赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

新刊『ビター・ステップ』『どこどこ山はどこにある』

2018-09-27 08:09:31 | その他
今朝は冷え込んでいます。肉まんが食べたくなる季節(^o^)

児童文学同人誌・季節風は、児童文学を書く人がたくさん集まっています。たくさんの人気作家が育っています。
どの人もほんと、熱意があり、今、燃えている同人が多く、たくさん出版もされています。
そんな季節風から、またまた新刊がでました。

『ビター・ステップ』は家族の問題に真っ正面から切り込んだ意欲作。『風のシネマ』を書かれた高田由紀子さんの今年二作目です。

とてもさわやかな表紙。だけど内容はかなりシビアでリアル。でも、子どもの視点に徹しているので、重たくなく読めます。

病気で人柄が変わってしまったおばあちゃんと同居になり、とまどうあかり。やさしいだけに、あかりはいろんなことを考えます。これはこの本だけでなく、高齢化がすすむ日本のどこにもある問題。そうだそうだとうなずき、うーんと考えたりして読みました。

離れてくらしたいた家族と、またいっしょに暮らすことになると、いろんな軋轢があるでしょう。それも隠さず書いていて、作家として覚悟をもって書かれたことが伝わってきました。鬼ババ、リアルです。人前ではおしとやかになったり、とつぜん、長々と昔の自慢話をしたり。実家の母とどこが似ていて、うんうん、こういうことあるなって思いました。
でも、そういっていて、わたしも行く道なんですよね。そこが淋しいところです。

最後はさわやかな気持ちになれます。意欲作。手にとってください。

『どこどこ山はどこにある』は、不思議なメルヘンのような作品。『オオカミのお札』で児童文芸協会賞をとられたおおぎやなぎさんの作品。
ひいばあちゃんとのつながりを、ふんわり書いています。ひいばあちゃんはきっと認知症なんでしょうね。それをそういう言葉をつかわずにその人の世界をあらわそうとしています。なんか、おおぎやなぎさんぽいって思うところがあちこちにあって、ほんわか読めるお話です。

これはおおぎやなぎさんにしか書けない世界だなっと思いました。背景のずっと遠くに岩手の山々がすけて見えるような気持ちになりました。

どちらも家族の問題を描いていて、それがまったく違うタッチ。くらべて読んでみるのもおもしろいです。
それにしても、日本の児童文学では家族問題を扱ったものが多いなっと思いました。今、これが求められているのでしょうね。


プランターに、アゲハチョウが、きていました。すずしいけど、よろよろ飛んでいて、生まれたばかりの蝶のようでした。