見もの・読みもの日記

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2013北海道神宮例祭の三条神楽

2013-06-17 22:58:38 | 北海道生活
6月14日~16日は札幌まつり。本来、北海道神宮の例祭である。神宮では15日に「三条神楽」が奉納されるというので見に行った。

どこで演じられるのか、境内を探したが、それらしい人だかりがない。まさか?と思って、本殿を覗いてみたら、中に舞台があって、折り畳み椅子の観客席もたくさん用意されていた。まだ席は少し空いているようだが、入っていいのか迷う(しかも靴脱ぎ場が無いので、土足で?)。おそるおそる警備員さんに聞いてみたら「どうぞ」というので、中に入って空席に座る。やがて、音楽が始まり、刀を構えた舞人が登場して、こわもての舞を舞う。



一曲終わったあとで、演目のめくり札があることに気付いた。最初の演目は「悪魔祓」。以下「榊」「久奈戸」「先稚児」「羽返」「捧げ」(ここで休憩)「鳥形」「深山錦」「花献」「五穀散」と続いた。神楽と聞いて、私は岩見神楽のような派手で勇壮なものをイメージしていたが、むしろ繊細で雅な女性舞や、田楽みたいにコミカルでのどかなものが多かった。

↓白い扇を返しながら舞う「羽返」。白拍子っぽいなあ。


↓演劇的な構成の「深山錦」。このキツネは、あとで役立つ刀を授けにきた神の使いらしい。


最後の「五穀散」では「東方に向かって粟を撒く」云々、と唱えながら、東西南北と天に向かって五穀を撒き、豊穣を祈願する。そのあと、舞人が舞台を下りてきて、観客に小さな紅白餅を配ってくれる。

↓私もいただきました。すぐ食べても美味かった。


ところで、どうして「三条神楽」なんだろう?と思って調べてみたら、実は新潟県三条市に伝わる伝統芸能(出雲神楽系統)のことだった。『三条神楽 田島諏訪神社』のサイトに、現在伝わる32種の舞が紹介されている。でも「久奈戸の舞」が三人舞だとあるけれど、北海道神宮のは四人舞だったから、少しアレンジされているのかも。

また『北海道デジタル図鑑』の「芸能」のページによれば、三条神楽は1890(明治23)年に伝わったもので、円山開拓の功労者である上田前七が、率先して三条神楽を修得し、村内の青年たちにも習わせて伝承したと記されている。
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