「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「メーカーの技術屋さんは信頼できるの?」第1部~

2011年12月17日 | オーディオ談義

およそ2週間ほど前(12月1日付)のブログで、「タンノイ・ウェストミンスター」のエンクロージャーにJBLのD130ユニット(口径38cm)を取り付けるという思い切った(?)試みをしたうえで、その試聴結果を登載したところ、奈良県にお住まいのオーディオ仲間Mさんからメールをいただいた。

個人的なメールを公開するのはどうかと思いしばらく迷ったが、これからの「オーディオに対する指針」のひとつとして、読者の皆様にご参考にしていただければと考え直し、ご本人に了解を求めたところ「ご快諾」をいただいたので次のとおり登載させていただいた。

(ちなみに該当するブログのタイトルは「一歩前進、二歩後退」ですが、現在は自主的に「非公開措置」をとっています。わずか1日半だけ公開した、いわば”幻のブログ”です。)

                                   

「オーディオに日夜努力されている〇〇さん(自分のこと)には、非常に言いにくいのですが、今回のブログを拝読して私は次のような感想を抱きました。

メーカー既成のSPシステムをいじってユニットを入れ替えるのはあなたの趣味ですから仕方ありません。

また、あまり器用でないため怖さのあまりメーカー既成のスピーカーシステムを触(さわ)りきれないでいるブログ読者のために、実験して公開してくださるのですから読み応えはあると思います。

しかし、私は日頃から一流メーカーの技術屋さんには一目も二目も措いております。簡単に改造しようとはとても思いません。たしかに中には、ひどいメーカーもありますが、それは時が自然淘汰してくれているように思います


ここで、「一流メーカー」の定義についてちょっと補足しておきますと、名前だけで有名なだけなのか、真に一流なのかという点については世間が名器とし(名曲と同様に)、
自らの感性名器と判断したメーカーの技術屋さんという意味ですから、念のために申し添えておきます

ちょっと話が逸れますが私は『情熱の真空管アンプ』の著者「木村 哲」氏のホームページの文章に心から賛同しています。

結局は、(聴く人間に)「美的感受性」がなければ高額なオーディオ装置を手にして高いから素晴らしい音がする、程度のマニアになってしまうと思います。

長い文章ですので別添資料としますが、趣味の奥深い到達点の本質、根本をついていると思いますのでぜひご覧になって参考にしてください。

(該当箇所は、”私のアンプ設計マニュアル雑学編”「19良い音のアンプやオーディオシステムを実現するには」です。)
 

とにかく、繰り返しになりますが私は明らかにコストダウン目的と考えられるもの以外は改造しないことにしています。(特にスピーカーシステム)

スピーカー・システム
(五味康祐氏は特に一体であることの意味を込めてスピーカー・エンクロージャーと謂ってます)は、
スピーカー+音響設計+木工技術=スピーカー・エンクロージャーと考えております。

(昭和54年発行の”TANNOY”(ステレオサウンド)の五味康祐氏の”わがタンノイオートグラフから"はその意味でたいへん賛同できる文章です。)        

したがって、メーカーが自信を持って世に送り出した製品はもう再来などあり得ないわけです。もし、あるメーカーのスピーカー・システムの音に賛同出来ないのであれば、自作設計し自分の理想とするものを追求すべきでは、と思いますが
。」

いやあ、まったく「ご高説」のとおりで
・・・。

お互いに長い時間をかけて築き上げた(と思う)信頼関係のもとでMさんからこういう直截かつご親切な提言をいただくと、まことに清々しく、ありがたく、いたく感じ入ったことだった。

自分のブログはことさら深い考えもなしに実際に見聞し、体験し、感じたことをありのままに文章に移し替える作業をしているだけだが、中にはこうして個人の「美的感受性」にまで言及したうえで、メーカーの意図をきちんと思いやり、尊重する「ご意見」もあるわけである。

いくら「ブログ」とはいえ、公開する以上は慎重にならねばとつくづく感じたことだった。

それに「高額なオーディオ装置を手にして、”高いから素晴らしい音がする”程度のマニア」とは、これまた実に手厳しい表現。

こういう言葉を聞かされると、音楽的教養のない人間が高級装置の前で自慢げにしているのを見聞すると、その人物まで卑しく見えてくるから不思議だ。

しかし翻って「お前はどうなんだ?」と問われると、「いや、違う。俺は貧乏人だから高級品を持ったことはない」と言いたいところだが、過去に身の丈以上に背伸びした時代があったことはたしかだからあまり偉そうなことは言えない。

まあ、人並み以上に打ち込んだことは事実なので、とりあえず自分は「音楽優先のマニア」だからと言い訳けさせてもらっておこう。

以下、「第2部」へ続く~。


 
 

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