じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

吉村昭「尾行」

2024-05-15 15:25:11 | Weblog

★ 近隣の中学校では1学期の中間テストがない。塾としては対策講座を開かなくてよいので助かるが、しわ寄せが期末テストにきて、やたらテスト範囲が広くなって困る。

★ それはそうと教員不足が深刻だ。地元の学校での何とか数合わせをしているが、不足分は常勤講師に頼っている。採用1年目で中学2年生を担任する場合もある。

★ 常勤講師は新学期早々生徒からの反発にあい、「授業が分からない」と騒ぐ生徒で学級崩壊寸前のようだ。新任の教員は何とか頑張っているようだが、こちらも「だんだん授業がわからなくなってきた」というのが生徒の談。管理職が手薄なのも心細い。

★ 教育ニーズが多様化、個々への対応が煩雑になるなかで、教員の仕事はますます過酷になっている。教員の権威が低下し、父母や生徒からの直接的な(時には理不尽な)批判にさらされるのも気の毒だ。

★ 理想と現実のギャップを知り離職したり、心を病む教員も後を絶たない。「やめられるものならやめたいが、今さら他の仕事で今の収入は得られないし」という中堅教員の声を聞いたことがある。大変だね。

★ 数合わせも大事だが、果たして教員の質、教育の質が保たれているのか心配だ。

★ さて長編ばかり読んでいるので、たまに短篇。吉村昭さんの「遠い幻影」(文春文庫)から「尾行」を読んだ。大学卒業を前にして興信所のアルバイトである主婦の浮気調査をする男の話。

★ いわゆる「探偵」の仕事はほとんどがムダな時間で、随分と忍耐力がいる仕事だなと思った。そんな興信所に依頼が絶えないというから、どんなものか。

★ ともかく、主人公と共に対象を尾行している気分を味わった。

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