「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管は適材適所で生き返る

2024年04月07日 | オーディオ談義

先月(3月)中旬のブログ「気になるノイズ → ピンチはチャンス」で採り上げたプリアンプの真空管。



左端の「TUNGSRAM」(ハンガリー)からピーという微かなノイズが出だしたので、真ん中の「フィリップス」(E80CC)に交換してから3週間ほど経つが、高音域の伸びというか透明感が目覚ましく、これほどとはまったく予想だにせず、まさしく「ピンチはチャンス」だった。

で、この交換で蘇ったパワーアンプの内の1台がこれ。



中央に位置する「2A3シングル」アンプ。

低音域の伸びに定評のある出力管「VISSEAUX」(フランス:刻印)を使っているのだが、高音域の透明感にやや不満があって、どうもレギュラーとしては無理かもねえ・・、それがこのほど見事に変身~。

パワー感も含めてバランスの良さではトップクラスへ昇格とうれしい悲鳴・・、
な~んだ原因はプリアンプの真空管だったんだ、これまで罪を被せてきてゴメンねえ~(笑)。

ちなみに、スピーカーは画像右端のグッドマンの「TRIAXIOM」(口径30cm:同軸3ウェイ)である。

となると、俄然真空管マニアの血が騒いできて、このところ日の出の勢いがある「LS7シングル」アンプと比較したくなった。

そこで、ものの2分ほどで結線が済んで鳴らしてみたところ「AXIOM80」のときにはあれほど「天下無双」の勢いだったのに、この「TRIAXIOM」ではなんだか空回りして、浮ついて硬い音になる。

こんはずではないんだけど・・、焦って仕方なく出力管を「LS7」からミュー(μ=増幅率)の違う「3A/109B」(英国STC)に代えたところ見事なサウンドへ変身~(画像左端のアンプ)。

ちなみにμの両者の違いは「LS7=12」、「3A/109B=5」と後者が半分以下となっている。つまり内部抵抗が低い方が好結果だったというわけ~。

もちろん、この「3A/109B」は以前「AXIOM80」にも試してみたが、そのときは元気のない音で冴えなかった・・。

真空管によってスピーカーとの相性がこれほど違うのだから、改めて恐れ入りました!

組織の「人事異動」などでは、常に「適材適所」という言葉が使われるが、真空管でも同様に「適材適所」なんですよねえ(笑)。

で、このことは副次的な「福音(ふくいん)」ももたらした。

というのも、つい先日、オークションに出品されていたのがこれ。



英国マルコーニの真空管「LS7B」(未使用)4本・・、しかも希少なナス管とくれば垂涎の的。

LS7のスペアを鵜の目鷹の目で探していたので、すぐに網に引っかかったが、気になるのが「LS7」と「LS7B」との違い・・。

単に「B」が付いただけだが、たとえば銘管「PX25」と「PX25A」ではまったく別物だからゆめゆめ油断できない。

八方手を尽くして調べたものの「LS7B」のデータがまったく見当たらず、そして刻々と落札期日が迫る・・、「To be or not to be, that is the question」と、まるでハムレットみたいに悩んだが(笑)、この度の「3A/109B」が立派に使えることが分かって、胸のつかえがすっかり取れた。

STCは通信管が大元の球だから耐久性は抜群・・、「ほかの真空管が使いたいんだけど故障しなくて困る」という悲鳴が上がるほどの球ですからスぺアは不要だよねえ(笑)。

で、悠然とこのオークションを見送ったわけだが、注目の落札価格は何と「41500」円なり・・、安っ!

先日の「LS8」のナス管は2本で「10万円」だったのに~。

しまった・・、この額なら落札しても良かったかもなあ~。

「禍福は糾(あざな)える縄の如し」・・(笑)。



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