見もの・読みもの日記

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TBSドラマ『JIN-仁-』を誉めておく

2011-06-08 22:36:49 | 見たもの(Webサイト・TV)
○TBS開局60周年記念 日曜劇場 ドラマ『JIN-仁-』(完結編)

 先週の日曜は、友人と外食だったので、見られないかな、と思っていたが、ドラマが始まるまでに帰宅できた。録画セットしておけよ、とお思いでしょうが、最近、録画してまで見たいTV番組がほとんどないので、私はレコーダーを持っていないのである。

 いやー見逃さなくてよかった。天祐でした。先週の第8話は、癌のため余命わずかと知った野風が、逆子の赤ん坊を産むために、麻酔なしの帝王切開に挑む。母体の安全を考えて逡巡する仁先生を、気迫で説き伏せて執刀させる。野風=中谷美紀の演技は、何かが乗り移ったんじゃないかと思われるほど、凄かった。凄いほどキレイで、これはTVドラマのレベルじゃないだろう、と思ってしまった。野風の気迫、仁先生の決意に巻き込まれて、熱くなっていく仁友堂の面々も魅力的だった。

 坂本龍馬の大仕事、大政奉還の扱いは、ちょっとアッサリし過ぎた感もあるが、このドラマは、歴史イベントを描くことが本筋ではないから良しとしよう。野風の帝王切開と同時進行にすることで、大政奉還=新しい日本の誕生であることを示した脚本は巧かった。このドラマ、「神は乗り越えられる試練しか…」とか「歴史の修正力とは…」とか、小難しい科白ばかり吐いているようだが、実は、言葉にたよらずに伝えようとしているテーマもたくさんあり、むしろ、そっちのほうが大切なのではないかと思う。第8話でも、母親ってすごい、子供を産み育てる責任って重いな、ご先祖様のさまざまな人生の帰結として自分があるんだ…みたいなことを、しみじみ考えさせられた。

 ドラマとしては、畳み込むような緊迫感のあるシーンのあとに、ほっと息の抜けるシーンがあるのもいい。帝王切開手術のあと、布団でだらしなく爆睡している仁先生が微笑ましかった。胸に抱いた赤ちゃんに話しかける咲さんも。龍馬も大胆に寝呆けていたなあ。果たして平蔵もとい、東は、龍馬暗殺犯になるのだろうか?

 来週からは、龍馬暗殺事件が、ドラマの中心主題にせり上がってくる様子。ネットでの評判を読んでいると「歴史が中心になるとつまらない」「よく分からない」という感想がけっこうある。まあ、私も10代の頃は日本史オンチだったので、その気持ちは分かる。なので、このあと『JIN-仁-』の人気が盛り上がるとは期待できないのだが、もう視聴率など気にしないで、どうか今のまま完全燃焼してほしい。

 というのも、第1部が、じりじりと人気を上げた末に、最終話で大不評を買ったことを記憶しているからである。本当は完結編の最終話まで待って感想を書こうと思っていたが、このへんで一度誉めておくことにした。あと3話? 最後まで楽しむことができますように。

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