札幌からの帰りのJRで読んだ本。
大月書店 1500円
山本譲司氏は元国会議員(民主党)で秘書
給与の詐欺罪で逮捕され服役した異色の経
歴を持った人。
刑務所に入ったら、知的障害者が多かった
ことに驚き、その後の人生が大きく変わっ
た。退所後「獄窓記」(ポプラ社)を書き、
賞を受けた。
読んでいて、一番気にかかったことは、
ある裁判官が言っていた。
「契約になって福祉が冷たくなった」
(98ページ)
介護保険制度の導入でいっきにすすんだ
「契約」。「措置」は冷たいし、自由が
ないとさんざん喧伝されていた。
障害福祉も「契約」にされてしまい、介
護保険制度へ統合の流れを強めた。
しかし障害者団体の反対で挫折している。
「和解書」(206㎅) はこちら ⇒
当時、経済界は「新自由主義」が席捲し
ていた。措置には自由がないと。
結果は「逆」であったのではないか。
また発想の転換ともいうべき言葉。
刑務所の高い塀は僕たちの安全ではない。
本来は助けが必要なのに、冷たい社会の
なかで生きづらさをかかえた人、そんな
人たちを受け入れ、守ってやっていたん
だ。
この本の帯のキャッチコピーとなってい
る。
しかし、こんな悲しいことはない。
共生社会、包摂・・・
ますます現実がかけ離れていっている気
がしているのは私だけではないだろう。