Q: 航空機乗務員の宇宙線被曝について詳しく教えて下さい。
Q1: 宇宙線の発生の源、およびその成分はどのようなものですか?
A1:宇宙線は、太陽系外における超新星爆発や太陽活動の際に放出される高エネルギー粒子です。
・1次宇宙線 宇宙空間における陽子、アルファ粒子、重粒子
・2次宇宙線 大気圏内(高度100 km 以下)における陽
子、中性子、 電子、ガンマ粒子、パイ中間子、ミューオン
航空機乗務に伴う宇宙線被曝は、2次宇宙線によるものです。
Q2: 昨年、日乗連と客乗連とで各大臣宛に出した「宇宙放射線被曝に関する 要請文」の中に、‘ 91 年以来、専門家の協力で独自に調査した’と ありますが、どのように調査したのでしょうか?また、その結果を教えてください。
A2: 航空機乗務員の中で測定に協力していただける人たちを募り、携帯
用の簡便な被曝線量計(胸ポケットにクリップで付けるタイプ)を
装着してもらいました。この方法だと比較的容易に、他数回測定す
ることが可能です。
(尚、この測定で航空機の計器に影響を与えることはまったくあ
りません)
この結果、年に 800 ~ 900 時間搭乗するとして、成田?ニュー
ヨーク路線のみを搭乗する航空機乗務員の年間被曝線量は、約
2.8~3.2ミリシーベルトになります。
Q3:日本の法令では、放射線による被曝線量の上限値を、どのように定めていますか?また、航空機乗務員の放射線被曝の規制はありますか?
A3: 職業被曝をする人(原子力発電所の放射線業務従事者等)について
は、全身の年間線量限度は50ミリシーベルトで、3ヶ月ごとの線
量当量が30ミリシーベルトを超えないよう配慮されています。
(尚、彼らの年間平均の被曝線量は、約1ミリシーベルトで
す。)
航空機乗務員の宇宙線に起因する一人あたりの年間の被曝線量は、
2~3ミリシーベルトで、原子力発電所の労働者の2~3倍です。
にもかかわらず、航空機乗務員は現行法令の規制の対象外におか
れています。
Q4: ICRP(国際放射線防護委員会)の 1990年勧告の内容とは?
A4: ジェット機の乗務員も職業被曝の範囲に加えるべきであるとし、そ
の年間の線量限度(全身)を、20ミリシーベルトまでに、また、
妊娠中の女子の腹部の線量限度を、2ミリシーベルトまでに、とし
ています。
Q5: 放射線防護の原則とは何ですか?
A5: 放射線防護の原則とは、「無用な放射線被曝はできるだけ避け
る」、「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだ
け低くする」というものです。ある値を定めると「この値まで許さ
れるんだな」とついつい思い込みがちですが、線量限度はそういう
性質のものでは絶対にないという事です。だからこそ、 年間線量限
度が50ミリシーベルトと定められている原子力発電所の労働者の
年間被曝線量は、約1ミリシーベルトにとどまっているわけです。
日乗連の調査結果からは、1万人の航空機乗務員がいれば、平均
してそのうち 16 ~ 24 人がガンになって死亡するかもしれないと
いう推定が出されています。一日も早い、官庁要請に沿った改善が
求められます。
Q1: 宇宙線の発生の源、およびその成分はどのようなものですか?
A1:宇宙線は、太陽系外における超新星爆発や太陽活動の際に放出される高エネルギー粒子です。
・1次宇宙線 宇宙空間における陽子、アルファ粒子、重粒子
・2次宇宙線 大気圏内(高度100 km 以下)における陽
子、中性子、 電子、ガンマ粒子、パイ中間子、ミューオン
航空機乗務に伴う宇宙線被曝は、2次宇宙線によるものです。
Q2: 昨年、日乗連と客乗連とで各大臣宛に出した「宇宙放射線被曝に関する 要請文」の中に、‘ 91 年以来、専門家の協力で独自に調査した’と ありますが、どのように調査したのでしょうか?また、その結果を教えてください。
A2: 航空機乗務員の中で測定に協力していただける人たちを募り、携帯
用の簡便な被曝線量計(胸ポケットにクリップで付けるタイプ)を
装着してもらいました。この方法だと比較的容易に、他数回測定す
ることが可能です。
(尚、この測定で航空機の計器に影響を与えることはまったくあ
りません)
この結果、年に 800 ~ 900 時間搭乗するとして、成田?ニュー
ヨーク路線のみを搭乗する航空機乗務員の年間被曝線量は、約
2.8~3.2ミリシーベルトになります。
Q3:日本の法令では、放射線による被曝線量の上限値を、どのように定めていますか?また、航空機乗務員の放射線被曝の規制はありますか?
A3: 職業被曝をする人(原子力発電所の放射線業務従事者等)について
は、全身の年間線量限度は50ミリシーベルトで、3ヶ月ごとの線
量当量が30ミリシーベルトを超えないよう配慮されています。
(尚、彼らの年間平均の被曝線量は、約1ミリシーベルトで
す。)
航空機乗務員の宇宙線に起因する一人あたりの年間の被曝線量は、
2~3ミリシーベルトで、原子力発電所の労働者の2~3倍です。
にもかかわらず、航空機乗務員は現行法令の規制の対象外におか
れています。
Q4: ICRP(国際放射線防護委員会)の 1990年勧告の内容とは?
A4: ジェット機の乗務員も職業被曝の範囲に加えるべきであるとし、そ
の年間の線量限度(全身)を、20ミリシーベルトまでに、また、
妊娠中の女子の腹部の線量限度を、2ミリシーベルトまでに、とし
ています。
Q5: 放射線防護の原則とは何ですか?
A5: 放射線防護の原則とは、「無用な放射線被曝はできるだけ避け
る」、「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだ
け低くする」というものです。ある値を定めると「この値まで許さ
れるんだな」とついつい思い込みがちですが、線量限度はそういう
性質のものでは絶対にないという事です。だからこそ、 年間線量限
度が50ミリシーベルトと定められている原子力発電所の労働者の
年間被曝線量は、約1ミリシーベルトにとどまっているわけです。
日乗連の調査結果からは、1万人の航空機乗務員がいれば、平均
してそのうち 16 ~ 24 人がガンになって死亡するかもしれないと
いう推定が出されています。一日も早い、官庁要請に沿った改善が
求められます。