このところ、CDやDVDを購入するのはHMV(ネット)からと決めているが、つい先日、顧客にあてた個別メールが入ってきた。
「○月○○日午前○時までに輸入盤CD3点を購入すると25%オフ」との魅力的(?)な見出し。
こういう割引セールにはことのほか弱くてダボハゼのようにすぐ飛びついてしまう。
今のところ特別お目当ての盤はないのだが、この際だから何か仕入れてみようとすぐにHMVのホームページを開いて、まずはモーツァルトのピアノ・ソナタからチェック。
そこで早速、クラウデイオ・アラウが弾くピアノ・ソナタ全集を発見。以前、あれほど探し回っても見つからなかったのに、輸入盤としていつの間にかちゃっかり追加されたものとみえる。実に幸先のいい滑り出し。
とりあえず、カートには直接入れず「ウィシュリスト」に保管して3点ためてからまとめて「カート」に入れることにした。
これに勢いを得て珍盤が発見できるかもと次にモーツァルトのオペラ部門に移動してくまなくチェック。
そしたらまず、信じられない低価格のセットを発見。
☆「コシ・ファン・トゥッテ」 カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー
☆「フィガロの結婚」 エーリッヒ・クライバー指揮 ウィーン・フィルハーモニー
☆「ドン・ジョバンニ」 ヨーゼフ・クリップス指揮 ウィーンフィルハーモニー
☆「魔笛」 フィレンツ・フリッチャイ指揮 ベルリンRIAS交響楽団
以上の4大オペラ(10枚セット)が収録された価格が何と1804円!
これ、皆さん信じられますか?
輸入盤はとにかく安い。フリッチャイ指揮の「魔笛」とクリップス指揮の「ドン・ジョバンニ」はすでに手持ちだが、お目当ては何といってもクライバー指揮の「フィガロの結婚」。
ベーム指揮の「フィガロ・・」を持っているが、このクライバー盤はあのシエピがフィガロ役なので聴き逃がせないところ。
それに、この「フィガロ・・」は評論家たちがダントツの1位として推薦している名盤だったことが注文した後でわかった。クリップス指揮の「ドン・・・」もほぼ同様。
それにベーム指揮の「コシ・・・」も楽しみ。このセットも「ウィシュリスト」にためて3点まであと1点。
※フリッチャイは大変優れた指揮者だと思うがこの「魔笛」に限っては、深読みしすぎて全編に亘ってお通夜みたいな印象であまり感心できない。
そして最後にようやく大魚を射止めた。
モーツァルトの究極のオペラともいうべき「魔笛」の44セット目の新盤をついに発見。
オペラ「魔笛」の主役として全体の浮沈のカギを握るタミーノ役(テノール)については43セットの魔笛を試聴した結果、最高のA+評価として次の4名を挙げておいた。(あくまでも私見。2007.4.14付け魔笛視聴コーナー~CDの部まとめ2~)
☆ ヘルゲ・ロスヴェンゲ(ビーチャム盤、トスカニーニ盤ただしライブ)
☆ アントン・デルモータ(カラヤン盤1950年)
☆ フリッツ・ヴンダーリヒ(ベーム盤1964年)
☆ ペーター・シュライアー(サバリッシュ盤、スイトナー盤、デービス盤)
いずれも甲乙つけがたしの名歌手ぞろいだが、ビロードのような艶のある美声の持ち主ヴンダーリヒは4名の中でも独特の不思議な光芒を放っている。
惜しいことに若くしての不慮の事故(深夜、階段から転落死)のため録音が少なく発売されたCDはこれまで1964年のベーム盤だけなので残念極まりない思いがしていたのだが、そのヴンダーリヒが出演した魔笛のライブ盤がヨーロッパで2003年に発売されていたのだ!
指揮者と主な配役は次のとおり。
指揮者 ヨーゼフ・カイルベルト
タミーノ フリッツ・ヴンダーリヒ
パパゲーノ ワルター・ベリー
ザラストロ ゴットフリート・フリック
1960年ザルツブルグ音楽祭のライブとある。「ヴンダーリヒのタミーノ役がまた聴ける、それもライブで」こんなうれしい情報はそうそうお目にかかれない。
急いで、「ウィシュリスト」に入れて3点まとめて「カート」に入れたのはいうまでもない。
すぐにHMVからメールが入りこの「魔笛」は在庫中(1セット)だったのですぐに発送可能だが、残る2つのCDは取り寄せでまとめて1週間~2週間後に配送とのこと。
いずれにしてもこの「割引セール」のメールのおかげで貴重な盤が手に入ることになり感謝感謝。
まさにネットさまさまの時代だが、その反動で地方の独立店舗のCD店が次々に姿を消している現状には少しばかり淋しい気もする。
しかし、ネット(HMV)ではまとめ買いすれば割引があるし送料不要、しかも珍しい輸入盤が一望のごとく見られて欲しい盤がすぐに発見できるので、そのメリットは計り知れず自然淘汰は仕方がないところだろう。
(6月29日になって注文した盤が到着)
アラウ・ピアノ・ソナタ全集 四大オペラ(10枚) 魔 笛