★ 夏休みが終わると、今年も受験態勢に入る。今日は朝からweb模試とかで、高校生が来ている。スマホで解答する形式とか。時代は移り変わっている。
★ 「まだまだ頑張ろう!」と気持ちは若いが、年を追って体が動かず、痛いところ、できないことが増えていくのは仕方ないことか。
★ さあて今日は、荻原浩さんの「海の見える理髪店」(集英社)から「成人式」を読んだ。泣いて、笑って、最後は泣き笑いするような作品だった。
★ ビデオに映し出される少女、うまく回らないセリフを何回も練習している。幼稚園の発表会で天使を演じるという。ビデオを観ている父親は親バカだと自覚しながら、その天使を見つめ続ける。
★ 少女は成長し中学生。父と娘は気まずい空気に陥ることも増えた。避けてるようでいて、嫌っているわけではない。そこは親子だからだ。
★ その娘が卒業を前に不慮の事故で亡くなってしまう。当然ながら父と母は娘の死をうまく受け入れられない。ただ月日だけが流れていく。そして5年。どこで調べたのが成人式の着物のカタログが届くようになる。最初は拒否していた母親。そんな彼女に父親はある提案をする。
★ 最後、記念撮影のシーンは泣ける。
★ 「海の見える理髪店」は第155回直木賞受賞作。家族をめぐる悲しくもあり嬉しくもある作品が詰まっている。