赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『ぼくたちのP(パラダイス)』にしがきようこ

2018-07-17 14:35:13 | その他
連休は大変でした。とつぜん、スマホがこわれ、それを買い換えるのに、なぜか三時間もかかり、量販店のクーラーにあたりすぎて冷え切ってしまい、肩こり。なのに、まだ設定を自分でできてなくて、使えない状態なのです。

あーあー。スマホひとつにふりまわされ、頭 痛くなりそう・・・・・・。おまけに暑いし。

さて、にしがきようこさんが新刊を送ってくれました。

タイトル、『ぼくたちのP』なのか、『ぼくたちのパラダイス』なのか、どっちも正解みたいで、どう紹介しようかまよいました。

小学館文学賞受賞のにしがきようこさん。今回、受賞第一作目です。

雄太は学校ではさえない中学二年生。それがおじさんに誘われ、夏休みに山へ。
ここまではよくあるパターン。一夏の経験がいじけっこをたくましくするってやつか、って思いました。
しかし、単なる、夏休みがんばる成長パターンでは終わっていません。

山に登ってからが読ませます。

でてくる人、みんないい人なんです。それでも個性的。
この書き方、結構、むずかしいのですが、しっかり書き分けられています。

山の描きかたもいいです。目の前に地塘や雪渓がうかんでくるようです。また、カミナリの空をわるような音も聞こえてきそうです。

一足、百年といわれている、とか、下からいろんな理屈を背負って登ってきてこの景色を見るだろ?(中略)、下の理屈なんか、どっかに吹き飛んじゃう。そして、おの景色をだれかに見てほしいと思う素直な気持ちになった自分がいる、とか、へえーそうなんだって、感心する言葉が随所にでてきます。

素直で骨太のストーリー、愛すべき主人公、なんか自分も山にいって、心が洗われたような気分になる、読み応えある佳品です。

山にいくと、性格がかわるとよくいわれます。わたしも変わるのでしょうか? にしがきようこさんは変わったのでしょうか。
今度、会う機会があったら、聞いてみたいです。