「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音は人なり

2012年12月25日 | 独り言

12月23日(日)は霙(みぞれ)交りの冷たい雨が降りしきる厳寒の中、3か月ぶりに市内のYさん宅を訪問させてもらった。Yさんとそのお友達のUさんは同じ別府市内の方々だがわずか3か月ほど前にこのブログがきっかけで知り合ったばかり。

オーディオが取り持つ縁で、こうして見ず知らずの人間同士が知り合いになって行き来できるなんて実にありがたいことである。

とはいえ、まだお付き合いの日も浅いので観察期間中といえば身も蓋もないが、お互いに「どういうタイプの人なのかなあ」といえる段階だろう。

ただし、オーディオ好きは言葉を交わすよりも音をたびたび聴かせていただいたほうがおよそ性格なり”人となり”は分かるものである。「音は人なり」。言葉よりも音の方が以心伝心になるのがこの世界の面白いところ。

Yさん宅の音は二度目の試聴となるが、一度聴いたくらいではよく分からないし、さらに我が家のシステムの問題点を客観的に把握するためには、他所様の試聴が欠かせないのも訪問した理由の一つ。

クルマで10分ほどの距離なのでほんとうに助かる。Yさん宅のシステムはスピーカーがスパーウーファーを含めてオールフォステクス、CDプレーヤー、デジタルプリアンプ、パワーアンプ(片チャンネル1台)はすべてアキュフェーズの高級品。

           

我が家では真空管アンプを多用しているので、その違いにも大いに興味がわく。

その試聴の結果だが、低音域から高音域まですべての帯域に亘ってエネルギーが充満していて、我が家のッステムは高域を抑え気味にしているのでその分、鮮烈な印象を受けた。

一言でいうと、とても華やかな音である。Yさんはきっとこれまで恵まれた屈託のない人生を送られてきたことだろうと推察した。
我が家のシステムの一ひねりも二ひねりもした翳りのある音とは随分違う。実際にフルートを演奏される方なので「生の楽器の音」を追及していくと、こういう音になるのだろうと納得できた。

Yさんとモーツァルト談義をしていたところデヴェルティメント(K・136)に話が及び、貴重な映像で観せてもらった。スルスルと大きなスクリーンが目前に降りてきて、後方の映写機は三菱の製品だそうだが、画質や解像力の良さに驚いてしまった。我が家の液晶テレビ(45インチ)の寿命が尽きたら、即買い!

またK・136の演奏もなかなか良かった。水戸室内管弦楽団で、小澤征爾が顧問、指揮をしているそうだがこの演奏については指揮者不在だった。自分がしょっちゅう耳にしているコープマン指揮のCDと比べてまったく遜色のない演奏でそのレベルの高さには驚いた。

視覚と聴覚を存分に楽しませてもらった一日だったが、Yさん宅を辞去しながら「今度はUさん宅のパラゴンをお聴きしたいですね」と申し上げたところ、さっそく、YさんがUさんと連絡をとってくれて翌日の24日(月)の午前中に試聴会が実現の運びとなった。実にありがたい。

           

我が家から車で15分ほどのUさん宅のシステムはJBLのパラゴンとアルテックのA7である。

           

アンプの方はマッキンを愛用されていてC-220のプリと275のパワーアンプ。周知のとおりいずれも真空管式。A7の方はマッキンのトランジスターのプリとラックスのMQ60のパワー(真空管)。音の入り口はレコードプレイヤーが主体でCDプレイヤーはこれまたマッキン。

ステレオサウンド誌で「ネス湖の怪物みたいなアンプ」と称されたマッキンの275を本格的に聴くのは初めてだったが、バランスのいい豊かな鳴りっぷりには本当に驚いた。スケール感も十分でどこといって不満が出てこない音である。Uさんは根っからのジャズファンなのだが、この音ならクラシックでも十分いけそうである。

ちなみに、275は真空管KT88のプッシュプルなので4本の特性がそろっていないとおかしなことになるが、スペアとしてマッキン保証付きの特性をそろえた4本の真空管を別途準備されておられ、お値段を伺うと「15万円」。275はお金もかかりそう(笑)。

それにしてもパラゴンをここまで手なずけて鳴らされるとは、相当の年期が必要だろうと思ったが、お伺いしてみると40年近く愛用されているとのことで、その集大成がこの音なのだと納得。

続いて、アルテックのA7を聴かせていただいたが、これまた豊潤な音。A7は有名なSPなので他所様のお宅でもたびたび聴かせてもらっているが、これ程の鳴りっぷりは初めてだった。

「音は人なり」から推し量ると、Uさんはバランスのとれた円満な人格を持った方なのだろう。

こうしてお二方の音を次々に聴かせていただいたところ、お蔭で我が家のシステムのいいところと悪いところが浮かび上がってきた。

長所をもっと伸ばす方向がいいのか、それとも欠点を是正する方向がいいのか、さ~て、ここは思案のしどころだが。

おっと、一番大切なことを忘れていた。出来るだけお金がかからないようにしなければ(笑)。

 


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