じゅくせんのつぶやき

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村上龍「半島を出よ」上巻

2024-05-11 21:17:30 | Weblog

★ 韓国映画「8番目の男」(2019年)を観た。有名なアメリカ映画「12人の怒れる男」を現代の韓国に翻案したものだ。日本で裁判員裁判が始まったのは2009年だったか。韓国でも2008年から「国民参与裁判」が導入されている。

★ 設定は、国民参与裁判第1号となる事件。本人の自白がある上、犯行の目撃者もいる。もはや有罪は確定で、刑期だけが陪審員に委ねられるはずであった。ところが第8番目の男(「12人の怒れる男」でも8番目の男。韓国では陪審員自体が8人で構成されている)が、疑問を提示し、判決は意外な方向に。

★ 映画としては、密室での陪審員にやりとりに焦点を当てた「12人の怒れる男」の方が面白かった。しかし、これは司法制度の違いによるものか。「8番目の男」では裁判官や司法制度自体に的が当てられていた。

★ さて読書の方は、村上龍さんの「半島を出よ」上巻(幻冬舎文庫)を読み終えた。

★ 近未来、財政破綻した日本が舞台。北朝鮮の反乱軍と名乗る一団が福岡ドームを占拠。続いてやってきた部隊が福岡を支配下に置いた。東京への「進軍」を恐れた政府は九州封鎖の決定をする。

★ 実にリアルだ。リアルがゆえ(詳細ゆえ)に読みにくさもある。同時に起こっている出来事を作品として仕上げるのは難しかろう。

★ こんな近未来が来ないように政府は事前に手を打ってほしいものだが、今の政治、官僚機構では無理か。下巻に続く。

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