夏にふさましい、力強いスポーツ小説が出版された。
スイミングにかける少年たちの物語。こう書くとよくあるパターンかと思うが、ちがうところは、主人公航が、東京から佐渡島に転校するところだ。
この航のオレ様キャラがよく書けている。東京で育ったって感じの頭のいい、頭で考えてしまう、がんばりやの少年。ただ、がんばる人は、がんばらない人を低くみてしまったり、気持ちがわからなかったりと、溝ができる場合がある。オレは、オレはといってしまったりもする。そのあたり、うまく書かれている。
また、最近のスポーツ小説だと、大人のコーチの活躍になりやすい。コーチの人柄によって、向く方向が変わったりと。
でも、この作品の舞台は佐渡島。腰が痛くなってしょっちゅう休むおじいちゃんコーチ。
こういう設定だから、練習メニューも子どもたちが考えるという方向が自然に描けて、そこが児童文学としてとてもいい。佐渡島という舞台設定が成功している。
でも、なによりうまいのは、水にはいった時の感覚、泳ぎ方の表現など、水泳そのものの描写がきれい。タイムも書かれていて、水泳をずいぶんと調べられたんだと思う。
水泳で、スポーツで何が大事か、作者は、考え、考えながら書いています。
『一人で勝つのは、すごい。でも、みんなで勝つのは、強いぞ』
すごい と 強いの 違いが気になったら、ぜひ、読んでみてください。
昨日は、お盆で、家族、親戚でおじいちゃんのお墓参りをして、集まりました。いつもは外で食べていましたが、昨日はお弁当をとって家で集まりました。