草はいくらでも生えてくるが、そのまま人が食べるにも向いてない。
草を食みて育ったバッタや、バッタを飲み込んでふえた
カエルや鳥を食べるのが、食物連鎖におけるヒトの
一つの立ち位置であり、実際に虫食の国や地域は多い。
日本でもイナゴや蜂の子、ザザ虫があり、
カニやエビやしゃこも、昆虫ではないが団子虫に近い甲殻類だ。
鳥に関しては、小鳥や鴨やキジもあるが
何といっても東南アジアの赤色野鶏を原種とするニワトリとその卵は
世界中の食文化に貢献している。
とはいえ、沢山の人々を養うのに、草葉由来の虫に鳥、
森の落葉のミネラルで育まれる魚介だけでは現代の環境では
充分といえない。
空氣の窒素を微生物が水溶性にする土壌で
根が葉っぱを作り、そこに
太陽エネルギーを炭素に結ばせた糖に変えながら、
飽和分を実に貯えた果物(低分子ブドウ糖)や米(高分子でんぷん)やナッツ(脂肪)は、
草でも肉でもない効率のよさがある。
果物は種を運んでほしくて、動物に食べさせるためにできている。
米等は、その場で動物に食わせ、肥料となる糞をさせるために
あえて多くの種を付ける。
ナッツは、一部を動物に食わせながら、リス等が備蓄や毒抜き用に
大地に埋めたものの忘れ分が発芽する。
とりわけ単位面積あたりのカロリー生産効率がよいのが、
やはり水稲。
栄養や情報のやり取りをする水に満たされ、
水中は重力抵抗減って生産性上がり、
空からの太陽光と地底からの遠赤外線を受け、
炭素とケイ素の両方が多様な元素と結合する。
ミネラルは小麦の10倍。
しかも水田は、どじょう、タニシ、小エビ、いなご
(他カエルやウナギ、フナにタナゴ)等の、おかずとなる動物性蛋白質さえ
同時に生産でき、さらにさらに、秋から初夏までは小麦や野菜を
裏作できるから、これほどの食糧生産の場があるだろうか。
森を伐り拓いたからには、それ以上のいのちの楽園を作らなきゃ、
それが水田の目指すかたち。
米とおかずとパンをまとめて産生できる究極の、人の自然が
たんぼと思う。
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なんでこんなに詳しいの?
すごいね。