「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

これぞオーディオ!

2020年02月27日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

四国にお住いの「S」さんが取り組まれている「AXIOM80」(以下「A

80」)の鳴らし方についてはなかなかユニークな点が多くて、大いに興味を惹かれた。

独自の工夫に基づく手づくりの匂いがプンプン漂い「これぞオーディオ!」の感がある。

ときどきブログなどでウェスタン系を筆頭に「いかにも」という仰々しいシステムを拝見することがあるが、いくら個人の勝手にしろ家庭で音楽を聴く道具にしては趣味が悪くてウンザリしてしまう。




それでは項目ごとに検証していきながら参考にさせていただこう。

✰ 重さ80kgの箱について

往年のSPメーカー「グッドマン社」(英国)はタンノイを軽く凌駕する技量を持ちながらユニットの製作だけに専念し、箱はつくらなかった。

したがって国内に出回っている「A80」入りの箱は国産の「ヤマハ」や「ヒノ・オーディオ」が作成した「棺桶型」が一般的である。

しかし、はたしてこの箱でいいのかどうかは諸説あるところで、自分はといえば「懐疑派」に属しており、「A80」にふさわしい箱がもっとあるはずだという思いをどうしても捨てきれなかった。

一般論としては「A80」用の箱は薄厚の板を使った方がいいとされている。けっして低音が豊かではないユニットなのでなるべく箱を共振させて低音の響きを増やそうという狙いである。

実際に我が家では「板厚1.5cm」と超薄い板を使って箱を自作しているほどなので、箱の重さはせいぜい10kgぐらいのもんだろう。「S」さん宅の「80Kg」とはまったく真逆の方向だ。

ただ、本格的な低音を望むとなるとやはり箱が重いに越したことはない。となると、ぜひSさん宅の音を実際に聴いて確かめてみたくて居ても立ってもいられないほどだ(笑)。

✰ 「ARU」を使わず「バックロードホーン」方式

「A80」の場合、「ARU」(背圧調整器)を使ってユニットに微妙な背圧をかけて低音を引き出すのが常識とされている。ただ「ARU」を使うと、そこそこの低音になってしまいあえなく限界を露呈してしまうのも事実。

その点、Sさんはバックロードホーン方式を採用ということなので実に興味深い。A80から本格的な低音を出すとしたらこの方式しかない。

これはSさんが提供された「バックロードホーン方式」の側面図。



これは憶測になるがフロントをショートホーンにしているのは高音域をなるべく控えめにして全体のボリュームを上げられるようにするためだとしたら脱帽の至り!

ちなみに「A80」のカタログ仕様を見ると、周知のとおり低音域は「20ヘルツ~」になっているのもけっして伊達ではないかもですね。

✰ マグネット部分を固定してバッフルへのネジ止めをしない

「A80」はとてもデリケートなツクリなので我が家の場合、過去の経験からバッフルへのネジ止め(4か所)は細心の注意を払って極力「締め付け過ぎない」ようにしている。

ユニットの金属フレームにストレスを与えるとサウンドが委縮してしまい伸び伸び感が失われてしまうからだ。ただし、昔JBLのユニットに同じことをやったところ、逆に音が歪んでしまったので、慌ててガッチリ締め付けてやると良くなった経緯がある。

ことほど左様にユニットの種類によっても随分違ってくるのでネジの締め付け強度はケースバイケ-ス。

その点、「S」さん宅では箱の中に台座を設定して、A80のマグネット部分を挟み込んで固定するやり方なのでバッフルへのネジ止めは不要だ。これは理想的な方法だと思う。



システムの「肝」となるこの箇所についてはSさんから後続のメールで、さらに詳しいご説明があった。

「私見ですが ユニットをバッフルにネジ止めするのは 例えば ステージ上のディーバ(オペラの歌姫)の足元をコンクリートで固めて 声のエネルギーを建物に吸わせ 同時に応力も受ける 

能楽の舞台のようによくできたものなら別でしょうが 声帯のエネルギーは骨格と筋肉によって適度に支えられ 舞台と劇場に伝えられるとすれば 適度な重量の台座でユニットを支え 適度な柔らかさでステージ(バッフル、エンクロージャー)に伝えるのも 一理あるかと」

「S」さんの個人情報については今のところ最小限の「住所、氏名」しか伺っていないが、おそらく専門的に工学系の研究をされている方ではなかろうかと勝手に推察している。

我が家でもぜひやってみたいが、まるっきり新しく箱を作り直さないとムリね(笑)。

そして、最後に

✰ 80の低音域に対する考え方

Sさんの本文中にある「axiom80
はちゃんと低音も出してくれているので 出ないと諦めて低域をカットするのは疑問です」には素直に一考させられた。

現在、我が家ではチャンデバを使って「125ヘルツ以下」をあっさりカットしているがあまりに安易すぎるのかもしれない。

もう一度、基本からやり直してみよっかなあ。またまた迷走が始まりそうな予感が・・。

まさに「傾国のスピーカー」の本領発揮ですな(笑)。

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