じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

宮本輝「紫頭巾」

2023-08-22 18:37:53 | Weblog

★ 夏期講座22日目。夏休みも残り少なくなってきた。まだ宿題を残している子どもたちはせっせと励んでいる。マンガ「サザエさん」では、カツオの宿題を一家総出で処理するなんて話があったように薄っすら記憶している。さすがに最近は、それほど要領の悪い生徒は見かけない。

★ さて今日は、宮本輝さんの「五千回の生死」(新潮文庫)から「紫頭巾」を読んだ。小学生たちが女性の死体を見つける。ある児童は、彼女が紫の頭巾をかぶって占いをしていたというが、かれはちょくちょく嘘を現実のように話すので友人たちは信じない。

★ その町は在日朝鮮人の人が多く住み、北への帰還事業が始まっていた。その町に住む人も、1軒、また1軒と新潟経由で帰国の途に就いた。国境など気にもしなかった子どもたちの間にも、複雑な国際関係が影を落とす。

★ 映画「キューポラのある街」や「パッチギ」を思い起こした。

★ 宮本輝さんの「泥の河」も、大人の世界の事情で揺れ動く複雑な子ども心が印象的だった。

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