社会はかわるし、かえられる!

格差社会の縮小めざして、誰もが安心できる社会をめざして!
 

居場所がない人たち

2018-12-20 07:05:02 | 日記

札幌からの帰りのJRで読んだ本。

大月書店 1500円

山本譲司氏は元国会議員(民主党)で秘書
給与の詐欺罪で逮捕され服役した異色の経
歴を持った人。

刑務所に入ったら、知的障害者が多かった
ことに驚き、その後の人生が大きく変わっ
た。退所後「獄窓記」(ポプラ社)を書き、
賞を受けた。

読んでいて、一番気にかかったことは、
ある裁判官が言っていた。
「契約になって福祉が冷たくなった」
(98ページ)
介護保険制度の導入でいっきにすすんだ
「契約」。「措置」は冷たいし、自由が
ないとさんざん喧伝されていた。
障害福祉も「契約」にされてしまい、介
護保険制度へ統合の流れを強めた。

しかし障害者団体の反対で挫折している。
   「和解書」(206㎅) はこちら ⇒

当時、経済界は「新自由主義」が席捲し
ていた。措置には自由がないと。
結果は「逆」であったのではないか。

また発想の転換ともいうべき言葉。
刑務所の高い塀は僕たちの安全ではない。
本来は助けが必要なのに、冷たい社会の
なかで生きづらさをかかえた人、そんな
人たちを受け入れ、守ってやっていたん
だ。
この本の帯のキャッチコピーとなってい
る。

しかし、こんな悲しいことはない。
共生社会、包摂・・・
ますます現実がかけ離れていっている気
がしているのは私だけではないだろう。