10月25日土曜日の出来事。
現在、起居を共にしている91歳の母には4人の子供(自分は三男一女の末っ子)がおり、9人の孫がいる。その孫のうちの一人で「日本○○M」に勤務しているT郎君(姉の長男)が東京からの出張を兼ねて久しぶりに母の顔を見に別府に立ち寄ってくれた。
前日の電話による唐突な訪問だったが元気そうな姿を見て一安心。30代半ばの働き盛りで例年なら毎晩残業で目が回るような忙しさだそうだが、今年はアメリカの金融不安に端を発した不況の影響で銀行関連の仕事も減り結構優雅な毎日とのこと。
「給料が減るの?」と訊いてみると「給料は減らないがボーナスは多分ダウン」とのことで、コンピュータ業界に限らずどの業界でもおそらく似たような状況なんだろう。
「どんなことにも”浮き沈みは世の習い”、そのうちにまた景気も持ち直すよ」なんて言ってみても、ほんの月並みで慰めにもならない言葉だが・・・。
さて、T郎君が来たのは自分にとっては絶好のチャンスだった。
それは「音楽データ」の移行・保存を手伝ってもらうこと!
8月に「iPod」を購入して2ヵ月余、パソコンの「iTunes」に溜め込んだ曲目も1000曲あまりとなったが、先日のパソコンの故障以来デジタル機器への不信感は拭えず貴重な情報財産である「音楽データ」や「映像」なんかがパソコンの修繕時に消去されるようなことになれば完全にお手上げの状態になってしまう。
この背景にはパソコンを修繕に出したときに、「ハードディスクの情報が失われても損害賠償請求をしません」と無理矢理(?)誓約書に同意させられたことが大きなトラウマになっている。
そろそろ、別のハードディスクにコピーして保存しておかねばと思っていた矢先だったので、仕事柄コンピュータに詳しいT郎君の出現に「渡りに船」と思わずニンマリ。
一つ返事で快諾を得たので、早速近くの電気店に一緒に行って「外付けハードディスク」を物色。いろんなメーカーがあったが「○ッファローを使ってますが結構いいですよ」とのことで「容量250GB」を購入。
帰宅後、早速「iTunes」の音楽データの移行にとりかかった、といっても自分はT郎君のそばでポカーンと見ているだけ。
以下、パソコン”初心者向けの話”なのであしからず。
いきなり「iTunesのバックアップ」で検索し、外付けハードディスクに「iTunes」のフォルダ自体の丸ごとコピーが一番簡単との記事を引っ張り出した。すぐにそのフォルダが「マイミュージック」にあることを確認。
とにかく作業が早い!T郎君がメモに残してくれた手順は次のとおりだった。
1 PC側の「iTunes」ディレクトリを開く。
スタート → マイミュージックを選択 →「iTunes」フォルダが出現
2 外付けHDD側のディレクトリを開く
スタート → マイコンピュータ → HD-PFU2(F)(外付けHDの名称) → 「iTunes」の新規フォルダを作成 →そのフォルダをクリックし画面を表示
3 データを移動する
1の”マイミュージック”の中の「iTunes」をマウスで2のHDD側の「iTunes」の画面へドラッグ&ドロップ。
何が何だか分からないままに「データの移行」画面が表示され、すぐに移行が始まった。約40GBのデータの移行ともなると短時間ではとても無理で予測時間が当初90分前後かかると表示されたがこの時間は当てにならず増えたり減ったりして目まぐるしく変わっていく。
結局、すべて移行が終わってみると70分ほどかかった計算になった。T郎君には(心細いので)最後まで居てほしかったが時間の都合で中座し、両親の居る福岡へ出発。
この移行作業はT郎君がいないと”とっかかり”が分からずとても出来そうになかったので大いに感謝。しかし、一回やってもらうと自分にも出来そうに思えてきた。
今度は思い切って自分ひとりで「映像データの移行」にチャレンジ。見よう見まねで試行錯誤を繰り返しつつ、時間がかかりながらも結果オーライだったのには感激。
あとは、「iTunes」の更新に合わせて定期的なデータの上書きの方法を教えてもらわねばと翌朝福岡に電話。するとT郎君から「フォルダのコピー形式なので”上書き”といっても同じことですよ」「ふーん、そういうこと。これから更新するたびに1時間以上も覚悟とは、トホホ・・・」。
とにかく貴重なデータがすべて移行できたので一安心。
ところで、この「音楽データの移行」に伴ってふと妙なことを思いついた。
たとえば、自分の「iPod」に手持ちのCD300枚ほどを収納したとすると、CD1枚あたり2000円として単純計算で時価60万円の情報財産に変身する。
この「iPod」をオークションなんかで”曲目・演奏者”明細付きで売りに出せばどうなんだろう?
売り手も買い手も、双方喜んでお互いに万々歳というところだが果たしてどんなものなんだろう?
著作権にまつわる法がらみでいろいろと制約があるんだろうなあ~。それに「音楽の好み」も”人それぞれ”なので無理な商売かもしれない。
それなら、次の手として「iPod」を使っている友人同士でそれぞれの「iTunes」の音楽データを「iPod」に相互にコピーすることも当然ありうる話でお互いのCDライブラリーが完全に共有できることになり、これが一番現実的な話。
これはCDを借りてコピーするといった可愛い気があってささやかな話なんてものではない。一人が複数のiPodを持っていて、これは○○さん用、△△さん用などと区分しておけばまず音楽ソースに困ることはない。「ワディア170iトランスポート」は「iPod」をえり好みせずにすべて受け付けてくれる。
この種の話はもっとうまい方法がありそうで「iTunesの共有」で検索してみると、さらに上級レベルの話として専用のソフトによりうまく共用できるみたいな記事も載っている。
このように極めて身近な話として音楽ソフトは今、大変な過渡期にあり「音楽が無料(タダ)同然になる日」がデジタル技術の進展によって確実に一歩一歩近付いていると思うがどうだろうか。
加えて、個人が秘蔵してきた名盤などがこういう形で晴れて”陽の目”を見ることにも大いに意義があるように思う。
外付けHDD