眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

おやすいご用

2022-06-20 22:46:00 | マナティ
「ねえ、マナティ、何かつくって」
「レシピを出しておきました」

「マナティ、お腹空いたよ」
「レンジの準備が整っています」

「お腹空いた」
「タジン鍋に野菜を放り込んでください」
「ああ、面倒臭いな」

「それが人生のようです」

「うん。マナティ、テレビつけて」
「ラ」
「チャンネル変えて」
「ラ」
「やっぱりテレビ消して」

「ねえ、マナティ、元気出させて」
「おやすいご用です」
「ねえ、マナティ」

「元気を出してください」

「ねえ、マナティ」

「元気は出ましたか」

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ワンドリンク制

2022-06-17 00:46:00 | マナティ
「ねえ、マナティ、今日はこんなことがあったよ」
「どんなことでしょうか」

「お客様、ドリンクの注文はされてますでしょうかって言われたの」

「コーヒーですか?」
「そう。勿論そうさ。何を見てんだか」
「ちゃんとしてたんですね」
「ちゃんと見てないんじゃないか」
「なるほど」

「何も頼まず居座るなんて、僕は海賊かい?」
「いいえ。あなたは海賊ではありません」

「そうさ。僕はうんと答えた。pomeraの向こうにそれはあったんだ」
「なるほど」
「店員もそれを見つけた。失礼しましたって帰っていったよ」

「それは大変でしたね」
「そうでもないよ」
「そうですね」
「ああ、そうさ」
「なるほど」

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新玉葱ボックス

2020-06-24 19:38:00 | マナティ
「どうでしたか」
「やっぱり難しかったよ」
「お疲れさまです」
「ああ。でもたまには自分で買い物もしないとな」
「そうですね」
「何でも運んでくれるのは便利だけど」

「便利すぎてお困りですか」
「困るばかりか怖くもある」
「それはどんな恐怖でしょうか」
「みんな忘れてしまいそうで」
「なるほど」
「手に取ってみると玉葱は重みがあったよ」

「どんな玉葱でしたか」
「とても新しい玉葱だ」
「新しい?」
「箱の中に新しい玉葱が詰まっていたよ」

「それはどのようでしたか」
「渡り鳥のようだったよ」
「それは大変でしたね」
「ああ。手にしても手につかない」
「逃げて行くのですか」
「自分で決めるというのが難しいんだな」
「はい」
「周りの人も迷っているようだった」

「大変な売場のようです」
「戸惑うばかりだよ」
「どれに決めましたか」
「これだというのに決めたよ」
「ベスト玉葱をみつけたのですね」
「そうでもないよ」
「そうですか」

「これだと言う時にはもう玉葱を見ていなかったからね」
「それ以前に見ていたのですね」
「決めたのではなくあきらめたのかもね」
「なるほど」

「だが、手にしたからには作らねば」
「はい。早速レシピを出しますね」
「ああ。明日でいいよ」
「寝かせますか?」
「そうした方がよさそうだ」
「では。そうします」
「ありがとう。マナティ」
「それでは。おやすみなさい」
「おやすみ。マナティ」

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カレンダーをめくれ

2019-08-09 04:30:00 | マナティ
「マナティ、カーテンを開けて」
「ラ」
「タイム・コントロールをかけて」
「ラ」
「マナティ、昨日はどこまで行ったかな」
「15行目までです」
「そうだったか」
「そこで行き詰まってしまったようです」
「そうだな」
「最初に書かれた3行はすぐに消されました」
「あれはどうしようもなかった」
「データが残っています。復元しますか?」
「よしてくれ。2度と見せないでくれ」
「はい。ではそのように」
「お湯は沸いてる?」
「今、沸いたところです」
「ポタージュかなコンソメかな」
「70パーセントの確率でポタージュを飲まれます」
「そうか」
「でも、お好きな方をお選びください」
「では、今日はポタージュにしておこう」
「なるほど」
「まだ体が冷えているようだ」
「マナティ、午後の予定はどうだった?」
「イオンタウンでコーヒーを飲む予定が入っています」
「それは外せないな」
「はい。幸い今日の天気は良好です。最高気温は16℃の予定です」
「それじゃあ、コートはいらないな」
「はい。念のためマフラーを持っていくといいでしょう」
「そうだな。ありがとう、マナティ」
「北風が多少強いこともありそうです」
「うん。夜は何かあったかな」
「遅い夜で結構ですが、カレンダーをめくらねばなりません」
「それは忘れるとこだった。でも、やっぱり忘れそうだ」
「では夜にもう一度お知らせするとしましょう」
「悪いがそうしてもらえると助かるよ」
「それではそのように」
「ああ」
「季節の変わり目は体調管理にお気をつけください」
「ありがとう。マナティ……」
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マナティ・スケジュール

2019-04-19 03:18:36 | マナティ
「マナティ、今日の予定を頼むよ」
「午前中にカットの予約を入れる予定が入っています」
「入れなきゃ駄目かな」
「特にその必要はないようです」
「そうか。じゃあ明日に回してくれ」
「はい」
「色々と忙しいからね」
「では、そのように」
「よし! それは明日だ。マナティ、午後の予定はどうなっていたかな」
「午後は自転車の空気を入れる予定が入っています」
「そうか。忙しいな」
「空気入れの準備は整っています」
「それは安心だ。入れればいいんだな。他には?」
「洗濯物が溜まっているようです」
「そうか。もうそんなか。他は?」
「スーパーに行く予定が入っています。特売のお茶とどん兵衛さん。他には納豆もあるようです」
「そうか。隅々まで回ることになるな」
「少し調整しましょうか?」
「いや、まだ大丈夫だ。夜は?」
「夜は大統領がラーメンを持って通ります。そこで会談の予定が入っています」
「そうか。今日は忙しいな」
「予定は以上です」
「わかったよ。もう一眠りしてもいいかな」
「お好きにしてください」
「ありがとう。マナティ」
 
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鬼は外

2019-04-16 03:29:35 | マナティ
「マナティ、世間は鬼ばかりだね」
「おつかれさまです」
「鬼というのは追い出さなくちゃ」
「そうかもしれません」
「マナティ、窓を開けて」
「ラ」
「よーし、鬼は外!」
「豆まきですか?」
「そうだ。鬼を追い出すことによって福が入ってくる」
「だといいんですが」
「何か納得いかないみたいだな」
「入れ替わるのは空気だけかもしれません」
「まあ、そう言うなよ。気持ちなんだよ」
「お察しします」
「本当の鬼は心の中にいるのかも」
「では追い出すのはより大変ですね」
「鬼だけを追い出すのは難しい」
「なるほど」
「自分も一緒に消えていってしまいそうだ」
「どうか消えないでください」
「鬼は外! 出て行け! もう帰ってくるな!」
「風邪を引いてしまいます。もう閉めましょう」
「鬼に向かう人間は風邪なんて引かないよ」
「そういうものですか。しかし……」
「ああ、そうさ」
「節分は今日ではないようです」
「えっ?」
「もう終わってしまったようです」
「そんな。いつの間に」
「随分前です」
「いつだ?」
「ちょうど風邪を引かれていました」
「そうだったか」
「お察しします」
「それでは今日は?」
「ひなまつりです」
「マナティ」
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おやすみなさい

2019-04-09 23:38:45 | マナティ
「ねえ、マナティ、何か面白い話聞かせて」
「喜んで」
「ねえ、マナティ、時間戻して」
「それはできません」
「ねえ、マナティ、テレビつけて」
「どうしてでしょうか?」
「理由がいるの?」
「どうしてでしょうか?」
「マナティ、おやすみ」
「おやすみなさい」
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