見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

長浜・総持寺の千手観音立像とギャラリートーク(東京長浜観音堂)

2024-08-21 20:54:36 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京長浜観音堂 『千手観音立像(長浜市宮司町・総持寺)』(2024年8月1日~9月1日)

 令和6年度第2回展示の千手面観音立像を拝見し、8月17日に開催されたギャラリートーク(浅井歴史民俗資料館・秀平文忠氏)を聴いてきた。秀平さんのお話は、2023年11月にもお聴きしたことがあるが、そのときの肩書きは「高月観音の里歴史民俗資料館学芸員」だったので、異動されたのだな、と思った。浅井歴史民俗資料館、行ってみたいけれど、車がないと、かなり難しそうな立地である。

 今回お迎えしている千手観音立像は、平安時代(12世紀)の作と見られ、後世の修理の結果、「泥地古色彩」と呼ばれる黒っぽいお姿をしているが、よく見ると、小さな金箔の残りが散見される。丸顔で柔和なお顔立ちは、平安後期に流行した定朝様式を踏襲しているとのこと。長浜の観音としては、かなり「都ぶり」のお像である。

 医王山 総持寺は長浜市宮司町にある真言宗豊山派の寺院で薬師如来を本尊とし、近江国内の豊山派の触れ頭(ふれがしら)とか中本山とも呼ばれている。我が家は豊山派なので、ご縁があって嬉しい。長浜に多い、地域の集落でお守りされている観音さまとは少し違うようだが、宗旨にこだわらない支援組織を持っているところが似ている、という解説をされていたと思う(曖昧な理解になってしまったので、いつか現地に確認に行きたい)。

 左右の脇手は19本ずつ、持物は全て後補ということだが、精巧に作られていて面白かった。向かって右上側、パセリか春菊みたいな緑の植物が見えると思ったのは楊柳。

左下のトウモロコシみたいな植物は葡萄だった。

 

 ギャラリートークでは、千手観音の様式の変遷(最初に日本にもたらされたのは、神護寺の高雄曼荼羅)や長浜の千手観音の紹介があった。千手院の千手観音(川道観音)は33年ごとに開扉される秘仏だという。拝観したいなあ…。「たかつきのあんこうじ」は、長浜市高月町だと思って聞いていたが、大阪府高槻市の安岡寺(あんこうじ)に平安時代後期の千手観音坐像があるのだな。これも拝観したい。いろいろ気になる情報をいただけて、楽しかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする