赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

中谷詩子さん新刊『氷室のなぞと秘密基地』

2020-07-16 06:25:37 | その他

7月になり、新刊が次々発表されています。自粛期間にでなかった本がどっと出ているから。

本屋に新しい本がならんでいるのと見て、やっぱりこうじゃなくちゃ!と思います。

さて、中谷詩子さんが新刊をだされました。

おいしいがき氷を食べたいのに、駄菓子屋さん、花さんの「天平かき氷」はお休み。

冷蔵庫がこわれてしまったというのです。花さんのところのかき氷がおいしいのは、天然の氷をつかっているからだそうだ。

その天然の氷から、昔、大和には「氷室」というものがあって、貴重な氷を保存しておいたのだとか。

春間と哲平は、氷室の跡を見つけて、思いもよらぬ光景を目にすることになりました。

そこから、夏休みの冒険が始まって・・・・・・。

奈良に住んでいらっしゃる中谷さん、歴史上の氷室のことを調べ上げ、それをよーくかみくだいて、子どもたちが楽しめる物語にいれこんでくれました。

等身大の四年生の冒険をよみながら、歴史の一幕が垣間見られるのがこのお話しのとてもおもしろいところです。

天然の氷のほうが、冷蔵庫でかためた氷りより、かき氷にしたときおいしいわけもわかりました。

関東のほうでも、日光とかに行くと、天然氷のかき氷という旗がまっていました。

読んだら、かき氷が食べたくなりました。でも、この頃、お店のかき氷、大きくて食べきれないのですよね。

一口なら、食べられるのですが。

わたしも奈良に短い間ですが住んでいたことがあるので、地元の人が歴史ある地を誇りに思っているのがよくわかります。

そんな地元愛も伝わってきます。つまり奈良在住だから書けた話ですよね。

きっと、長いことあたためたテーマだったのでしょうね。

わたしも地元をテーマになにか書きたいなと思いました。

 

 

 

 

 


高田由紀子 新刊『スイマー』

2020-07-13 08:20:13 | その他

夏にふさましい、力強いスポーツ小説が出版された。

スイミングにかける少年たちの物語。こう書くとよくあるパターンかと思うが、ちがうところは、主人公航が、東京から佐渡島に転校するところだ。

この航のオレ様キャラがよく書けている。東京で育ったって感じの頭のいい、頭で考えてしまう、がんばりやの少年。ただ、がんばる人は、がんばらない人を低くみてしまったり、気持ちがわからなかったりと、溝ができる場合がある。オレは、オレはといってしまったりもする。そのあたり、うまく書かれている。

また、最近のスポーツ小説だと、大人のコーチの活躍になりやすい。コーチの人柄によって、向く方向が変わったりと。

でも、この作品の舞台は佐渡島。腰が痛くなってしょっちゅう休むおじいちゃんコーチ。

こういう設定だから、練習メニューも子どもたちが考えるという方向が自然に描けて、そこが児童文学としてとてもいい。佐渡島という舞台設定が成功している。

でも、なによりうまいのは、水にはいった時の感覚、泳ぎ方の表現など、水泳そのものの描写がきれい。タイムも書かれていて、水泳をずいぶんと調べられたんだと思う。

水泳で、スポーツで何が大事か、作者は、考え、考えながら書いています。

『一人で勝つのは、すごい。でも、みんなで勝つのは、強いぞ』

すごい と 強いの 違いが気になったら、ぜひ、読んでみてください。

昨日は、お盆で、家族、親戚でおじいちゃんのお墓参りをして、集まりました。いつもは外で食べていましたが、昨日はお弁当をとって家で集まりました。


西沢さん新刊詩集『なんじゃらもんじゃら ともだち』

2020-07-10 07:04:39 | その他

西沢杏子さんが新刊の詩集をだされました。

これがとてもすてきです。

西沢さんには、わたしにない、ゆったりとなめらかな感性をもっています。また、人間の深いところにある悲しみも見つけています。

明るいタッチの詩集ですが、西沢さんならではのものの見方が、ああ、そうだなって、これでいいんだなって深呼吸させてくれます。

とくに好きなのは、最後のあたりにある「~~ぼうしをかぶったら」のところ。

麦わらぼうしを かぶったら

野球のぼうしを かぶったら

山のぼうしを かぶったら

夏のぼうしを ぬいだらね

ファンタジーがあって、遊びごころがあって、子どもだちに読ませたいきれいな言葉。

うーん。いいな。

この詩集のことは、元理事長の内田麟太朗さんもブログで書いているんですよ。

西沢さん、まだまだまとめたい詩があるって、その前向きさにも脱帽です。

 

昨日はひざびさ仲間とWEB合評会をしたのですが、これがさんざんでした。私がダメだっただけですが。

どうも、別のアカウントで入ったら、うまくつながらず・・・

話したくても、ミュートがはずれなくなったのですね。声は聞こえるのですが。

なんていうか、同じ会議にふたつのパソコンから入ろうとしたということで、ブロックされたような。

いや、これは推測で、マイクが悪いのかもしれません。

WEBで合評はできますが、なんていうか雑談がうまくまわらないのがちょっとさびしいところですね。

 


ZOOM ギャラリートーク

2020-07-06 08:57:15 | その他

七月四日土曜日 ZOOMをつかった テレワークのギャラリートークに参加しました。

主催は柏の児童書書店 ハックルベリーブックス

宮沢賢治『おきなぐさ』の絵をかかれた陣崎草子さんのギャラリートークです。

ギャラリートーク、まず、絵本の朗読から始まりました。

ついで、陣崎さんの八王子のアトリエまで、猫が編集者をつれてきてくれたエピソード。

それから、絵本のことへ

おきなぐさというのは、絶滅危惧種の花だそうで、まず、その本物を見るのが大変だったとか。

陣崎さんは、岩手に行き、賢治が実際見ただろう景色をさぐりながら、おきなぐさと出会います。

賢治がいたころのほうが、木が少なかったというのには、へえーって思いました。木を燃料にしていたからだそうです。

訪れた岩手で、地元の人と話しながら、賢治が見た景色をさがしていくところなど、この絵にたいして、真摯にむきあっていからたことがよくわかりました。とても興味深くひきこまれました。

表紙のピンク色が目をひきます。ギャラリートークでは中の絵も見せてもらえたのですが、自然を描くタッチが力強く、色がみずみずしくて、せまったくるような迫力を感じました。テレワークで、声だけでなく、絵もみれたのは、よかったです。

コロナ禍で、出かけられない今ですが、テレワーク会議システムをつかえば、今までできなかった人ともつながれるのですね。

これは以外にいいことです。

遠くにいて講演によべなかった作家さんの話も聞けるチャンスでもあるんですよね。いろいろ考えてみたいと思いました。

 

ZOOMは、途中、電波のみだれがありましたが、そういうのも慣れてくれば、こういうものなんだなって思えるのでしょう。

まずは使って慣れることが大事なのかな。

ただ、ずっと画面をながめているのは、ちょっとつかれます。途中から自分の顔は消して、陣崎さんの顔だけみて、聞いていました。

ハックルベリーブックスでは、これからもZOOMギャラリートークをされるそうです。次は長野ヒデ子さんだそうですよ!

さて、最後に自分の宣伝も

二月に刊行した『きみが、この本、読んだなら』さ・え・ら書房、重版が決まりました!

ざわめく教室編 ときめく放課後編 同時です。コロナ禍の中、がんばってくれてます。

こちらも、自分で書きながらですが、ほんとおすすめしたいです。よろしく!

 

 


『つなげ! アヒルのバトン』麦野圭

2020-07-05 06:27:48 | その他

熊本の災害、胸が痛みます。大雨、洪水の連鎖、どうにかならないかと思います。

さて、麦野圭さんの新刊がでました!

スカイブルーというのでしょうか、表紙の色がとてもきれいです。

運動会の一輪車レースにのぞむ航平と仲間たちの物語。

阿比留という名前のちょっとふしぎな雰囲気の先生の存在がおもしろい。

等身大の六年生が描いてあって、一輪車で走る躍動感がかんじられて、すいすいと読めます。

読んだ後、自分もなにかにチャレンジしてみようって思える作品です。

学校の行事ものといえば、児童文学では定番ですが、そこにどんな味つけをするかが作品の魅力であり、作者の腕のみせどころ。

この作品では、一步ひいたところで見守っている阿比留先生のスタンスがとてもいいですね。熱血先生ではけっしてないのですが、あたたかい。一輪車をかしてくれる場面なんか、プッとふきだしてしまいました。

麦野圭さんは、この作品で児文協のがっぴょう研(創作合評研究会)に参加して、アドバイスをうけたそうです。

そこから書き直しされたのが、形になったとか。

次はどんな作品を書いてくださるのか、楽しみです。

 

今日は選挙ですが、期日前投票をすませました。会場が近かったから、今日いくより楽なんです。

紫陽花の季節もそろそろ終わり。今年の夏は酷暑だとか。

コロナと暑さのダブルパンチ、いやだなー。