を内在し得る技術的な情熱を受け皿とするあまたなる作り手を抱えておくことが端末を軽量化し、同時に雪だるま式に一般的家計への負担も広範囲に軽減する切り札になると言っても過言ではないとしておきたい」

「総理、もっとわかりやすくお願いします」

「個人的なリクエストについてはご期待に沿う準備はしていない」

「みんなにわかるように!
アナログ人間にもわかるように!
お侍さんにもわかるように!
園児たちにもわかるように!」

「ちょっと、そこ黙らせて!」

「最後に今後の展望についてお願いします」

「将来的には、根本的な問題である見逃せない競争力の欠如、いわゆる団子社会における高止まり、聞くところによると通信費の一部はカール、いわゆるおやつ代に流れ、うす味に不満を抱えた層が機種変をした場合はそれに伴う(MNP)いわゆる問題忍者パフォーマンスに過度の負担がかかってくることは避けられない。繰り返される搾取の構図は生放送と再放送の垣根なく、またニュースとワイドショーについても同様のディスタンスが見受けられ、それによって個人的な時間が削り取られていく現代の危機的とも言える社会情勢の中で、また家計への負担も著しく歯止めの利かない恣意的な自動運転であることを見越した折には、もっと自由で情熱的、緩やかで野性的な発想が待たれていると言っても差し支えないとご理解いただきたい」

「もっとわかるように!
みんなにわかるように!
もっとシンプルに!
私たち犬にもわかるように!」

「犬をとっとと追い払え!」

ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ウォン、ウォン、ウォン、ウォン、ウォーン♪

ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ウォン、ウォン、ウォン、ウォン、ウォウォーン♪

ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン♪
ウォン、ウォン、ウォン、ウォン、ウォウォウォーン♪

キャイーン♪

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アジフライラブ

2020-11-13 03:15:00 | 短い話、短い歌
 いくら待っても私の料理は運ばれてこない。
「あの、まだでしょうか」
「お待ちください。順番にやってますんで」

チャカチャンチャンチャン♪

 待っても待っても運ばれてこないのだ。
「あのー……」
「もう少々お待ちください」
「どれくらいになりそうですか?」
「お待ちください。順々に……」

チャカチャンチャンチャン♪

 いったいいつまで待てばいいのだ。
「すみませーん! すみませーん!」
「お待たせしました。何しましょう?」
「いや、そうじゃなくて……」
「いえ、それが、お客様の注文は通ってないようです」
「はい?」

「ご注文は、何しましょう?」
「いやいやずっと待ってるんですよ。待てと言うからずーっと待ってたんじゃないですか。注文してるでしょ」
「通ってないんですね」
「待てと言うから待ってましたけど」
「ですから注文せずに待たれても無理ですので」
「だから、注文はしてるでしょう。1時間も待ちましたよ」

チャカチャンチャンチャン♪

「通ってないようです」
「だから……」
「で、何しましょう?」
「その前に何か言うことはないんですか」
「注文をしていただかないと始まりませんので」
「だから、注文は最初にしてますよね」
「だから、それが通ってないようなんで、ご注文は何しましょう?」
「だから、何で通ってないんだって……」
「だから、改めてご注文は何しましょうか?」
「だから、改める前に何かないのかよって」

「ご注文を繰り返します。ご注文は何しましょう?」
「アジフライ定食」
「かしこまりました。お待ちください」

チャカチャンチャンチャン♪

「すみませんお客様。アジフライ売り切れました」
「もうええわ」


逢いたいの字体が乱れふしだらに
裸体に添っていたいパッション

(折句「アジフライ」短歌)
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【創作note】クライマックス(ただの人)

2020-11-13 02:33:00 | 【創作note】
勿体ぶって
寝かせている
pomera

ライダーが変身するのは最後の方
気持ちを高め
本質を見極め
テーマが最大化した瞬間に
変身し手早く片づけてしまう

ヒーローに憧れて
pomeraを遠くに置いたまま

熟考の素振り
ペンをまわし
ストローをくわえ
スマホに浮気
天井を見上げるも……

テーマは正体を現さず

僕は最後の最後まで
ただの人だった

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証文の出し遅れ

2020-11-13 01:07:00 | 幻日記
 後ろに待つ者がいないから、それほど落ち着いていられるのではないか。男は金を払う折になって、ポイントカードをさがしている。
「お持ちでしょうか」
 膨らんだ財布に顔を埋めるようにして、幾層に連なるポケットを探っている。ございますでしょうか……。こちらとしては、待つ以外に何もすることがない。純粋な待機。人生にはそのような時間もある。お客様、プロポーズしながら指輪をおさがしですか。よっ、泥縄名人!
「なかったです」
「かしこまりました」
(で、ないんかーい! なんや、ないんかーい!)
 純粋な待機から純粋タイムロス。人生の時間の半分以上は、他人のために消費しなければならない。

 客が去った後に人生の時間を哀しんでいると床を走る物が目についた。中型のゴキブリだった。すぐに隣の部屋の戸棚に行き緑色のスプレーをさがす。ラッカー、ネズミ、556、アリ。違うな。形はみんな似ているけどどれも違う。目当ての物が見つからず、赤白のスプレーを取って現場に戻った。

(ほいっ!)

 既に奴は逃亡した後だった。
(おらんのかーい! 待ってないんかーい!)

 シューーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪

 何もいないカーペットに向けて惜別の噴射。
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チープ夜空

2020-11-13 00:48:00 | ナノノベル
「夜空なの。それにしてはチープな星ね。
もしや雨?」
 そう見えるなら、
 いっそ雨として認められるのもいい。
「やっぱり違うわね。
雨ならもっと繊細でなくちゃ。
傘もないし」

チャカチャンチャンチャン♪

「これを星と思えるかしら。
もしやふりかけ?」
 そうだったかもしれない。
 星よりもずっと降りやすい。
「いいえ違うわ。
ふりかけにしては彩りに欠ける。
誰がこれでごはんを食べる?
いっそのりの方が進みそうね」

チャカチャンチャンチャン♪

「これは夜空? これが星?
うそでしょ。ふざけているの?
これは砂ね」
「勿論そうです。時を落ちる砂を描きました」
「いいえ。砂にしては寂しい砂ね。
水を運ぶ商人もラクダも見えない」

チャカチャンチャンチャン♪

「やっぱりこれは……」
「虫です」
「意思も脚も節も見えないけど」
「言われてみれば」
「やっぱりこれはチープな星の夜空ね」
「はい」
 否定されても、何かに化けることは叶わなかった。
 星として出直すしかなさそうだ。
「早くなさい。夜が明けてしまうわ」

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