じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

あさのあつこ「空が見える」

2023-08-12 20:41:23 | Weblog

★ 授業が暇な土曜日。合間にテレビを見る。毎年のことながら甲子園では熱戦が続く。

★ 少子化やスポーツの多様化の影響で、野球は私が子どもの頃ほど人気がない。(サッカーやバスケットボールに押され気味だ。)そのせいか、最近は打高投低で、私が小学生の頃に見た「三沢高校vs松山商業」のような息詰まる投手戦は少なくなった。点差が開く試合も目立つ気がする。

★ それでも勝ち抜いてベスト8ぐらいになると、見ごたえのある試合に出会える。

★ さて今日は、あさのあつこさんの「晩夏のプレイボール」から「空が見える」を読んだ。少し胸が熱くなる作品だった。

★ 壮年の夫婦。夫は不治の病でベッドに横たわる。もはや宣告された余命を過ぎているという。日々衰えていく夫を見守る妻。彼女は二人で歩んだ歳月を振り返る。

★ 二人には一人息子がいた。家業がスポーツ店だったせいか息子は野球が大好きで、甲子園に出るのを夢見て、夫とキャッチボールを楽しんでいた。妻は二人に嫉妬気味。

★ そんな家族を悲劇が襲う。息子が交通事故に遭い、亡くなったのだ。10歳だった。

★ それから20年。病床にあって眠ることが増えた夫は、夢の中で甲子園に立つ息子の姿を見たという。そして妻もまた、ふと目にしたテレビの画面に釘付けになる。息子と同じ名の選手が活躍しているのだ。

★ そして、物語は静かに終わる。

 

☆ 最近はゲームセットを待たずに涙する球児をよく見かける。「甲子園焼け」した彼らの感情の高ぶりは何に起因するものなのか。

☆ 負けや悔しさでも、勝った嬉しさでもない。重圧を涙で発散しているのだろうか。「涙は心の汗だ」という青春ドラマを思い出す。

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