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♪「うそうそ」畠中恵著 新潮文庫
「丑の5」になってるけど、実は「氷の華」の前に読んでいた。
ブログにアップするのを忘れていました。
畠中恵の「しゃばけ」シリーズ第5弾。
今回は初めての長編もの。
江戸通町に、廻船問屋と薬種問屋の大店を構える長崎屋の若旦那一太郎は、病弱で寝たり起きたり。
両親や妖(あやかし)の兄やに砂糖のように甘やかされ、鳴家(やなり)、屏風のぞきたちに囲まれて日々を過ごす。
そんな若旦那が、なんと遥々箱根まで湯治に出掛けることになった・・・。
箱根の山では天狗に襲われ、山神様の怒りに触れた大地震に見舞われ、はたまた誘拐され、そして山神様の一人娘お比女には嫌われ、散々な目に遭う。
ひ弱な若旦那はこんな次々に襲い掛かる災難に耐えられるのか!?
若旦那はいつもと変わらず妖たちに囲まれて楽しそうだが、今回はこれまでにない「絶体絶命」状態だ!果たして若旦那の命運は如何に!
初の長編で読み応えがあるのだが、短編と較べるとちょっと冗長で中だるみを感じる。
それにストーリーの展開が、最初のうちはどうも良く理解できなかった。
なんで若旦那と兄やたちが船の中ではぐれてしまうのか、天狗が若旦那を襲うのか、雲助たちはどう関わるのか・・・?
最後に来て全てが繋がって「なるほど、そういうことかぁ!」と納得できたわけでもない。
そういう意味では、折角の長編だがちょっと物足りなかった。
いつもの江戸市井ものの短編の方がすっきり感動できたかなぁ。
期待のシリーズのため、ちょっと残念!