見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

初雪旅行:石峰寺(若冲の墓に初参り)

2009-01-12 23:45:50 | 行ったもの(美術館・見仏)
 年末年始を休養にあてたので、この3連休は遠出をしようと思った。福井県小浜市の若狭歴史民俗資料館で『地域の秘仏』展を開催中と教えてくれた友人がいたので、出かけてみた。そうしたら、雪のため、外は歩けず、列車は遅れ、ほとんど雪景色を見に行ったようなハメに…。

 その話はあとにして、今日は久しぶりに京都の洛南を歩いてきた。洛南といえば、石峰寺を忘れるわけにはいかない。境内には、伊藤若冲が下絵を描いたという五百羅漢の石仏と、若冲の墓所がある。



 若冲の墓所に参るのは3度目。私は「昭和」の年記のある石峰寺のご朱印を持っているくらいなので、若冲ファン歴はかなり長い(自慢!!)。今日も受付にご朱印帖を預けて、本堂の裏山をひとまわり。「五百羅漢」と呼ばれているけれど、涅槃図があったり、出山釈迦図があったり、遊園地のジオラマみたいで楽しい。私とすれちがって若冲墓所に向かった若者グループからは「おお~」「え~」という賑やかな歓声があがっていた。若冲さん、あいかわらず人気ですねえ。

 石峰寺は黄檗宗の禅寺。ご朱印の「高着眼」という禅語(山門に扁額あり)は、昭和の頃と変わっていなかったが、挟んでいただいた半紙を見て、びっくりした。裏山の石仏が版画と手彩色で描かれている。か、かわいい! よく見ると「高着眼」の墨書の下に押された朱印も、この石仏である。これは20年前、いや、前回来た10年ほど前にもなかったもの。



 この石仏、裏山では「托鉢修行」と題されているもの。3、4人ずつ仲良く組になった托鉢僧たちを1枚の石板にあらわし、これを縦に並べて行列をつくる。薄い石板の不安定な傾き方が、体を前後に揺らしながら山を下ってくるように見えて、愛らしい。若冲が、伏見人形を並べて描いた絵を思い出した。


コメント (1)
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