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「シルクロード」の興亡

2023-09-22 07:03:27 | 日記

早いもので、史上最大の闇市場「シルクロード」が閉鎖されてから10年が経とうとしている。

サイバー空間における闇市場「シルクロード」は、違法な薬物、銃、ハッキングツール、盗まれたアカウントやクレジットカード情報など、あらゆる違法なモノを身元が特定されないで売買できる闇市場であった。

発信元を匿名化できる「Tor(トーア)」と暗号資産のビットコインを使い、違法売買の追跡を逃れるシステムであった。

捜査当局は、「シルクロード」の管理人である「DPR」(ドレッド・パイレート・ロバーツ:恐怖の海賊ロバーツ)を追跡していたが、強固な暗号システムの壁に拒まれていた。

 それでもFBIの「第2サイバー特捜班」は粘り強い捜査を行っていた。
そして、DPRのささいなミスを発見し、ついに人物を特定した。

逮捕が10年前の2013年10月1日午後3時14分。サンフランシスコ公共図書館にてシルクロードにログインしていた人物「ロス・ウルブリヒト」を逮捕。29歳のどこにでもいる青年であった。

このドキュメンタリーが、wired.jpに公表されている。
The rise and fall of silk road(シルクロードの興亡)
日本語訳なので私たちでも読める。
 ⇒ こちら ⇒ (夢の跡をクリック)

彼は闇市場の「シルクロード」で8,000万ドル(当時は80億円ほど)も荒稼ぎしていた。

少し抜粋を紹介
夢の跡
 2013年10月1日午前6時、サンフランシスコ国際空港のそばのマリオットホテルのダイニングルームには、・・・ターベルとイェギアヤン、キアナン以外にはほとんど誰もいなかった。
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 午後3時14分 サンフランシスコ公共図書館にて。
ロスの席の真後ろで「死ね!」と叫んだ。もめているカップルがいまにも本気で喧嘩を始めるかのように、男は女の襟元をつかんで拳を振り上げる。ロスは一瞬、パソコンから目を離して振り向いた。
 その瞬間、テーブルの向こう側から伸びてきた誰かの手が彼のノートパソコンをつかんだ。
 シルクロードに管理者としてログインしたままのノートパソコンを手に入れた瞬間だった。
 ケンカした男女のカップルも捜査官であった。まるで映画のワンシーンを観ているような出来事であった。
 同時に、アイスランド 国の協力のもと、同国のデータセンターにあるSilk Roadサーバーを差し押さえ、通信を遮断。
 フランスでは、サーバー内にデジタル地雷爆弾が見つかっていた。自己破壊されるようプログラムされていたがこれも回避された。
 そして、Silk Roadのトップページにはこう表示されるようになった。「この闇サイトは、米連邦捜査局によって差し押さえられた」
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サイバー空間に国境はない。
シルクロードのサーバーは各国に分散していた。
その意味でも一国では解決できず、国際協力しかない。

DPRは、複数であったといわれる。
数名が逮捕・起訴されている。
さらに捜査に加わった複数の捜査官もシルクロードの「闇」の世界に引き込まれ、犯罪に手をそめてしまった。

サイバー空間の「ダークサイト」といわれる Tor も進化し続けている。VPNなど暗号通信は当たり前になった。
その後、「シルクロード2.0」が現れた。
違法なモノを売買する「ブラックマーケット」は、さらに広く分散していると言われている。

日本で起きている「闇バイト」による強盗・傷害事件もネットが使われ多発している。首謀者はネットの「闇」に隠れている。

まさにインターネットの「闇」は深い。
人間世界の「闇」を拡大している。

なんでも「デジタル」では、人の顔が見えない。
「デジタル」は、進歩であり、金になるとばかりに「デジタル信奉者」が増えている。特に政治家。

岸田政権、自公政治に監視の目を強めなければ。

追 記
「インビジブル」という映画がある。
透明人間になると人間の悪の欲望が肥大化していくというストーリーであったと思う。
サイバー空間における「匿名性」は、さまざまな犯罪の温床になる。
しかし、独裁国家、人権弾圧の国における反政府勢力、人権擁護団体の通信手段でもある。

やはりサイバー空間は人間社会の反映そのものだ。
違いは国境がないことだ。
現状は、プライバシー保護も、透明性・公開性も、規制も、「発展途上」ということではないか。
政治、社会の努力が強く求められている。