「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

JBLシステムの改変

2015年02月24日 | オーディオ談義

先日(21日)、このところご無沙汰気味だった湯布院のAさんが珍しく我が家にお見えになった。午後はご近所のYさんが来訪されこの日はホスト役として大忙し。

何しろ主人公はお客様なので「我が家の音に満足していただけるんだろうか」と、いささか気になるが「いい音」と「好きな音」は別なので、それぞれ好みが違うすべてのお客さんから高評価をいただくのは到底無理な話だと割り切ることにしている


とは言いながらも、一人で聴くときは音楽鑑賞の方に神経の大半が注がれてしまい音質についてはあまり気にしないのが通常だが、お客さんと一緒に聴くときは音楽よりも音質の方に神経の大半が注がれてしまう。

したがって、いつもは見過ごす我が家の音質のアラがやたらに気になってくるときがあるが、この日がそうだった。

二人のお客さんを迎えて、いろんな曲目を聴いてもらう傍で少々気になったのが低音域の弱点で「もうちょっとローエンドへの伸びが欲しいなあ」。

その辺は「AXIOM80」についてはとうの昔に諦めているのだが、せめてJBLシステムぐらいは大型エンクロージャーに収めていることもあって、もう少し何とかなって欲しい気もする。

お客さんたちがお帰りになった後で恒例のウォ-キングをしていると、ふと閃くものがあった。引き合いに出すのはまことに畏れ多いが、かのベートーヴェンもハイリゲンシュタットの森を散策しながら楽想を得たという(笑)。

「そうか、JBLのD130はもともと音声信号に対するレスポンスを優先したツクリになっており低音は出にくいユニットである。したがってアンプの責任ではなさそうだ。現在のクロス周波数を500ヘルツほどにしているが、いっそのこと200ヘルツほどに下げてやるといいかもしれない。そうするとアンプのパワーを上げてやってもうるさくならないはずだ。」

いっちょう実験してみるか。な~に、悪ければ元に戻せばいいだけの話。何せ時間はたっぷりあるんだから~(笑)。

前述のとおり我が家のシステムを“いじる”ときは決まってお客さんたちがお帰りになった後になるが、この日も16時ごろからゴソゴソとシステムの改変にとりかかった。以下、ちょっとマニアックな話になるが悪しからず。

 低音域のユニットのJBL「D130」のSPコードに挿入しているコイルをムンドルフの「8.2mh」(ミリヘンリー)に交換し、クロス周波数を200ヘルツ(ハイカット)ほどに一気に下げた。こういうこともあろうかと、コイルの交換はワンタッチで出来るようにSPターミナルを片チャンネルに4個接続しているので非常に便利である。

 低音域のクロス周波数を200ヘルツにすると、中音域のJBL2440ドライバーのクロス周波数(ローカット)が600ヘルツほどなのでその間に400ヘルツほどの隙間が出来る。その空白を埋めるために新たにSPユニットを加えることにした。都合よく、以前にテレビの試聴用として準備していた「リチャードアレン」の口径20センチのユニットがあったのでそれを使うことにした。

 当然、これを駆動するアンプが要るので予備役中の「71Aプッシュプル」を使うことにした。プリアンプの出力が3系統あるのでそのうちの1系統とピンコードで接続。SPコードには中音域に被らないように500ヘルツクロス(ハイカット)のコイルを挿し込んだ。この71Aプッシュプル・アンプは出力トランスがメチャ小さくて低音域がサッパリ出ないが、今回の出番ではこれが功を奏してローカット用のコンデンサーを挿入しなくて済むので大助かり。まさに適材適所だと我ながら感心。

作業自体はものの30分もあれば十分だった。これでJBL4ウェイ・マルチチャンネル・システムの出来上がり~。

スピーカーはシンプルなフルレンジが理想なので「4ウェイなんて相互のユニットが干渉しあって碌な音にならない」と、眉をひそめる向きが多いと思うが、実を言うとこれまでの自分がそうだった。成り行きというものはほんとうに恐ろしい(笑)。

まあ、ひとまずこれで聴いてみよう。何ごともチャレンジである。手持ちの材料ですべて済んだのでお金は一銭もかからないのがたまらなくうれしい(笑)。

           

実際に聴いてみるとこれがなかなかいい。

ズシンと腹に響く重量感のある低音といい、全体的な音の密度感といい、期待以上である。まあ性急な判断は禁物なのでいろんなソースを聴いてみてから改めて判断することにした。

結局、システムの概要は次のとおりになったが後日のために記録しておこう。

☆ 低音部( ~200ヘルツ)

プリアンプ1号機 → PX25シングルアンプ → JBL「D130」ユニット(38センチ口径)

☆ 中低音部(~500ヘルツ)

プリアンプ1号機 → 71Aプッシュプル・アンプ → リチャード・アレン「ニューゴールデン8」(20センチ口径)

☆ 中音部(600ヘルツ~7000ヘルツ)

トランス式アッテネーター → 古典管シングル・アンプ2号機 → JBL「2440ドライバー」(ホルン付き)

☆ 高音部(7000ヘルツ~ )

プリアンプ2号機 → 古典管シングル・アンプ1号機 → JBL「075ツィーター」(ステンレスホーン付き)

以上のとおりだが、このブログを登載する時点で早くも三日ほど経ったものの、今のところ聴感上は大満足である。しかし、このせいで「AXIOM80」(復刻版)をウェストミンスター(エンクロージャー)に収納する計画がず~っと遠のいてしまった。

まあ、楽しみは最後の最後までとっておくことにしよう(笑)。


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