Episode3 老後の釣り2
同じテトラでは夜にはアオリイカ釣りも一時流行した。エサのアジを付けて烏賊が掛かればヤエンで取り込む面白くてスリルのある釣りである。自分も成績は悪くイカを掛けてもヤエンで取り込めるのは半分もなかったように思う。そのために色々と工夫もしたがあまり釣果は上がっていない。この釣りは一時地元でもかなり流行ったがいつのまにかその釣りはすたれた。理由は二つある。一つはエギングによる釣りが主流になってきたこと、もう一つはヤエンのエサであるコアジが居ついてしまったサメに喰われて仕掛けを無茶苦茶にされることである。
しかし地元の釣友がそのテトラで80cm以上のヒラメをそのヤエン仕掛けで取り込んでいる。
Episode4 老後の釣り3
テトラでの釣りだけでなく釣具店で聞いたポイントは川の向こう岸にあった。車で近くまで行き停車して、坂道を下り、小さい山を登り、ロープを伝って下り、岩場を歩き、ゴロゴロする石を進んでまたロープを伝って岩場を登り、そして下り、そんな厄介な釣り場は定員1名の釣り場であった。水深はせいぜい2mくらいである。撒き餌を入れると何も見えないかボラが寄ってくるくらいである。ところが夕方の3時を回るとほぼグレが回って来るのである。そしてそのほとんどが良型である。浅い上にゴロ岩だらけなので思い切り勝負にでなければならないが大体期待を裏切らなかった。
ところがその日は全く魚の反応がなく町のチャイムがなる五時になったその時初めてアタリがあった。軽くあわせるとすごい引きでこれは仕掛けが持たないと思ったが、兎に角よたよたと岩伝いに這いまわりどうにか釣り上げたのが69.5cmのコショウダイであった。大釣連におけるこの魚の記録は66.8cmで自分自身が2003年(63歳)に前記のテトラで釣っていたものである。その記録を約12年後(75歳)自分で自身の記録を更新した。その時は既に大釣連を辞めていたから皮肉である。ただこの魚は大変美味であった。