
映画100選。第9回。
98年作品。
監督・脚本・音楽・主演ヴィンセント・ギャロ
共演クリスティーナ・リッチ、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・ギャザラ、ロザンナ・アークエット、ミッキー・ローク
モデル、画家、バイクレーサー、プロボーラー、ミュージシャンという数多ある肩書きのマルチクリエイター・ヴィンセント・ギャロの初映画監督作であり、脚本・音楽、更に主演までこなした彼の、彼の為に作った映画。
主人公ビリーが、地元のアメフトチームに大金を賭け、支払われなくなった為に、身代わりに刑務所に入る羽目になり、なんとか五年の刑期を終えたところからストーリーが始まる。
出所した彼は、両親に獄中の五年間を隠し、結婚したと嘘をついた為に、偽りの妻を実家に招待する事になり、通りすがりの女を拉致し、実家へ向かう。そして、賭けをしたアメフトの試合でミスプレイをした選手を逆恨みして、復讐しようとするのだが・・・。
なんだか無茶苦茶のストーリーであり、斬新過ぎるカメラワークやカット割とコミカルなセリフ。そしてプログレ好きに堪らない音楽。その全てが、映画全体に漂うスタイリッシュさを醸し出している。
「愛らしきダメ男」の主人公は、不器用で見栄っ張り、臆病で女が苦手のダメダメっぷり。
しかし、両親想いで友人想い、高校時代のマドンナに今だに恋する優しい純朴青年である。
見た目カッコよ過ぎのギャロが演じる超ダメ男。そのギャップが一番の笑いどころです。
全体的にゲラゲラと笑えるシーンの連続です。特にモーテルでのシーンはとても微笑ましい。
寂しさから一緒に風呂に入ろうとするレイラが、恥かしがるビリーの隣で佇み、バスタブで縮こまるビリー。滑稽な画にニンマリ。
そして風呂上りに二人でベッドに入り、キスをして、更に先に進むのかと思いきや、ダメ男っぷりを発揮。しかし、微妙な二人の位置にニンマリ。
この映画のギャロの最高の立役者でヒロインのクリスティーナ・リッチがまたとてもキュート。
子役上がりの小柄な、特にきれいなわけでもない女優といったイメージだった彼女だが、本作ではムチムチのボディーで(ただのポッチャリ?)ミニスカワンピがまた物凄いセクシーであり、拉致された後はいつでも逃げれるのに、ダメ男のビリーにずっと付き合っていき、ビリーの心を徐々に解きほぐしていくレイラを好演。
あの若さで母性本能を感じさせる彼女の演技に拍手を送りたい。
効果的に使われた音楽だが、ギャロはプログレ好きであり、特にイエスが大好きである。
ストリップバーの店主を殺しに行くときにかかる「ハートオブサンライズ」がスリリングなシーンにマッチして超クール。
個人的にイエスで一番好きな曲だけに、劇中で流れるだけでとても嬉しい。
ちなみにこの曲は「クイズ」ってドラマでもサントラとして使用された。それぐらい鬼気迫るシーンに最適な名曲。
エンディングもイエスの「スウィートネス」。
ギャロいわく、「私の人生で最高の日は、イエスのベーシストのクリス・スクワイアに食事に招かれた時だ。2番目に最高だったのは、イエスのヴォーカリストのジョン・アンダーソンに会った時だった」 という程の熱狂的イエスファンである。
他にも、キングクリムゾンの「ムーンチャイルド」が、ボーリング場でのレイラのタップダンスのBGMという異色の使われ方に笑うしかない。
当時はこの映画に影響されたスタイリッシュな映画がとても多かった。
それらのほとんどがクソみたいなものだった。ギャロはこの映画で一躍スターになったが、その分後が続かず、一発屋みたいになってしまった・・・。
スタイリッシュラブコメディといった感じのあたたかくもあり、大笑いも出来るカッコいい映画です。
オススメ度(映画評価)・☆☆☆☆
98年作品。
監督・脚本・音楽・主演ヴィンセント・ギャロ
共演クリスティーナ・リッチ、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・ギャザラ、ロザンナ・アークエット、ミッキー・ローク
モデル、画家、バイクレーサー、プロボーラー、ミュージシャンという数多ある肩書きのマルチクリエイター・ヴィンセント・ギャロの初映画監督作であり、脚本・音楽、更に主演までこなした彼の、彼の為に作った映画。
主人公ビリーが、地元のアメフトチームに大金を賭け、支払われなくなった為に、身代わりに刑務所に入る羽目になり、なんとか五年の刑期を終えたところからストーリーが始まる。
出所した彼は、両親に獄中の五年間を隠し、結婚したと嘘をついた為に、偽りの妻を実家に招待する事になり、通りすがりの女を拉致し、実家へ向かう。そして、賭けをしたアメフトの試合でミスプレイをした選手を逆恨みして、復讐しようとするのだが・・・。
なんだか無茶苦茶のストーリーであり、斬新過ぎるカメラワークやカット割とコミカルなセリフ。そしてプログレ好きに堪らない音楽。その全てが、映画全体に漂うスタイリッシュさを醸し出している。
「愛らしきダメ男」の主人公は、不器用で見栄っ張り、臆病で女が苦手のダメダメっぷり。
しかし、両親想いで友人想い、高校時代のマドンナに今だに恋する優しい純朴青年である。
見た目カッコよ過ぎのギャロが演じる超ダメ男。そのギャップが一番の笑いどころです。
全体的にゲラゲラと笑えるシーンの連続です。特にモーテルでのシーンはとても微笑ましい。
寂しさから一緒に風呂に入ろうとするレイラが、恥かしがるビリーの隣で佇み、バスタブで縮こまるビリー。滑稽な画にニンマリ。
そして風呂上りに二人でベッドに入り、キスをして、更に先に進むのかと思いきや、ダメ男っぷりを発揮。しかし、微妙な二人の位置にニンマリ。
この映画のギャロの最高の立役者でヒロインのクリスティーナ・リッチがまたとてもキュート。
子役上がりの小柄な、特にきれいなわけでもない女優といったイメージだった彼女だが、本作ではムチムチのボディーで(ただのポッチャリ?)ミニスカワンピがまた物凄いセクシーであり、拉致された後はいつでも逃げれるのに、ダメ男のビリーにずっと付き合っていき、ビリーの心を徐々に解きほぐしていくレイラを好演。
あの若さで母性本能を感じさせる彼女の演技に拍手を送りたい。
効果的に使われた音楽だが、ギャロはプログレ好きであり、特にイエスが大好きである。
ストリップバーの店主を殺しに行くときにかかる「ハートオブサンライズ」がスリリングなシーンにマッチして超クール。
個人的にイエスで一番好きな曲だけに、劇中で流れるだけでとても嬉しい。
ちなみにこの曲は「クイズ」ってドラマでもサントラとして使用された。それぐらい鬼気迫るシーンに最適な名曲。
エンディングもイエスの「スウィートネス」。
ギャロいわく、「私の人生で最高の日は、イエスのベーシストのクリス・スクワイアに食事に招かれた時だ。2番目に最高だったのは、イエスのヴォーカリストのジョン・アンダーソンに会った時だった」 という程の熱狂的イエスファンである。
他にも、キングクリムゾンの「ムーンチャイルド」が、ボーリング場でのレイラのタップダンスのBGMという異色の使われ方に笑うしかない。
当時はこの映画に影響されたスタイリッシュな映画がとても多かった。
それらのほとんどがクソみたいなものだった。ギャロはこの映画で一躍スターになったが、その分後が続かず、一発屋みたいになってしまった・・・。
スタイリッシュラブコメディといった感じのあたたかくもあり、大笑いも出来るカッコいい映画です。
オススメ度(映画評価)・☆☆☆☆