見もの・読みもの日記

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2013黄金週@関西:非公開文化財特別公開(松尾大社)

2013-05-10 00:41:46 | 行ったもの(美術館・見仏)
関西旅行最終日(5/5)。迷った末に阪急電車で再び京都方面に向かう。今回は神社シリーズに徹することにする。

松尾大社(西京区嵐山宮町)

 松尾神社も十数年前に一度来たきり。要するに、名所旧跡なので一度は訪ねてみるのだが、お寺と違って神社には、これまであまり魅力を感じなかったので、もう一度来てみたいと思わなかったのだ。鳥居と楼門の間では、フリーマーケット「亀の市」開催中。



 非公開文化財特別公開の受付をすると「○時○分にお集まりください」と申し渡される。それまでは、庭園入口を入り、三つの名庭を拝観。いずれも重森三玲の作で、現代的な造園。その中に「神像館」があり、松尾大社の摂社・末社で発見された神像(9~14世紀)20体ほどが展示されている。手前に独立した三つの展示ケースが並んでいて、ははあ、『大神社展』に出ていた松尾三神像(老年男神像、壮年男神像、女神像)は、ふだんここにいらっしゃるのだな、と思う。『松尾大社の神影』という冊子(表紙は老年男神像の写真)をしげしげ見ていたら、受付に座っていたの女性の方が「今はここにいないんですよ」と済まなそうにおっしゃるので、「いえ、私は東京から来ましたので(←嘘だなw)国立博物館で見ました」と申し上げたら「そうですか!」と表情が明るくなった。「この間、テレビでもやってましたよね」とおっしゃったのは、日曜美術館のことかな。

 冊子の「あとがき」(伊東史朗氏)によれば、ながらく京都国立博物館に寄託されていた三神像が、松尾大社の宝物館に返却されたのは平成6年(1994)、実に86年ぶりの里帰りだったという。私はこの三神像、「なかなか見られない」というイメージが強くあったのだが、平成6年以降はここで常時公開されていたのか。そして、同社の摂社末社に伝えられた神像18体の調査が行われたのは、平成22年。その報告書として、カラー図版入りの立派な冊子が作られたのである。うーむ、これは欲しい。と思っていたら、拝観開始の時間が近づいてきたので、いったん神像館を出る。

 拝殿前で十数人の集団になり、神職さんのお祓いを受けて、本殿がよく見える回廊の中に入れてもらう。こちらの本殿の屋根は、前後が均等な長さを持つ両流れ造で、他には厳島神社(広島県)と宗像大社(福岡県)しかない珍しいもの。「松尾造」とも呼ばれる。前日、上賀茂神社で、一般的な流れ造(前の屋根が後ろより長い)を見てきたので、違いがよく分かった。厳島神社・宗像大社・松尾大社は、いずれも海上守護の女神を祀るという点に共通性がある。

 拝殿の見学が終わったあと、神像館に戻って気になった冊子を買っていく。3泊4日の旅行で3冊目…。次回は、裏山の磐座(いわくら)にも行ってみたい。登山の覚悟をしてこなくては。

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