■日々の新聞:いわき Biweekly Review 第204号「『魚籃観音像』の不思議な運命」
先だって、2009年夏に三鷹市美術ギャラリーで行われた『牧島如鳩展-神と仏の場所-』のレビュー記事にコメントをいただいて、ハッとした。返信にも書いたとおり、3月11日の東日本大震災のあと、私は如鳩の『魚籃観音像』の安否が気になってならなかった。
2009年の展覧会当時、この絵は「今でも小名浜の漁業共同組合長室の壁に飾られ続けている」と説明されていた。震災後、私は、うろ覚えだった小名浜港(福島県いわき市)の位置を、Googleマップで確認した。原発事故の警戒区域からは、少し南に外れているようである。人的・物理的被害が皆無でなかったことは、だんだん分かってきた。しかし、この絵に関する情報は何も得られなかった。仕方ない。もう起きてしまったことなのだから、待っていれば、いずれ分かるだろうと決めて、夏を過ごしていた。
そこに龍三郎さんのコメントをいただいたので、久しぶりにネットで情報収集してみた。そのとき、引っかかってきたのが、上記のニュース記事である。なんと、小名浜漁業協同組合は、経営不振のため、2010年3月に解散し、同年9月30日付で破産手続き開始決定を受けた。負債総額は3億円にのぼった。足利市立美術館が預かっていた『魚籃観音像』も競売にかけられそうになったが、今年2011年のはじめ、関係者の尽力により、足利市民文化財団に買い取られた。評価額は250万円だったという。そして、このたびの震災。
あまりにも数奇な運命に呆然とする思いだった。ひとまず絵の無事が確認されてよかった。でもなあ、いつか、この絵は港に返してやりたい。漁のできる港に。そう切実に感じさせる絵なのである。
■「神奈川仏教文化研究所」の停止
リンクを張っておいたが、上記のリンク先にはもうページがない。何年も前から「お気に入り」に登録し、情報収集に使わせていただいていたサイトだったが、今年の4月半ばから、パタリと更新が止まってしまった。おかしい、おかしい、と思っていたら、同サイトの「訪れ帖」(掲示板)に、どなたかが理由を書き込んでくれた。管理者がお亡くなりになったのだという。ショックだった。詳細は『春秋堂日録』というブログに記事があるので、ここにリンクを張っておく。
ところが、つい先日、更新が止まった当のサイトが、まるごと消えてしまっていた。これは、もっとショックだった。更新が止まっても、過去情報にアクセスできれば、まだまだ有用だったのに。あの豊富な情報は、まさか全て烏有に帰してしまったのだろうか? ネットの上の情報の儚さを感じて、うそ寒い感じがしている。
先だって、2009年夏に三鷹市美術ギャラリーで行われた『牧島如鳩展-神と仏の場所-』のレビュー記事にコメントをいただいて、ハッとした。返信にも書いたとおり、3月11日の東日本大震災のあと、私は如鳩の『魚籃観音像』の安否が気になってならなかった。
2009年の展覧会当時、この絵は「今でも小名浜の漁業共同組合長室の壁に飾られ続けている」と説明されていた。震災後、私は、うろ覚えだった小名浜港(福島県いわき市)の位置を、Googleマップで確認した。原発事故の警戒区域からは、少し南に外れているようである。人的・物理的被害が皆無でなかったことは、だんだん分かってきた。しかし、この絵に関する情報は何も得られなかった。仕方ない。もう起きてしまったことなのだから、待っていれば、いずれ分かるだろうと決めて、夏を過ごしていた。
そこに龍三郎さんのコメントをいただいたので、久しぶりにネットで情報収集してみた。そのとき、引っかかってきたのが、上記のニュース記事である。なんと、小名浜漁業協同組合は、経営不振のため、2010年3月に解散し、同年9月30日付で破産手続き開始決定を受けた。負債総額は3億円にのぼった。足利市立美術館が預かっていた『魚籃観音像』も競売にかけられそうになったが、今年2011年のはじめ、関係者の尽力により、足利市民文化財団に買い取られた。評価額は250万円だったという。そして、このたびの震災。
あまりにも数奇な運命に呆然とする思いだった。ひとまず絵の無事が確認されてよかった。でもなあ、いつか、この絵は港に返してやりたい。漁のできる港に。そう切実に感じさせる絵なのである。
■「神奈川仏教文化研究所」の停止
リンクを張っておいたが、上記のリンク先にはもうページがない。何年も前から「お気に入り」に登録し、情報収集に使わせていただいていたサイトだったが、今年の4月半ばから、パタリと更新が止まってしまった。おかしい、おかしい、と思っていたら、同サイトの「訪れ帖」(掲示板)に、どなたかが理由を書き込んでくれた。管理者がお亡くなりになったのだという。ショックだった。詳細は『春秋堂日録』というブログに記事があるので、ここにリンクを張っておく。
ところが、つい先日、更新が止まった当のサイトが、まるごと消えてしまっていた。これは、もっとショックだった。更新が止まっても、過去情報にアクセスできれば、まだまだ有用だったのに。あの豊富な情報は、まさか全て烏有に帰してしまったのだろうか? ネットの上の情報の儚さを感じて、うそ寒い感じがしている。