じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

井上荒野「ほうとう」

2019-09-11 19:54:57 | Weblog
★ 井上荒野さんの「ベーコン」(集英社文庫)から「ほうとう」を読んだ。

★ 温子は安海と不倫している。日曜の午後になるとバイオリンを持った(管弦楽サークルに入っていることになっている)安海が温子の家を訪れ)、食事と情事を重ねている。

★ 安海に子どもができた。温子は会社の同僚とともに安海夫人のお見舞いに行く。気まずいシチュエーションだと思うのだが、結構平気な様子。

★ しかし、安海夫人が二人の関係を知ったら修羅場だろうなぁ。

★ ところで題になっている「ほうとう」。二人の話題になりながら1年以上実現しなかったメニュー。それが実現する。二人の関係に少し変化の予感を感じさせる。

★ 犬を連れたおばさんが通りかかれば、帰っていく安海。おばさんの時間厳守はカントのようで面白かった。


★ 「ほうとう」ってどんな味がするのかな。うちの母はたまに「すいとん」をつくってくれた。同じようなものらしいけど。
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英語で民間試験活用の経緯

2019-09-11 16:49:41 | Weblog
★ 2020年からの大学入試「共通テスト」の実施。一部記述式の導入や英語の民間試験活用が特色とされる。

★ 「記述」導入は今さらという感じがするし、実際、どうやって採点するのだろうか。これもAI任せか。

★ 英語の民間試験活用は不評だ。柴山(前)文科大臣はサイレントマジョリティは賛成だとかなんとか、よくわからないことを言っていたが、実際受験する身になって見れば時期尚早の感がする。

★ そもそもどういう経緯で「民間試験」という発想が出てきたのだろうか。

★ 首相の私的諮問機関である教育再生会議が2013年10月31日に「高等学校教育と大学教育との接続・大学入試選抜の在り方について」という提言をまとめている。

★ 高校生の学力低下に危機感を抱き、達成度テスト(基礎)、達成度テスト(発展)を提言している。前者は、高校レベルの学力の基礎基本ができているのかを見るもので、後者は大学受験資格試験といった感じだろうか。

★ しかし達成度テスト(基礎)などはヤブヘビでいわゆる底辺校の生徒などは軒並み不適格となるだろう。そうした場合のフォローまで考えないと、留年、退学、更には高等学校の倒産と言った学校経営まで影響が及ぶ。理想と現実はあまりにギャップが大きい。

★ 達成テスト(発展)が「共通テスト」の原型と言うところか。その提言の中で外国語の外部試験の活用が述べられている。

★ この提言を受けた形になるのだろうか、文部科学省は「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」というものを2013年12月に定め、その具体化のため小委員会が設置され、2014年7月に「英語教育の在り方に関する有識者会議 英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する小委員会 審議のまとめ」を公表している。

★ その中でこれまでの経緯がまとめられている。2003年「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」、2011年「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的方策」で「大学及び高等学校入学選抜における資格・検定試験の活用の促進が指摘されてきたが、その趣旨の理解とともに活用は十分に進んでいない」とし、先に挙げた教育再生実行会議で提言された新たな試験(達成度テスト・発展レベル)でも外部検定試験の活用を検討することが指摘された、と書かれている。

★ 結局、4技能を測定する試験を「生徒等の英語力評価や入学者選抜において積極的に活用を推進」と具体的な試験名を挙げてまとめている。

★ これを受けた形になるのだろうか、2014年12月22日、中央教育審議会は「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申を発表している。この中で、民間の資格・検定試験の活用を述べている。

★ おおよそ審議会なるものは結論ありきで、文部官僚が作文したものをベースに委員が意見を述べるようなものだ。

★ 民間の試験では文科省と関係が深い英検協会(英検)やベネッセ(GTEC)、それに留学を希望する生徒にはTOEFLあたりを想定していたのであろうが、従来型の英検にスピーキングが欠けていたり、他の資格・検定試験も認めざるをえなくなったりと、その辺りから目算が狂ってきたようだ。

★ 2020年と言う期日ばかりが先走り、見切り発車となっているのも気がかりなところだ。
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