じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「ザ・シークレットマン」

2019-09-01 23:00:17 | Weblog
★ 映画「ザ・シークレットマン」(2017年)を観た。

★ 1972年、大統領選の最中、共和党ニクソン大統領の再選委員会の関係者は、盗聴器を仕掛けようと民主党本部のあるウォーターゲートビルに侵入、逮捕された。ウォーターゲート事件である。

★ 当初、ホワイトハウスは関与を否定したが、その過程でさまざまな隠ぺい工作が行われていたことが発覚。ニクソン大統領は辞任に追い込まれる。

★ ホワイトハウスの意向を受け、捜査の終結を迫られるFBI。長年君臨したフーバー長官が死亡する時期と重なった。本来政府から独立であるべきFBI、その独立が危うくなりつつある。副長官のマーク・フェルトは情報をマスコミにリーク。政府による隠ぺいを暴こうとした。当時「ワシントン・ポスト」はこの匿名の情報提供者を「ディープ・スロート」と呼んだ。

★ ニクソン大統領は「アメリカ・ファースト」と言っていたね。トランプ大統領の専売特許じゃなかったんだ。

★ ところで「ロシア疑惑」ってどうなったんだろうなぁ。
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今村夏子「こちらあみ子」

2019-09-01 18:41:29 | Weblog
★ 今村夏子さんの「こちらあみ子」(ちくま文庫)を読んだ。

★ あみ子は純真な子だ。純真さゆえに人を傷つける。純真さゆえに周りの人に理解されない。たぶん最初は周りも何とか同化しようとしたのだろう。しかしそれがムリだと悟ると、腫物を触るように接するようになっていった。

★ プロローグとエンディングがつながっている。回想という形であみ子の成長が綴られていく。

★ 両親と兄とあみ子の4人家族。母は家で書道教室を開いている。やがて母親は身ごもるが死産する。このころから母親の心は病んでいく。あみ子の純真すぎる思いやりが最後の引き金になったようだ。あみ子の言葉に従えば、母親はすっかりやる気を失ってしまった。1日中部屋に閉じこもって眠るようになる。(作品の後半で母親が義母であることを知る)

★ あみ子と一緒に小学校へ通っていた兄は、12歳で「不良」になる。中学校では「田中先輩」と恐れられていた。異物を排除するかのようにクラスメイトや先輩はあみ子をいじめようとするが、兄のご威光のせいでそれからは逃れられた。

★ あみ子も恋をする。書道教室に通っていた「のり君」だ。しかし、あみ子の想いは受け入れられず、そればかりか気色がられる。あみ子が子どもながらにストーカーのように執拗だからか。一途な恋心とストーキングは紙一重だ。

★ 社会からはみだしたあみ子だが、わずかに救いがある。それは冒頭に出てくる竹馬に乗った小学生のさきちゃんとあみ子に名前も覚えてもらいない坊主頭の野球少年だ。

★ 社会で生きるというのはかななか窮屈だ。時には心にもない世辞や愛想や不自然な笑顔も見せなければならない。あみ子はまったく社会との接点を断っているわけではない。つながろうとしているのだが、つながらないのだ。作品中に出てくる一方通行のトランシーバーのように。

★ 周波数のあった人との出会いがあればよいのだが。
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映画「潜入者」

2019-09-01 16:54:53 | Weblog
★ 映画「潜入者」(2016年)を観た。

★ コロンビアからの麻薬を撲滅するために、組織に侵入したGメンたちと麻薬カルテルを取り巻く人々の話。

★ 麻薬を売買したり、そのカネを洗浄して利潤を稼ぐバンカーたち、悪い奴らに違いないが、彼らにも普通に家族があり、観ているうちに潜入捜査官同様、情が移ってくる。役者が演じているせいもあるが、最後の結婚式の場面など、みんな善人に見えた。

★ 作品の中で悪人以上に悪い奴として「政府」が暗にほのめかされていたが、盗人にも三分の理ということか。

★ 潜入捜査官、何か「こちら側」(例えば家族とか)に引きとめるものがないと、「向こう側」に落ちてしまうなぁ。

★ なかなか緊迫感のある映画だった。
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教員の質

2019-09-01 10:09:20 | Weblog
★ 朝日新聞は教員採用試験の受験率が低下しているのを受け、「教員の質」に不安を訴えている。

★ 教育現場のブラック状況が報道され、また民間企業の採用が好調なことが背景にあるようだ。

★ 受験率自体は採用者数によるところが大きいから、それが直ちに「教員の質」に影響するとは考えにくい。35年近く前、私が教員採用試験を受験した頃は、団塊世代が採用された直後だったから募集数が極端に少なく、当然競争率が高かった。(こうした不規則な採用がその後の教員構成のアンバランスを招くのだが。国家百年の大計とは言いながら、行政官は余り長期的な視野を持たないようだ)

★ 問題は地域格差と非正規採用の割合の増加だろう。

★ 朝日新聞の表では、1倍を少し超えるぐらいの自治体と10倍に迫る自治体があるのがわかる。医師と同様、教員の偏在は課題の一つだろう。

★ 教員の質を論じるなら、非正規雇用について考えねばならない。かつては「試補制度」が論議され、批判も繰り返されてきた。今は「初任者研修」として一部が制度化されているが、非正規教員は蚊帳の外だ。そもそも人材難の折から、非正規教員の確保さえ難しい状況だ。教員確保に苦労する校長も多い。

★ なぜ非正規が多いのか、これは財政的な問題だ。一人の教員を正規に雇い、生涯雇用するとなるとその金額は莫大なものとなる(教員は原則終身雇用だ)。それを賄う予算が特に地方財政に乏しい。消費税を増税しそれを教員の質の向上など教育環境の改善に当てると言った言わば「教育税」も発想としてはあるが、果たして国民のコンセンサスが得られるだろうか。

★ 結局現実的な対応が非正規雇用となっている。

★ 一方で、国民の教育に対するニーズは多様化し、また個別要求(わが子志向)が高まっている。時代に対応するとの名目で、新しい教科が次々導入され、カリキュラムはがんじがらめになってきている。「ゆとり」時代はもはや過去の幻。高度成長期の「モーレツ」といった感じだ。教員も生徒も栄養ドリンクを飲んで24時間働か(学ば)ねばならなくなるのか。

★ 働き方改革とは言いながら結局は仕事ができるスタッフに業務が集中するのも問題だ。これは民間企業でも同じだが、民間企業なら頑張った分だけ報酬面でもメリットはある。教員の場合、「やりがい」といった自己認識で満足しなければならないし、行政側は「教育愛」などを持ち出して鼓舞する。

★ 不登校の生徒が増えるなど、「学校」という仕組みが過渡期を迎えているのは確かだ。日本は学年制を採用しているが、学ぶ内容は一様で良いのか。かつては効率性を追求するあまり、多様な到達度の生徒を一つの教室に集め一斉授業をしてきたが、それもこのままでよいのか。塾業界では10年以上前から、集団から少人数制、個別へと大きく転換している。

★ 学校経営面で言えば無駄な会議や行政対応など、なんとかならないか。高校受験の書類にしても難解な行政用語の羅列と複雑な書類記入に辟易とする。

★ 教育制度、学校経営、教育内容、教育方法、評価などITが発達する中、大きく転換を図る必要なありそうだ。教育の在り方を決め、またそれを現場に下ろす偉いさんたちの質と感性をまず改善する必要がありそうだ。もちろん財源をどうするか。
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