じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「読書」欄

2019-09-07 10:26:08 | Weblog
★ 土曜日の楽しみは朝日新聞の「読書」欄だ。

★ 今やニュース報道はネットで見る時代。新聞の魅力と言えば読み物とスーパーのチラシぐらいだろうか。

★ 今日の「読書」欄、まず関心をひかれたのは、ヤン=ヴェルナー・ミュラー著「試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想」(板橋拓己。田口晃監訳、岩波書店)。西崎文子さん(東京大学教授)が評されている。

★ 「20世紀ヨーロッパの政治思想を、冷戦に捉われない視点から俯瞰しようとする野心作」だそうだ。19世紀の課題は自由主義であり、20世紀の課題は民主主義だったとのこと。新たに登場した「大衆」というものをどう捉え、政治の中に取り込んでいったのか。ソ連の全体主義やファシズムにも言及しながら検討しているようだ。

★ そして、混迷する21世紀の政治状況をどう捉えるか。そのヒントも与えてくれそうだ。読んでみたいが、上下各2808円、購入するには少々勇気がいる。

★ 松岡亮二著「教育格差 階層・地域・学歴」(ちくま新書)も面白そうだ。こちらは出口治明さん(立命館アジア太平洋大学長)が評されている。教育格差の問題は教育社会学の分野でよく論じられるが、この書は「数字・ファクト・ロジックで」「エピソードではなくエビデンスで」論議をしようとする数少ないものであると評されている。

★ 「平等」というタテマエと「格差」という現実。著者は「日本は生まれ育った家庭と地域によって、何者にもなれる可能性が制限されている『緩やかな身分社会』だと指摘」されているという。


★ そう言えば、歌舞伎界や華道、茶道といった家元制度の世界、あるいは僧侶といった限られた領域では昔から世襲が目立つが、最近は医者や政治家も世襲が増えているように思う。ジバン、カンバン、カバン。既得権益がモノを言う時代なのか。明治維新や敗戦などといった革命的な転換がない限り、この傾向はますます強まるのかも。(教員の世界も案外、教育一家というのが多い。こちらは世襲とは言わないが)

★ 最近、学生の留学が増えている。私の身近では男性よりも女性の方が積極的、野心的だ。男性はどうも引っ込み思案だ。男性は大多数の草食系とごく限られた肉食系がいるのではとさえ思える。いずれにせよ、若い時に外国を経験した人がこれからの日本社会を変えるのかも知れない。

★ そう考えるなら、三バンに捉われず留学できるシステムをつくることが必要なのかも知れないと思えてきた。
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