見もの・読みもの日記

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太陽の塔・内部見学とEXPO’70 パビリオン

2019-12-10 22:40:22 | 行ったもの(美術館・見仏)

 大和三寺巡礼の計画を立てているとき、大阪在住の友人が「今なら太陽の塔の内部が見学できますよ!」と教えてくれた。そういえばそんな話があったと思って調べたら、2003年には33年ぶりに内部が公開されたものの、消防法などの関係で1階部分しか立ち入れなかった。その後、補強工事や「生命の樹」と「地底の太陽」を復元を経て、2018年3月19日から上層部を含めた内部公開が開始されている。ただし見学は完全予約制である。幸い、12月8日(日)の朝に予約があったので申し込んだ。

 当日は、塔の裏側の地下1階の入口に集合。建築基準法に従い、最大16名のグループで入館するシステムになっている。写真撮影は1階でしかできないこと、2階以上に進むときは、ものを落とさないように、パンフレット以外はカバンにしまうことなど、細かい注意が告げられる。

 ドラフトスケッチのパネルなどが飾られた円形の回廊を進むと最初の展示室。みんぱくでおなじみの仮面や木偶・土偶などが飾られている。岡本太郎事務所のスタッフが集めたものだという説明があった。どこか既視感があったのは、昨年、みんぱくの開館40周年記念特別展『太陽の塔からみんぱくへ-70年万博収集資料』で、この空間の紹介があったためだ(ただし資料を蒐集したのはEEM:日本万国博覧会世界民族資料調査収集団という紹介だった)。

 太陽の塔「第四の顔」とも呼ばれる地底の太陽。復元品だそうだ。映像プロジェクションがけっこうエグい。

 そして、グループ全員で次の部屋へ進む。いよいよ塔の中心部。極彩色の「生命の樹」がそびえ、呼吸のようにやわらかく光が明滅する。宇宙を感じるような音楽。

 1階でしばらく自由にすることを許されるが、写真を撮れるのはここまで。あとはカメラをしまって、階段を4階まで上がる。各階(踊り場みたいなスペース)でガイドさんの解説を聞く。生命の樹には33種類の生きものが付属しており、そのうちのいくつかは復元・補修されているそうだ。三葉虫は数を増やしたと言っていた。オーム貝の目が光っているのが怖くてカッコよかった。ゴリラは、敢えて完全に補修せず、頭部の機械が露出したままにしてあった。草食恐竜のプロントザウルスの姿は今でも違和感がないが、肉食恐竜はいなかったような。最後にヒト(クロマニヨン人、ネアンデルタール人)がいたことは記憶していたが、とても小さいことに驚いた。

 私は小学生のとき、大阪万博を見に来て、太陽の塔に入っている。スタッフの方に「むかしはエスカレータでしたよね?」とそっと聞いて「そうです。軽量化のため階段に改修しました」と答えてもらって満足した。でも、地下1階の展示も、それから太陽の塔の片腕が避難階段で、片腕が巡路のエスカレーターで大屋根につながっていたことなど全く覚えていなかった。

 見学が終わると舞台裏のような階段で地下1階へ下りる。この階段の各階にも万博当時の写真を中心としたパネルが展示されていた。なぜか館内スタッフは「研修中」の札を下げた若者が目についた。70年万博を知っている自分が、若いスタッフの説明を聞くのは、ちょっと不思議な感じだった。なお、当時の写真等を見ると「地底の太陽」ゾーンは、もっと仮面や神像の数も多く、さまざまなテーマの展示があったみたい。これから復元する計画はないのか、気になる。

 ついでに、万博記念公園の中にあるEXPO’70 パビリオンにも初めて立ち寄って、常設展示と特別展示『大阪万博ビフォーアフター展~あのパビリオンはいまどこに?~』(2019年11月2日~12月17日)を見てきた。1970年代って、パワフルで面白い時代だったんだなあということを、しみじみ感じた。


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