ロック100選。第7回。
68年作品。2枚組アルバム。
別名「ホワイトアルバム」。
そもそも前作の「サージェントペパー~」が、何故あれほど賞賛されるのか疑問なのです。
単純に好き嫌いの問題だとは思うのですが、最初3曲と最後2曲以外の中間部がかったるく感じる。「リボルバー」の二番煎じ的な曲もあるし、全体的にポールで、ジョンが少ないのもあるし。
統一性があるとは思うけど・・・。
そう、本作は統一性が全くありません。四人四様、自由奔放・好き勝手に作った、史上最強のソロ作品集です。
トータルアルバムとしては、ソロ作をただ単に詰め込んだだけの失敗作だとは思うが、もはやビートルズにとっては、それが成立してしまうマジカルなバンドなのだ。
大ボリュームの全30曲2枚組で、本作よりベストの「青盤」には2,3曲しか入ってなく、更にベストの「1」には1曲も入ってない。
となると本作は佳作ばかり?と思いきや、全曲素晴らしいバラエティ懲りすぎのやりたい放題アルバム。
天才クリエイター集団ビートルズのポピュラーミュージックの限界への挑戦が見事に果たされたのだ。
サーフミュージック、サイケデリック、コミカルソング、ロックンロール、カントリー、アコースティク、バラード、ハードロック、ブルース、ヘビーメタル、ジャズ、アシッドロックとなんでもあり。
四人がバンドを無視して自由気ままに作った。この時点でバンドとしての機能は果たしていない。
ドラマーなのに、ドラムを叩かせてもらえなかったり曲があったりで、リンゴは一時的に脱退。そりゃそうだ。仕方ない。
単純に天才たちの音楽の方向性が違っただけである。それ故に不仲になったのだ。前後逆に取ってはいけない。
相変わらずの千手観音的音楽センスであらゆるジャンルに挑んだポール。
「Blackbird」もいいが、お気に入りは「Helter Skelter」で、これは原始的ヘビーメタルの傑作だ。
「While My Guitar Gentley Weeps」で親友のエリック・クラプトンに(泣)のギターを弾かせたジョージ。第三の男が作曲能力に開花した。
頑張ってソングライトが出来るようになったリンゴ。
こいつのボーカルは滑稽さを醸し出すが、稀に叙情性溢れる歌声を出す。それが大トリ曲「Good Night」で聴ける。
至高の作品のラストを御伽噺を聞かされた子供のように安らかな眠りを誘い、きれいに締めてくれた。グッジョブ。
でもなんだかんだで本作はジョンのサイケデリックソングに尽きます。
前作のラスト曲や、「アイアムザウォーラス」など、難解な奇天烈サイケでロックの宇宙を飛んでいたジョン。
この2曲の良さがある日突然分かり、天地がひっくり返った衝撃を受けたものです。
本作はサイケが満載で、大ボリュームのアルバムの中に疎らにばらまかれた地雷のように置いてある。そのスリルがまた堪りません。
特に大問題作の「Revolution 9」は、これは曲ですか?と問わざるを得ない「音の集合体」である。
そう考えると音楽は「音の集合体」そのものだから、これは列記とした音楽なんですね。
これを聴くとドラッグなんていらないだろう。ブッ飛びたい人はこれを聴くべし。
違法ドラッグなんて面倒臭いモノ高い金払って買うんだったらこれを聴くべし。確実にトリップ出来ますよ。
これを作ったジョンはやっぱり天才だ。天才というかキチガイだ。恐ろしいロックセンスに聴き手はただただ平伏すしかないのです。
真っ白なジャケットは色んな解釈の出来る意味深デザイン。
バンドセルフタイトルの本作、これがビートルズの無限の力。音楽の、ロックの無敵の力だ。
ワンマンシップスーパースター軍団の個人技アルバムは、おもちゃ箱を開けた色んな楽しさがあり、これからも聴く度にワクワクさせてくれるでしょう。
オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆
68年作品。2枚組アルバム。
別名「ホワイトアルバム」。
そもそも前作の「サージェントペパー~」が、何故あれほど賞賛されるのか疑問なのです。
単純に好き嫌いの問題だとは思うのですが、最初3曲と最後2曲以外の中間部がかったるく感じる。「リボルバー」の二番煎じ的な曲もあるし、全体的にポールで、ジョンが少ないのもあるし。
統一性があるとは思うけど・・・。
そう、本作は統一性が全くありません。四人四様、自由奔放・好き勝手に作った、史上最強のソロ作品集です。
トータルアルバムとしては、ソロ作をただ単に詰め込んだだけの失敗作だとは思うが、もはやビートルズにとっては、それが成立してしまうマジカルなバンドなのだ。
大ボリュームの全30曲2枚組で、本作よりベストの「青盤」には2,3曲しか入ってなく、更にベストの「1」には1曲も入ってない。
となると本作は佳作ばかり?と思いきや、全曲素晴らしいバラエティ懲りすぎのやりたい放題アルバム。
天才クリエイター集団ビートルズのポピュラーミュージックの限界への挑戦が見事に果たされたのだ。
サーフミュージック、サイケデリック、コミカルソング、ロックンロール、カントリー、アコースティク、バラード、ハードロック、ブルース、ヘビーメタル、ジャズ、アシッドロックとなんでもあり。
四人がバンドを無視して自由気ままに作った。この時点でバンドとしての機能は果たしていない。
ドラマーなのに、ドラムを叩かせてもらえなかったり曲があったりで、リンゴは一時的に脱退。そりゃそうだ。仕方ない。
単純に天才たちの音楽の方向性が違っただけである。それ故に不仲になったのだ。前後逆に取ってはいけない。
相変わらずの千手観音的音楽センスであらゆるジャンルに挑んだポール。
「Blackbird」もいいが、お気に入りは「Helter Skelter」で、これは原始的ヘビーメタルの傑作だ。
「While My Guitar Gentley Weeps」で親友のエリック・クラプトンに(泣)のギターを弾かせたジョージ。第三の男が作曲能力に開花した。
頑張ってソングライトが出来るようになったリンゴ。
こいつのボーカルは滑稽さを醸し出すが、稀に叙情性溢れる歌声を出す。それが大トリ曲「Good Night」で聴ける。
至高の作品のラストを御伽噺を聞かされた子供のように安らかな眠りを誘い、きれいに締めてくれた。グッジョブ。
でもなんだかんだで本作はジョンのサイケデリックソングに尽きます。
前作のラスト曲や、「アイアムザウォーラス」など、難解な奇天烈サイケでロックの宇宙を飛んでいたジョン。
この2曲の良さがある日突然分かり、天地がひっくり返った衝撃を受けたものです。
本作はサイケが満載で、大ボリュームのアルバムの中に疎らにばらまかれた地雷のように置いてある。そのスリルがまた堪りません。
特に大問題作の「Revolution 9」は、これは曲ですか?と問わざるを得ない「音の集合体」である。
そう考えると音楽は「音の集合体」そのものだから、これは列記とした音楽なんですね。
これを聴くとドラッグなんていらないだろう。ブッ飛びたい人はこれを聴くべし。
違法ドラッグなんて面倒臭いモノ高い金払って買うんだったらこれを聴くべし。確実にトリップ出来ますよ。
これを作ったジョンはやっぱり天才だ。天才というかキチガイだ。恐ろしいロックセンスに聴き手はただただ平伏すしかないのです。
真っ白なジャケットは色んな解釈の出来る意味深デザイン。
バンドセルフタイトルの本作、これがビートルズの無限の力。音楽の、ロックの無敵の力だ。
ワンマンシップスーパースター軍団の個人技アルバムは、おもちゃ箱を開けた色んな楽しさがあり、これからも聴く度にワクワクさせてくれるでしょう。
オススメ度(ロック評価)・☆☆☆☆☆