じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

司馬遼太郎「忍者四貫目の死」

2023-08-27 18:21:45 | Weblog

★ 昼食時、ふとテレビをつけるとNHKで「生誕100年 司馬遼太郎 雑談昭和への道(1)何が魔法をかけたのか」を流していた。1986年作品の再放送だ。陸軍の内部対立。皇道派に対立する統制派のエリート、永田鉄山軍務局長が惨殺されるまでが語られていた。

★ 司馬さんの姿を見て、久しぶりに彼の作品が読みたくなったので、「侍はこわい」(光文社文庫)から「忍者四貫目の死」を読んだ。

★ 上洛した織田信長。敵対するものを徹底して滅ぼすことで恐れられていた。有力な戦国大名も少なくなり、その一人、甲斐の武田信玄が信長を暗殺するため、刺客を送ったという噂が流れた。

★ 刺客は「知道軒道人」という忍者で、伊賀、甲賀を問わず名の知れたレジェンドだった。彼の手にかかれば信長とて危ない。さすがの信長も警戒してお抱えの伊賀者・蚊羅刹に「知道軒道人」暗殺を命じた。

★ 当時の忍者集団は言わば傭兵部隊。大名にカネで雇われ警護に、通牒に、謀略に動いていた。蚊羅刹は命令は受けたものの、伊賀者同士の殺し合いとなれば、郷里への裏切りともなる。そもそも「知道軒道人」の姿さえわからない。ともかく、京の信長の寝所で待ち伏せすることにしたのだが。

★ 誰が味方で誰が敵か。情勢によっては敵が味方に、味方が敵になる。戦国時代ならではのスリリングが展開だった。

☆ 現代、政府が軍事を民間会社にアウトソーシングする時代になってきた。ロシアのワグネルもその1つか。しかし一つ間違えば、反旗を翻す結果にも。ロシアではプーチンに刃を向けたワグネルの創始者プリゴジン氏の乗った航空機が墜落したという。背後でどんな陰謀が渦巻いているのやら。

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